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エグゼクティブコーチになるには~エグゼクティブコーチの資格取得と仕事~

エグゼクティブコーチとは

エグゼクティブコーチの本来の意味は、「選ばれたコーチ」ということです。そこから派生して、「経営者や経営幹部などのエグゼクティブ層に対してコーチングを提供するコーチ」という意味の言葉になりました。

エグゼクティブコーチと他のコーチの違い

ライフコーチは、パーソナルコーチとも呼ばれ、一般個人を対象に、その個人の方のより良い人生をサポートすることを目的にしています。したがって、その個人の方が目指すゴールや課題に応じて様々なテーマで行なわれています。

ビジネスコーチは、主にビジネスパーソンを対象に、ビジネスでのより高い成果をあげることを目的に活動しているコーチで、ビジネスでの成果や部下の育成、職場の課題解決などがテーマとなります。ライフコーチ(パーソナルコーチ)が、クライアント本人が自分のためにコーチを雇うのに対し、ビジネスコーチは、会社から依頼されて社員のコーチングをするケースが多いです。そのため、会社と契約をして会社の中でコーチングするコーチのことをビジネスコーチと呼ぶこともあります。

エグゼクティブコーチは、経営者や経営幹部などエグゼクティブ層に対してコーチングする
コーチのことを言っていますが、経営者の場合は経営や会社に関する課題のみならず、健康問題や家族問題など個人的な問題の相談に乗ることもありますので、ライフコーチングやビジネスコーチングを問わず、両方のコーチングができることが必要です。

尚、コーチングの基本は一対一で行なう個別対応ですが、組織や会社全体の活性化、生産性向上などを目指して、複数のコーチが研修や1on1ミーティングなどに関わることがあります。その場合は、組織や会社をクライアントにするということからコーポレートコーチなどと呼ばれることもあります。

ライフコーチ
(パーソナルコーチ)
ビジネスコーチエグゼクティブコーチ
対象者一般個人ビジネスパーソンエグゼクティブ層
(経営者・経営幹部等)
主な目的個人の人生をもっと
豊かにする
ビジネスでの
成果を上げる
エグゼクティブ自身
並びに組織の成長
テーマ例・目標を明確にしたい
・スキルアップしたい
・転職したい
・パートナーを探したい
・ダイエットしたい
・マネジメント力向上
・部下の育成
・問題解決
・タイムマネジメント
・営業成績の向上
・思考の整理
・リーダーとしての成長
・ビジョンや戦略の策定
・後継者の育成

エグゼクティブコーチに求められる資質・能力(コア・コンピテンシー)

一般社団法人日本エグゼクティブコーチ協会において、エクゼクティブに求められる能力水準(コア・コンピテンシー)として、次のように定めています。

参考:エクゼクティブに求められる能力水準(コア・コンピテンシー)

エグゼクティブコーチの資格

一般社団法人日本エグゼクティブコーチ協会(JEA)において、『エグゼクティブコーチ』の認定試験を定期的に実施しています。最高位の資格にふさわしいコーチを輩出するために、JEAのコア・コンピテンシーと実績に基づき、厳正な審査に基づき認定を行っています。

認定証

認定試験は下記のとおりです。

受験資格

  1. コーチビジネス研究所(以下、CBLという)主催の「SMEエグゼクティブコーチ養成講座」に出席し、全講座を履修した者、または他団体等の履修証明があり、エグゼクティブコーチとしてふさわしい知識・経験を有するとJEA認定委員会が認めた者
  2. コーチとして、10人以上、100時間以上(うち有料80時間以上)のコーチングセッションを経験している者
  3. JEAの定めるコーチとしての倫理基準を遵守することを誓約する者
    (参考:エグゼクティブコーチ倫理綱領

試験の内容

試験内容は、次のいずれかまたはすべての方法とします。

  1. 筆記試験(CBL養成講座修了生は筆記試験を免除)
  2. コーチングセッション実技試験(45分間)
  3. 面接試験(60分間)

上記の認定試験の結果や実績等を元に、認定審査委員会にて判定し、基準に達していると
判断した場合に、『JEA認定エグゼクティブコーチ』の資格を付与しています。

参考:コーチの方へ

エグゼクティブコーチの養成機関

一般のコーチングスクールを卒業して実績を積むことで、上記のJEA認定エグゼクティブコーチを受験することも可能ですが、株式会社コーチビジネス研究所(CBL)では、日本で唯一中小企業経営者にコーチンングできるコーチを育てるための『SMEエグゼクティブコーチ養成講座』を開催しています。

参考:SMEエグゼクティブコーチ養成講座

エグゼクティブコーチのための参考図書

エグゼクティブコーチを目指す方には、一般のコーチングに関する書籍の外に、以下のような本を
読んでみることをお薦めします。

よくある質問Q&A

Q.エグゼクティブコーチになるためには、経営の経験や知識が必要ですか?

A.必ずしも、経営の経験や知識は必要ありません。エグゼクティブコーチは、コンサルタントのように経営そのものを扱うわけではありません。経営者が課題と向き合う、その向き合い方に焦点を当て、経営者自身が課題の解決や目標達成に向かうのを経営者と協働して支援する存在です。もちろん、経験や知識がある方は、それをうまく活用することができれば、コーチングもコンサルティングもできますので大きな強みにはなります。しかしながら、経験や知識があると、相手の話を聴かずにアドバイスをしたり、自分の意見に誘導してしまいがちになりますので注意が必要です。

Q.コーチングとコンサルティングをどのように使い分けたら良いのでしょうか?

A.経験や知識がある人は、それをいったん脇に置いて、相手の中に答えがあると信じて、まずは相手が持っている力、相手の思いや気づきを引き出すことに最大限の注力することです。そのうえで、さらにコーチとして有力な情報や経験をお持ちでしたら、相手の了解を得たうえで、積極的に提供してください。絶対にアドバイスをしてはいけないということではありません。
また、コーチングとコンサルティングの使い分けについては、コーチとして「今、自分はコーチングをしている」とか「今はコンサルティングをしている」と、コーチ自身がしっかりと認識して使い分けできていること、そして、クライアントにもきちんと説明できていることが大切です。

エグゼクティブコーチングの事例

エグゼクティブコーチングにおいて、エグゼクティブコーチとしてどのように関わっていったらよいのか、よくあるお悩みのケースをご紹介します。

事例1

「経営者としての経験が豊富で、自分軸もしっかりしていて完璧なように見えます。このような経営者にはどう関わったらよいのでしょうか?」

(対応例)
完成されていると思っているのはコーチの感想です。まずはコーチ側が気後れしないで、ニュートラルになることが大切です。完成されたかに見える立派な経営者が、なぜコーチングを依頼されてこられたかを考えてみる必要があります。優れた経営者であればこそ、更なる高みを目指して行動されています。その経営者の関心に関心を向けて共感することから始めてみましょう。ライフチャートなどを用いて、ライフバランスをチェックをしてみることもお勧めです。

事例2

「3代目の経営者です。先々代からいる古参の社員や若い社員の間に立って、どのようなスタンスで接したらいいのか悩んでいます。特に年配の社員にはどのように関わるのが良いのでしょうか」と言った課題を抱えている3代目経営者のようなクライアンにはどうコーチングしたら良いでしょうか?

(対応例)
自分よりも年上で、経験豊富な社員の場合、例えば、期待した成果を出した時に、「良くやってくれましたね」と言ったとしても、上からの評価目線になってしまいます。こういうような時は上から目線の評価ではなく、「〇〇さん、ありがとうございます。〇〇さんのおかげで、チームのみんなが助かりました」と言うように、周りの人や自分への貢献を伝えると、相手の人も嬉しく感じて、また頑張ろうかと思ってくれます。
自分が子供の時から面倒を見てくれていたというような年配の社員もいるかと思います。気持ちの切り替えが難しいというのが正直なところかと思いますが、経営者として私情を挟まずに毅然とした対応が求められます。若い社員に対しても同じです。創業社長と同じようにはいきません。後継経営者としてのスタンスを確立することが何より求められます。まずは、PVP(目的・価値観・原理原則)を考えてもらうことをお薦めします。

事例3

「役員の中に気の合わないと感じる人がいてどうしたらいいか困っています。どうも私とは考え方が違うようで、新しいことが嫌いでとにかく保守的です。どのように接したらいいでしょうか?」という経営者には、どのようなコーチングしたら良いでしょうか?

(対応例)
一般的なコーチングでは、その気の合わない役員とどんな関係でありたいのか、理想の関係を描いてもらって、そのために何ができるかを考えていくことが多いかと思います。具体的な方法としては、気の合わないと感じる役員のどういうところにそう感じるのか、いつからそのように感じているのか、具体的な場面を思い出してもらって再現してもらいます。できる限り正確にそのやりとりを再現してもらい、その時に具体的にどんなやりとりがあり、周りにはどんな人がいて、どんな気持ちや感情だったのかをありありと思い出してもらいます。ポジションチェンジの手法を使って、その役員の立場、気持ちになりきってもらうというような方法があります。
エグゼクティブコーチングでは、その前に、次のような問いかけをしてみます。
「このようなスタッフを前にした時に、どのような態度をとる傾向にあるでしょうか?」
「このようなスタッフに対して、どのようなレッテルを貼りがちでしょうか?」
「このようなスタッフは、自分にとってどのような存在だと捉える傾向があるでしょうか?」
「このようなスタッフは、自分の未来にとって、どのような貢献をしてくれると思うでしょうか?」
「このようなスタッフを抱えていることで、何が起こることを恐れていますか?」
こうした質問を通して、経営者としてどのような反応をする傾向があるのかを考え、このような課題をどう乗り越えていくのかを一緒につくりあげていきます。

事例4

「いくら考えても明るい未来を描くことができません。未来に対するビジョンをどのように描いたら良いでしょうか?」という経営者には、どのようにコーチングしていったらよいでしょうか?

(対応例)
この経営者が考える明るい未来とはどのようなものでしょうか、いつからそう思うようになったのでしょうか、いつもそうなのでしょうか、何がそのように感じさせているのでしょうか、といったことを次のような質問によって考えてもらいましょう。
「社長から見て、明るい未来とはどんな未来ですか?」
「いつからそのようにお考えですか?」
「その時具体的に何があったのか教えてもらいますか?」
「未来を描こうとすると、どのような反応が身体に起きますか?」
「未来を描くことは社長にとってどんな意味がありますか?」
「もし社長が考える明るい未来を描くことができたとしたら、どんな変化がありそうですか?」

このような質問を通して、未来を描く力、エネルギ-といったものを手にすることができるように
コーチングしていきます。

事例5

「起業して3年目の37歳の経営者です。3年目でスタッフの人材もあまり育っていないため、
自分でやった方が早いことから、ついつい自分ですべてをやってしまうところがあります。もっと任せないといけないと分かってはいるのですが、忙しいこともあり、説明してやってもらうのも面倒なので、結局自分でやってしまいます。任せられるようになるにはどうしたらいいでしょうか?」と悩んでいる経営者にはどのようにアプローチしたら良いでしょうか?

(対応例)
次のような質問によって、何が障害になって任せられないのか、本質はどこにあるのかを考えてもらい、次の成長に向かうためにどうしたらよいかを一緒につくりあげていきます。

「任せられないのか、任せたくないのかどちらでしょうか?」
「任せないことであなたが得ているものは何でしょうか?」
「すべて任せたとして、あなたが失うものは何でしょうか?」
「今のままの状態が続いたらどんな問題が起きそうですか?」
「もし、すべて任せてしまったとしたら、何が起きそうでしょうか?」
「これまで任せてみた経験を思い出してください。その時のことをできる限り正確に再現してみてもらいますか?」「その結果、何が起こったでしょうか?」

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