心理学とコーチング ~行動経済学とコーチング 「不公正な人を罰したい」とは…!?~
私たちはみんな、ただの人間、つまりホモサピエンスである。問題はむしろ、経済学者が使っているモデルのほうにある。そのモデルでは、ホモサピエンスの代わりに「ホモエコノミカス」と呼ばれる架空の人間が設定される。「ホモエコノミカ...
私たちはみんな、ただの人間、つまりホモサピエンスである。問題はむしろ、経済学者が使っているモデルのほうにある。そのモデルでは、ホモサピエンスの代わりに「ホモエコノミカス」と呼ばれる架空の人間が設定される。「ホモエコノミカ...
<問題>あなたはコイン投げのギャンブルに誘われました。裏が出たら100ドル払います。表が出たら150ドルもらえます。このギャンブルは魅力的ですか? あなたはやりますか? 前回のコラムの最後にこの質問を提示していますが、い...
あなたならどちらを選びますか?A コインを投げて表が出れば100ドルもらえるが、裏が出たら何ももらえない。B 確実に46ドルもらえる。 カーネマン教授とトヴェルスキー氏の同志的つながりについて語ります。 ノーベル経済学賞...
「心理学とコーチング」というタイトルを冠したコラムを昨年の2月8日からスタートし、今回で57回目を数えることになりました。そして、前回のコラムで16回にわたって書き続けてきたロジャーズを終える、とコメントとしています。ロ...
私は3月22日のコラムで、「自分が大きな社会的勢力を獲得している」ことを自覚したロジャーズがどのような行動をとっていったのか、以下のようにコメントしました。 ……では、「自らが社会的勢力者≒大きな政治力を有した存在」であ...
最初に、ある人からの手紙を受けたその返信(最後の箇所)を紹介します。 (前略…以下の内容は全体の約3%です。この終結に至る前に多くの文字が綴られています) 文化の発展が人間に押しつけたこうした心のあり方……これほど、戦争...
2回にわたって、『ロジャーズ選集(下)/援助専門職の政治学(第25章)』を解説してまいりました。今回のコラムでも取り上げ、この第25章の完結編としたいと思います。 クライエント・センタード・セラピーへの猛烈な反対が、その...
前回のコラムで、ロジャーズの次のような例え話を取り上げました。 つまり、その男が後で友人に語って、「ねえ、自分はそれまで散文を話し続けたのに、そのことをちっとも知らなかったんだ」、というものである。 その後にこう続けます...
交流分析を2回続けたところで、ロジャーズに戻って解説してみようと思います。ロジャーズの晩年です。政治的人間になっていくその姿を描いてまいります。取り上げるのは、1977年に発表された「援助専門職の政治学」です…『ロジャー...
前回に続き、バーンの交流分析を取り上げます。今回は、4つの骨子の2番目である「交流パターン分析」を解説してみましょう。 バーンは、人と人のやりとりには3つの基本形があるとしています。 ①相補的交流(心地よい会話) 質問や...
前回は、ロジャーズ、スキナー、そして、村上春樹氏と河合隼雄氏の会話を通じて、「科学とは?」について考えてみました。書き綴っていくなかで、その前のコラムで取り上げた中野信子さんの『ペルソナ』にある「私はモザイク状の多面体で...
今回のコラムは、ロジャーズが「心理学と科学」をどのようにとらえているのか、について取り上げてみましょう。 真の心理学という科学を樹立しようとするならばどうしても必要になる科学概念を、私たちは展開させようとしているだろうか...
前回のコラムを書き綴るのと並行して、私は中野信子さんの『ペルソナ』を読んでいたのですが、TVやこれまでの著作から多くの人が感じていただろう「中野信子像」とは異なる姿が表明されており、大いなる興趣を感じることができました。...
エンカウンター・グループ(4) ロジャーズが始めたエンカウンター・グループを3回にわたって解説してまいりました。その間、私はコーチビジネス研究所の五十嵐久代表との出会いをどこかで語ってみたいな…と、思っていました。ロジャ...
エンカウンター・グループ(3) 私がコラムで2回にわたって取り上げた、ロジャーズの「グループのなかで促進的な人間であることができるのか?」は、『ロジャーズ選集』の上下に収録された33の自伝、論文、論及のなかで、特にリッチ...
エンカウンター・グループ(2) 私の希望は、徐々に、ファシリテーター(facilitator)であるとともに参加者になっていくことである。これは説明しにくいことで、私があたかも二つの異なった役割を意識的にとるような印象を...
エンカウンター・グループ 河合氏と春樹氏のコミュニケーションを通じて、カウンセリング、そしてコーチングの奥深い世界を体験していただいたところで、ロジャーズに戻りましょう。 自分のサイコセラピーがいかに科学としてのスタンス...
<村上>ぼくは実は今、ノンフィクションの本を書こうと思って、そのリサーチのようなことをしているところなんです。ちょっと小説のほうは一服して、この1年はそれに集中してやってみたいという気持ちでいます。テーマを定めて徹底的に...
ロジャーズについてのコラムを8回続けたところで、今回は河合隼雄氏と村上春樹氏のコミュニケーションを取り上げたいと思います。コーチングの基盤となったロジャーズについては、理論を中心に専門的な内容がしばらく続きました。この後...
世界の文化は、そのあらゆる局面でますます科学的に、ますます相対的になっていくように思われ、過去から受けつがれる堅固で絶対的な価値観は、時代錯誤であるように見える。おそらくさらに重要なことは、現代人が、あらゆる角度から互い...
前回のコラムは、ロジャーズが1957年に発表した「セラピーによるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」を中心に解説しました。これは『ロジャーズ選集(上)』の第4部からの引用です。今回のコラムは、この冒頭で選者がコメン...
1956年にロジャーズは、米国で最も伝統があり最大の心理学の学会である、アメリカ心理学会(APA)の「Distinguished Scientific Contribution Award」を受賞します。この賞の日本語訳...
前回コラムの最後で、「…ロジャーズの考え方は時の流れと共に変遷していったことを指摘しました。その変遷は、ロジャーズの活動の足跡を踏まえ、いくつかの段階で説明されています。今回のコラムでは、その「段階の概説」を取り上げる予...
『ロジャーズ選集(上)』6章のタイトルは、「指示的アプローチ 対 非指示的アプローチ」です。内容は、ポーターによる『カウンセリング面接の手続きに関する測定尺度の展開とその評価(1941年)』という未公開論文のなかの資料を...
前回のコラムは、『ロジャーズ選集(上)』のなかの、「第1部 私を語る」を取り上げました。この第1部は、ロジャーズが59歳(1961年)、70歳(1972年)、78歳(1980年)、そして最晩年の85歳(1987年)のとき...
前回のコラムの最後に取り上げたロジャーズの言葉は、『ロジャーズ選集 カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文(H.カーシェンバウム, V.L.ヘンダーソン編/誠信書房(2002年2月15日第3刷)』のなかの一節で...
今日コーチングが広がりを見せている、その背景に心理学が存在していることを、「心理学とコーチング」という大きなタイトルを冠にシリーズ化してきました。そのコラムの回数も34を数えます。その心理学の中でも、特にコーチングとの親...
今回のコラムは、奥の深いテーマを取り上げたいと思います。「女性と男性」です。まずは、アドラーの発言の紹介から始めましょう。『人間の本性 人間とはいったい何か(長谷川早苗訳)/興陽館(2020年2月15日)』の中からの引用...
これまでのコラムで、アドラーの無意識の捉え方が、フロイト、そしてユングと異なっていることを何度かコメントしています。アドラーは、意識と無意識をあえて分割しないで、全体的であるとし、「人は自然に形成される目的に向かって動い...
「遊ばないで、ちゃんと勉強しなさい!」この言葉を子どもに対して発したことのない親は、果たしているでしょうか? 今回のコラムは「子どもの遊び」について考えてみたいと思います。 アドラーによる1年間の連続講演(1926年)を...