心理学とコーチング ~アドラー その10~
前回のコラムではコーチングというより、カウンセリングに軸足を置いて記述しています。アドラー心理学においてもそのスタートは、臨床心理学(精神病理への対応)としてのカウンセリングです。ただしアドラー心理学は、そこにとどまって...
前回のコラムではコーチングというより、カウンセリングに軸足を置いて記述しています。アドラー心理学においてもそのスタートは、臨床心理学(精神病理への対応)としてのカウンセリングです。ただしアドラー心理学は、そこにとどまって...
前回のコラムで「アドラー心理学のどのようなところが批判されているのか」、について取り上げました。その一つに「アドラー心理学は、健常者にだけ機能する」がありますが、裏を返せば「健常者以外、つまり病(やまい)の状態にある人に...
心理学とコーチングでアドラーを取り上げて以降8回目を数えることになりました。石川啄木の「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」ではありませんが、「アドラーの言葉」「アドラーの理論の概括」…と、大きなカテゴリー...
アドラーは大人向けのカウンセリングだけでなく、児童教育に強い関心を持ち、後継者たちもアドラーの考え方を引き継ぎ、発展させていきました。 今日、アドラー心理学では、児童教育の方法について、「勇気づけ」「子どもが行う不適切な...
アドラーについては、「アドラー心理学の理論」に基づいて、オーソドックスな解説を心がけてきました。今回のコラムは「インターミッション」という意味合いを持たせたいと思います。そこで恐縮ですが、以前私が執筆した『格闘するコーチ...
「劣等性」は客観的なものである…この捉え方は、すごい発見だと感じています。ただ、そもそもは心理学用語であるinferiorityを訳した際に「劣等」を用いたので、日本語の響きとしては、「劣等性」と言われても、どうしてもネ...
アドラー心理学は常に新鮮な気づきを与えてくれます。 私も折に触れ、アドラー、およびアドラーの後継者が書いた著作を引っ張り出して、自分を省みるのですが、そのたびに新鮮な気づきを得ることができます。面白いもので、昔読んだ本を...
前回は、ライフスタイルはどのようにして形成されるのか? ライフスタイル形成に影響を与える要因とは何なのか? というテーマについてアドラーの考え方を解説しています。では、それが理解できた次のステップはどのように展開していく...
アドラーが臨床医として、カウンセリングに臨む際に最も重視したのは、「クライアントのライフスタイルを見極めること」でした。今回のコラムでは、臨床医の側面として、アドラー最高の功績とされている「ライフスタイル」を取り上げます...
前回のコラムはアドラーの言葉を紹介しました。今回はアドラー心理学の理論を解説してまいります。構成は、最初に「どうしてアドラーはフロイトと袂を分かったのか」に触れます。その後で、アドラーの特徴的な理論についていくつかひも解...
心理学における3巨人のうち、フロイト、ユングについてコラムを進めてきました。今回からはアドラーを紹介してまいります。今日のコーチングが成立する過程において、アドラーの思想、そして提唱した理論の影響は大きなものがあります。...
今回のコラムは、前回に引き続き、ユングの無意識の世界を探訪してみましょう。ユングは無意識を、個人的無意識と普遍的無意識の2層に分けてとらえていることを前回のコラムで紹介しました。河合隼雄氏は、『ユング心理学入門(岩波現代...
今回のコラムは、ユングの「無意識」を深堀りしてみようと思います。無意識をフロイトは構造論で示し、図式化したことは以前のコラムで紹介しました。その図式とは、卵型の楕円を描き、中央を横切る破線で上下に区分し、下方を「エス(無...
今回は「発達心理学」にスポットを当てようと思います。(前回のコラムでは「家族心理学」をとりあげました。)人の問題行動を考える場合に、その生育過程における経験や周囲との関わり方が何らかの鍵を握っている、と指摘されています。...
私は心理学の知見をベースにして、そこからインスパイアしたノンフィクションや小説を読むのが好きなのですが、実に多くの作家が明瞭に、あるいは通奏低音のごとく抑えた響きで、ストーリーを展開しているのを感じることができます。村上...
心理学を学ぶにあたって、必ず登場するのが、フロイト、ユング、そしてアドラーです。3人とも医学者であり、心理学の源流は「精神医学」と言われています。もっともアドラーは眼科を専門として医学課程を修了しています。そして内科の医...
政治の世界では、数が影響力の源泉であることが自明のように語られます。確かに政党、派閥の変遷を見てみると常に集団の規模を大きくしようとする力学が見られます。さて今回のコラムは「数が論理」という中にあって、少数派(あるいは個...
父母は自分の意志とは別に最初から存在しているものです。「子は親を選ぶことができない」は絶対的な真理であり、このことがさまざまなドラマをつくりだしていきます。一方、ここかしこに存在しているそれぞれの集団は、何らかの理由や要...
今回のコラムは「変化する家族」を取り上げます。家族は集団の最小単位であり小さな社会です。すべての人が体験する環境でもあり、当事者としての捉え方はまさに人それぞれです。そしてその姿は確実に変化しています。ところが、マクロと...
~「権力をもつと人は変わってしまう」と言われるけど本当?~ 社会的勢力とは、「他者に対して社会的影響をもたらす潜在的な力」のことです。これが最もシンプルな定義といえますが、この定義に微妙なニュアンスを付加してバリエーショ...
「人は他者から影響を受け、そして影響を与えることを通して社会的動物となっていく」という言葉がありますが、この互いに影響を及ぼしあう過程を理解することが、対人行動のカテゴリーです。その中の一分野である「社会的促進と社会的抑...
先日、NHKテレビの『パンデミックが世界を変える』という対談番組があり、経済学者・思想家のジャック・アタリ氏の発言が印象的でしたので、ご紹介します。 ジャック・アタリ氏は、『危機のサバイバル』(2009年)という著書の中...
「自己開示」と「自己呈示」、心理学では異なった意味で扱います。まずは、広辞苑で開示と呈示の違いを見てみましょう。 いずれもシンプルに記されています。“明らか”と“さし出す”の違いをどう解釈するかですが、何となくニュアンス...
今回は「自己開示」を取り上げます。コーチングを学んでいる人にとって、この「自己開示」はとても重要な意味を持ちます。コーチはコーチングのセッションを通じてこの自己開示に努めます。自己開示、つまり自分がどのような人間なのかを...
今回は、「対人魅力」についてです。心理学としてのとらえ方にも幅があるのですが、「魅力」というワードを狭義に解釈して「他者(個人に限りません)から受ける好意や尊敬といった肯定的な態度の大きさ」という定義がわかりやすいと思い...
新型コロナウイルスは、3月11日にWHOのテドロス・アダノム事務局長により「パンデミックである」との宣言がなされました。あらゆるメディアからシャワーのように情報が提供される中、私も、自分自身はどう対応していけばよいのかを...
経済産業省は、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、同感染症の影響を受ける業種に属する中小企業者の業況が悪化していることを踏まえ、中小企業者の資金繰り支援措置を講じました。 制度の利用にあたっては、信用保証協会の『経営安...
前回は「態度の形成」について「古典的条件付け」「オペラント条件付け」の2つの理論を取り上げ解説しました。今回のコラムは「態度のまとめ」として、「態度の形成要因」についての2つの視点を紹介します。 オルポートによる態度形成...
前回は「態度の機能」を説明しました。今回は「態度はどのようにして形成されるのか?」を取り上げます。その態度について心理学で必ず学ぶのが「条件付け理論」です。心理学の理論の多くは海外で誕生しオーソライズされてきました。した...
2回にわたって心理学における「対人認知」を紹介してきましたが、今回は「態度」について取り上げたいと思います。 対人認知という4文字熟語はまさに心理学用語であり、一般的な会話の中では使用しないことばだと思います。一方、今回...