心理学とコーチング ~新型コロナワクチンとイノベーション、そして東京ディズニーランドと楽天~(2021/07/08)

<質問>
1983年4月15日、東京ディズニーランドが千葉の浦安に開業しました。さて、米国のディズニー社に、ディズニーランドを日本に誘致する際の候補地として、当初日本側が自信をもって提案したエリアはどこだったでしょうか?

今回のコラムは私の「ワクチン接種体験」を語ります。

前回より「渋沢栄一を語ってまいります」と予告したにもかかわらず、異なるテーマのコラムとなることをご了解ください。

というのも、先日新型コロナワクチンの職場接種(ファミリー枠)の第1回目に出向き、その時感じたことを語りたくなったのですね。そして今回のコラムのタイトルですが、少し欲張って、イノベーション、東京ディズニーランド、楽天について語りを進めてみようと思います。

では、冒頭の質問です。
その「自信をもって提案したエリア」は、米国本社が「絶対あり得ない場所だ!」として全否定するのです。その場所とは…「富士の裾野」でした。

私の長女は現在37歳なのですが、東京ディズニーランドは今年で開業38年となるので、誕生がほぼ同じということもあり、長女が赤ちゃんのときからディズニーランドに足しげく通っています。その長女がすべてのアトラクションを体験できる年頃になると、年間10回は通い込んだように記憶しています。

東京ディズニーランドに入るとそこは非日常の別世界!

さて、米国ディズニー本社が全否定したその理由とは…
「パークの中は別世界であり、Dreamを提供する特別の場所である。外部の景色が少しでも見えてはいけない。ましてや富士山とは…」というのが回答です。日本は「借景」を取り込むことで風雅を感じる文化ですが、ディズニーランドのコンセプトは全く違っていたのです。

当時、日本の遊園地(まさに昭和の響きですね)として圧倒的な存在感を誇っていたのは「富士急ハイランド」です。私は、千葉真一、野際陽子が活躍する大ヒットTVドラマの「キーハンター」の撮影場所として頻繁に登場する「富士急ハイランド」をTV越しに見て、胸をときめかしたものでした(当時小学生~中学生です)。

私は、日本人の「サービス」、そして「エンターテイメント」に対する価値観のコペルニクス的変転のタイミングを、この1983年と解釈しています。それまでの日本であたりまえとされていた「運営方法」を覆すディズニーランドの「オペレーション」は、とにかく新鮮でした。実際に私は、それを“衝撃”として受けとめています。ということは…そのとき私は「米国文化からの同調圧力」、そのとば口に立たされていた、ということかもしれませんね…(笑)

私にとっての「ディズニーランド初体験」は“衝撃”でした!

次回のコラムは、「渋沢栄一論」に戻りますが、渋沢栄一がパリで見た「万国博覧会」、そして欧州の各国を視察しての印象は、もちろん私がディズニーランドで感じた印象とは別格の、“桁違いの衝撃”であったことは間違いありません。それでも、私はディズニーランド体験を“衝撃”ということばで伝えたいと感じています。

ウインドウズ95の発売によってインターネットが浸透し始めるタイミングから、さらに10年以上遡る当時の状況は、スマホ、ユーチューブ、ドローンが日常と一体化している今日のデジタルネイティブには、想像できないでしょう。これは「過去」に対する想像ですが、「富士急ハイランド」や「としまえん」を、“素晴らしい!” と思っていた当時の私にとっての「未来」…すなわちディズニーランドを実体験することのイメージは、まったく想像できない世界だったのです。

“新結合”を遂行することがイノベーションである!

今回のタイトルについて、まず「東京ディズニーランド」からその語りを始めましたが、それが「イノベーション」、そして「楽天」とどう結びつくのか…読者の方は疑問に思われるかもしれませんね。経営用語としての「イノベーション」を概念化させたのはシュンペーターです。

みなさんは「イノベーション」というと何を思い浮かべますか?
日本語訳は一般的に「技術革新」とされていますが、シュンペーター理論は、ハードな技術だけでなくソフトも包含する幅広い概念を提唱しています。それは「新結合」です。この言葉は経営学を学んだ人は別として、ビジネス用語としてもあまり浸透していませんが、「イノベーション」とは、まさにこの「新結合」なのです。

シュンペーターは、それを5つのタイプに分類します。ネットで検索すると、その日本語訳の5つがすぐに出てくるのですが、「中小企業基本法の経営革新」の定義(シュンペーター理論を咀嚼したものです)が明瞭ですので、そちらを紹介します。

<経営革新とは>

①新商品の開発又は生産
②新役務の開発又は提供
③商品の新たな生産又は販売の方式の導入
④役務の新たな提供の方式の導入
⑤新たな経営管理方法の導入その他の新たな事業活動
これらを行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることをいう。

「役務」は「サービス」の日本語訳ですね。法律は基本的にこちらの用語を使います。とても広い概念だと理解できます。

東京ディズニーランドの「カリブの海賊」を1983年に体験したとき、オーディオアニマトロニクスの精巧さに驚きました。40年近く経った現在も当時のままですので、テクノロジーとしての完成度も①が継続中であり、陳腐化していません(もっとも40年を経ていますから、マニアはもう少し辛口の評価をするかもしれませんが…)。その“衝撃”を踏まえ、私は30年前に中小企業診断士受験講座のテキストを執筆した際、サービスマーケティングの事例として「東京ディズニーランド」を取り上げ、次のように解説しました。

<東京ディズニーランドのサービスマーケティング>

  • 高度なオーディオアニマトロニクス技術(音響と動作と電子を合成した表現)を駆使し、徹底した機械化を実現したアトラクション群 → アトラクションの多くはライド(乗り物)型であり短時間で多くの客をさばくよう工夫している。
  • 意図的に蛇行させた順番待ちの列づくりと街頭パフォーマンス → 需要の集中性に対するストレスの除去。
  • 午後4時以降の入場には割引料金を設定 → 需要の分散を図る。
  • CP(コンタクト・パーソネル…従業員、TDLの場合キャスト)に対する“高度な”接客技術教育 → 「GIVE HAPPINESS(幸せを提供すること)」という理念の探求を核とした教育を通じて、「マニュアルをベースとしつつも臨機応変な対応を可能とする“高度に標準化された”サービス」の提供(異質性の排除)。

c.は今日「ダイナミック・プライシング」と呼称されます。東京ディズニーランド(TDL)がその走りです。
TDLは現在、東京ディズニーリゾート(TDR)に拡張され、とどまることを知りません。創業者のウォルト・ディズニーの魂(スピリッツ)が今日まで連綿と受けつかれているのを感じます。

楽天は「新型コロナワクチン接種」のオペレーションを最高度のレベルで構築していた!

さて、最後に「楽天」につなげていくのですが(コラムとしての「新結合」ですね)、日本政府が「職場接種」を発表して以降の大学、企業の動きは機敏でした。そのなかでも「楽天」の対応は、さまざま報道されています。

私はたまたまファミリー枠で、先日二子玉川の楽天本社である「クリムゾンハウス」に出向きました。該当の時刻に到着すると、社屋のエントランス前に多くの人が並んでいます。それを見て、「時間がかかるだろうなぁ~」と覚悟して最後列に並んだところ…2~3分程度は待機しましたが、社屋内部に入ってからは、列の動きは止まらなかったのですね。

「クリムゾンハウス」内の構造もあるのですが、指定導線のナビも的確で迷うことなく(ストレスなく)歩を進めることができました。要所にスタッフが配置され声をかけてくれます(相当な人数です)。歩きながら…「結構な距離だなあ~ なかなか会場にたどり着けないけど、先日楽しんだディズニーランドの『美女と野獣“魔法のものがたり”』のお城に入ってからの距離を思い出すよ」…という想念が去来します。

そうこうするうちに、接種会場に入ります。入った瞬間、収容されている接種予定者と、接種を終えて一定時間会場にとどまっている人数の多さに驚きました。つまり会場がとても広かったのです(そこは、クリムゾンハウスに出社している全従業員を集めて、毎週月曜朝8時~に実施される「朝会」の会場とのことです)。
歩いた距離の長さと導線の動きが止まらなかった理由を理解しました。

中に入ってからのオペレーションも素晴らしかったですね。人によって実際の接種までのステップに違いがあるのですが、タイプ別の導線もスムーズでボトルネックが発生していません。要所に配置された楽天のスタッフ、看護師、そして医師。最終的に接種する担当スタッフ(私の場合看護師)のブースも相当の数が設置されています。

東京ディズニーランドのオペレーションを彷彿とさせるような情景であり、こうして「楽天での新型コロナワクチン接種体験記」を綴ってしまいました。
いつの間にか「楽天エコシステム」に組み込まれてしまっているようにも感じています(笑)。

最後に気になるワクチンの副反応ですが…

さて、気になるのはワクチンの副反応です。7月4日の日経新聞に、直木賞作家の黒川博之氏による「ワクチン接種とお勉強」というタイトルのウイットに富んだエッセイが掲載されていました。今回のコラムの最後に、その副反応に関する箇所を引用しておきます。

半月ほど前、コロナワクチンで、かかりつけの病院に行ったとき、主治医が言った。65歳以上の老人は抗体値が上がりにくいため、ほとんど副反応がない、と。ちなみに2回の接種を済ませた、わたしの同年輩の主治医の抗体値は3000で、若い看護師さんたちは10000を超えているため、発熱や嘔吐といった副反応があるという。「もしも黒川さんが接種で発熱したりしたら、よろこぶべきです。体が若いんやから」。主治医はそう言ってわらったが、わたしに副作用はかけらもない。

ちなみに私は62歳ですが、1回目の接種については、黒川氏と同様に“かけら”もありませんでした(笑)。

坂本 樹志 (日向 薫)

 

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