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前半は、「対話の伝道者 カール・ロジャーズ」、後半は、対話とは異なるインタビューを「開成中学・高校 野水勉校長の『直言』」で考えてみた1on1ミーティングです!

心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年44回目の1on1ミーティングです。

「テロ対策」は「戦争」に新解釈され拡大し続けている…

(A課長)
地上戦が始まったようですね。

(Sさん)
ええ、そのようです。ネタニアフ首相は明快に表明していないようですが…
日本がハワイの真珠湾を急襲した際、日本が米国に通告したタイミングが、未だに議論を呼んでいます。宣戦布告の遅れです。ロシアのウクライナ侵攻といい、今回のハマス、イスラエルも、わけがわからない…

(A課長)
ロシアはウクライナに対して、別の国家という概念もなかったでしょうし、イスラエルに至っては、ガザ地区、そしてパレスチナの捉え方は、全然違っていると思います。
米国は9.11によって、対テロ対策を戦争に引き上げてしまった。その「新解釈」は世界に影響を与えています。プーチン大統領はロシア国内に対しても、その屁理屈を錦の御旗として戦争を継続させている。
Sさんは、前々回の1on1のアイスブレイクで、ギデオン・ラックマンさんのコメントを引用しましたね。印象に残っています。

世界的ジャーナリストのギデオン・ラックマンさんが、今この時、収拾に向かって何かを提言するということがまったくできていない。ただ、このOpinionの最後は、まさに「不意打ち」であった9.11が起こった後の米国を振り返っている。歴史の教訓です。現在の衝撃と怒りを抱えたイスラエルの反応は、2001年9月11日の同時多発テロ直後の米国を彷彿(ほうふつ)させる。米国はあの時、自らの結束力と実力を見せつける行動を選び、10年にわたる「テロとの戦い」に突入した。

しかし、今になってみれば多くの米国人は、あれは誤った判断で自国の首を絞めることになったとみている。イスラエルも、危険をはらむ同じ道へと突き進もうとしているのかもしれない。

「歴史を振り返ること」は極めて大切なこと!

(Sさん)
「歴史を振り返る」というのはとても重要なことだと思います。一昨日、月曜日の日経新聞の『核心』に興味深い論説が掲載されていました。日中関係の20年を振り返る内容です。タイトルは「日中の鉄橋に“耐震補強”を」です。「危機管理に対話は必要」を見出しに使っている。20年を俯瞰し、藤井彰夫論説委員長が筆を執っています。

この内容も取り上げたいのですが、今日は、Aさんと別のテーマを語り合いたいので、見出しの「対話」につながる箇所のみを引用させてください。
藤井論説委員長が、「そんな中で19~20日に日中有識者による『東京一北京フォーラム』が北京で開かれた」と、後半のテーマに話題を転じた、その最後当たりの記述です。

オンライン会議だった昨年に比べると、実際会って相手の表情をみながら話し、討論の前後に雑談もできるリアル会議は意味があると感じた。全体会議では日中の「相互不信」「猜疑心(さいぎしん)」という言葉が出たが、その解消には直接対話を増やすことが重要だ。

(A課長)
対話です。そして、「五感をまさに感じることができるリアル」は大切ですよね。

(Sさん)
ただ、藤井論説委員長は「高をくくらない」。

平行線の議論が続くなか、対話を重ねるだけで問題が打開できるのかという不安も感じた。(中略)この20年で複雑化した日中関係は今「対話と抑止」の双方を状況に応じて進めなければならない難しい局面を迎えている。

世界平和の実現は「対話」と……?

(A課長)
なるほど…最後は「政治」ということになるのかもしれない。高度なレベルの交渉力があっての「対話」です。
フロイトの精神分析がカウンセリング界を席巻していた時代に、カール・ロジャーズは「それは違う」と思索を深めていき、さまざまな実践を経て、「ロジャーズの3原則」を打ち立てます。自己一致、無条件の肯定的配慮、共感的理解の3つです。1950年代でした。現在も、世界のカウンセリング界が深く共鳴共感する“理論”です。

一人の心理学者であったロジャーズは、ある大学院生の指摘で72歳の時、1970年代の半ばころですが「政治」に目覚めます。それから85歳で亡くなるまで、「パーソン・センタード・アプローチ」を掲げ、「対話」の伝道者として、世界中を飛び回ります。その行動は世界に共感を呼び起こし、ノーベル平和賞候補にノミネートされた、とも言われています。

(Sさん)
「対話の伝道者」… とてもいい響きだ。

ロジャーズは「パーソン・センタード・アプローチ」を世界に広めるべく奔走した!

(A課長)
さて、Sさんが考えているテーマはなんでしょうか? なんとなく想像していますが…

(Sさん)
ええ、想像通りだと思います。

(A課長)
『直言』でしょう?

(Sさん)
はい、毎週のようにやっていますから、予想も何もないですけど(笑)
ただ、今回登場した方は「意外」でした。

(A課長)
開成中学・高校の野水勉校長でしたが…

(Sさん)
ええ、『直言』は、日経新聞が紙面大刷新を計画したその第一弾として、毎週日曜日に2面全面を使って、徹底的にインタビューする大型のシリーズ企画です。
初回は6月18日、沖縄科学技術大学院大学長のカリン・マルキデス学長でした。この博士課程専門大学院のOISTは、日本が誇るスーパー大学院です。世界中から優秀なスーパー研究員を集めている。
ちょっと軽薄ですね。“スーパー”の使い過ぎだ(苦笑)

(A課長)
Sさんとの1on1で、OISTの凄さを実感しました。最近では「量子エンジン」が話題になりました。ネイチャーに掲載されましたね。

日本経済新聞の『直言』を取り上げた1on1を振り返ってみる!

(Sさん)
OISTのことはまったく知らなかったので、世界は… いや日本も広いな、と感じましたよ。このときの1on1に、Aさんと響き合ったこともあって、それから『直言』を何度も取り上げています。「対話」とは持ち味の異なる、ジャーナリズムの「インタビュー」に臨む姿勢を、さまざま感じることが出来る。
ちょっと振り返ってみましょうか。

7月5日は、トニー・ブレア英国元首相
7月12日は、アグスティン・カルステンスBIS総支配人
ちょっと間が空いて、8月9日が、坂東眞理子昭和女子大学総長
8月23日は、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長でした。
その翌週の8月30日が、経団連十倉雅和会長
9月6日は、アンドリュー・ング米スタンフォード大学兼任教授です。

その後の3回は少し『直言』から離れて、宮崎駿さんと渋谷陽一さんの12年に及ぶ対話本の『風の帰る場所』を語り合いました。宮崎監督の哲学を感じる1on1になったと思います。

それから、また『直言』にもどって…
10月4日は、死線をくぐっての今がある東ティモールのラモス・ホルタ大統領
10月11日は、野中郁次郎一橋大学名誉教授
そして先週が、胡坐座りで講義するシェリー・ケーガン米イエール大学教授でした。

(A課長)
こうやって振り返ってみると、いろいろ思い出しますね。ジャーナリズムとしての日経新聞の姿勢が感じられます。コーチングは「対話」です。「インタビュー」の目的は違うところにあります。日経新聞の『直言』は、「ジャーナリズムとは?」について、考える視点を提供してくれます。

インタビューは本来「対話」とは趣を異にするもの…

(Sさん)
今回の1on1は「政治」を考えるところからスタートしています。ジャーナリズムは「インタビュー」を駆使して持論を展開する、というわけだ。

(A課長)
Sさんが意外感を覚えた理由がわかってきました。これまで『直言』は、世界的ビッグネームを中心として、国内もよく知られている人物が登場しています。野水校長は、分野的に昭和女子大の坂東眞理子総長が近しい人だけど、坂東さんも女性のキャリア官僚の草分けとして知名度が高い。埼玉副知事もやっている。『女性の品格』は読んでいますけど、確か300万冊売れて、そのときの年間ベストセラーになっている。

(Sさん)
ジェンダーに造詣が深いAさんは、その本も読んでいたんですね。

(A課長)
いえ、この本はジェンダーとはちょっと違います。だから300万冊売れたんです(笑)
それで、開成中学・高校は東大への進学がナンバー1という意味では知られているけど、大学ではないですし、個人としての野水勉校長は、その世界では有名人かもしれませんが、ほとんど認知されていません。つまり、このタイミングで、日経新聞が野水さんを選び、インタビューしたのは明快な目的があるということです。

(Sさん)
おっ、私のモヤモヤとした疑問が溶けていきそうだ。ええ、比較すると申し訳ないですが、これまで登場した著名人の人たちとは毛色が異なっていますよね。

(A課長)
Sさん、少し時間をください。私もその『直言』は読んでいますが、再読します。今日の1on1は、Sさんの違和感を解明する、というテーマでやってみましょう。

(10分後…)

A課長は日経新聞の意図を見つけることが出来たのか…

(A課長)
なんとなく像が結ばれてきました。最後にインタビュアーが感想を述べる「インタビューから~共学化の議論避けるな」に、ヒントが隠されている。

(Sさん)
ヒントですか?

(A課長)
Sさん、「この感想」と「インタビューの全体像」を照らし合わせてみてください

「将来の共学化はありうる」とは意外な発言だった。多くの生徒が「楽しい」と語る開成の校風は、棒倒し競技で盛り上がる運動会に象徴される男子校文化と強く結びついている。一方でジェンダー平等とグローバルの潮流は一国に閉じた教育と進学の慣行を変えつつある。「東大より海外」を選ぶ生徒と保護者の増加はその表れだ。

共学化を考え始め男女別学の有力校はほかにもいろいろある。パブリックスクールと呼ばれる英国の名門私立校も共学化が進む。男女が対等につくる社会の担い手をどう育てるか。トップ高だからこそ共学の議論を避けてはいけない。

女子だけでなく経済的な理由から開成に挑戦できない子どもたちへの配慮も要る。公立の中高一貫校も増えたのに公立小学校の教育力は不十分なままだ。公教育の中でトップ人材を育てる仕組みを充実させたい、

(Sさん)
なるほど…
インタビュー全体は、16の質問で構成されていますね。これまで、10を超える質問数で記事化された『直言』はなかったんじゃないかな。つまり、回答者は一つの質問に対して、さまざまな発想を得て、沢山喋っているんですね。ところが今回、日経新聞の記者は、次々質問を繰り出しています。そして野水校長の回答もシンプルです。

(A課長)
そうなんです。質問だけチョイスしてみると鮮明になるかもしれない。

質問1 : 草創期は東大に入るための予備校で、今も100人超が入る。東大輩出は開成の使命か。
質問2 : 高い実績は東大専門の塾に通う生徒が多いためだとの見方もある。
質問3 : 新入生は中学受験のための塾通いで「やらされる勉強」に慣れてしまっていないか。
質問4 : 東大に限らず、海外大に進む生徒が増えたと聞く。海外進学支援に力を入れているのか。
質問5 : 今年、ケンブリッジ大に進んだ生徒が取材に「国内外の大学全部を視野に入れて選んだ」と話していたのが印象的だった。
質問6 : マインドは変わり始めている。留学の精神がもっとあってよい。
質問7 : 交換留学を経験すれば、生徒の関心は一段と海外に向くだろう。「東大一直線」にはこだわらないということか。
質問8 : 現実には東大進学を望む保護者が多そうだ。失望を招かないか。
質問9 : 海外トップ大が求める高い英語力をどう鍛えるかが課題だ。
質問10 : 政府は日本人学生の海外派遣を33年までに50万人(コロナ前で22万人)に増やす方針だ。現実的な目標だろうか。
質問11 : 大学の国際化に長く取り組んだ目から見て、派遣が増えない背景に何があると思うか。
質問12 : 外国人留学生の受け入れを40万人(同32万人)に拡大する目標の達成も容易ではない。
質問13 : 学生の英語力の底上げが必要だが、大学に入ってからでは遅い。
質問14 : トップ層の高校生が海外に向かう流れが強まっている。日本の大学の競争力が一段と下がりかねないが、大学の危機感は足りない。
質問15 : 世界には研究界や政官の指導層に女性が多くいる。将来そこに出て行くことを考えると男子校のままでよいのか。
質問16 : 男子だけの空間は居心地がよいが男社会を変えるマインドは育ちにくい。功罪両面がある。

日経新聞は「共学化・ジェンダーバイアス」にフォーカスした!

(Sさん)
面白い! Aさんの言う、「“感想”と“インタビューの全体像”を照らし合わす」の意味が理解できました。“感想”は「共学化」のことしか書かれていない。これは15番目の質問に対して野水校長が答えた内容です。日経新聞はそれまでの14個の質問に対する野水校長の回答には違和感は覚えていない、ということだ。

(A課長)
そうなんです。そして、ほとんどの質問が「誘導」です。つまり、日経新聞の問題意識を、日本のトップ進学校の校長にぶつけてみて「わが意を得たり」を求める。一方でギャップを感じれば、それを記事にしようと、方針を立てて臨んでいます。

日経新聞は「日本は自国内の大学に進むことを当然視している、このままでは日本はさらに衰退していく」という思いなのでしょう。質問の多くは「この内容」に費やされています。併せて「英語教育の在り方」を糾す質問も多いですね。
それに対して、野水校長は誠実に答えています。日経新聞の価値観とほぼハーモナイズしているんですね。

(Sさん)
いやあ、納得だ。質問14までは「確認質問」であり、想定通りだったわけだ。

(A課長)
そうなのでしょう。それが「男女共学を真剣に考えてもいい」と回答されたのは、想定外だった。ただし野水校長は、「機運が醸成されれば」という、言葉を添えています(笑)

(Sさん)
日経新聞の記者は、ギャップを感じた「共学化」のみ感想でコメントした、ということですね。見出しの「1割は海外トップ大視野」と「英語強化で地盤沈下防げ」は予定調和ということだ。

Aさん、私の場合は「英語教育の在り方」に意識がフォーカスしていました。というのは、日経新聞も野水校長も「日本的だなぁ~」と感じたんです。つまり「外国語の習得」を「勉強」の視点で捉えているからです。「まじめだなぁ~」という思いです。

(A課長)
ううん? Sさんの視点を知りたい。

Z世代、ミレニアム世代は「含羞」とは無縁…?

(Sさん)
ええ、中国で4年過ごした経験を踏まえてです。私は究極の“語学”音痴ですから、英語も全然ダメ、ましてや中国語についてはマイナス以下の状態で「中国に行きなさい!」と言われ、上海の地を踏んでいます。

それで、驚いたのは、明らかに高等教育は受けていないだろう地方出身の若者が、結構日本語を話せるんです。「出身地はどこ?」と訊くと、と東北地方のはずれであるハルビンとか、成都とかです。

その多くは女性です。「生活のため」「必要に迫られて」という意識が根底にあったとは思うのですが、とにかく「物おじ」しない。オープンというか、日本人が当たり前のように備えている「含羞」というものが感じられない。うん… これはちょっと言い過ぎかな(笑)

(A課長)
「含羞」ですか…?

(Sさん)
ただ、日本の将来を私はあまり心配していません。ポケトークもあるし、生成AIもどんどん進歩しています。私は「翻訳の専門家」が、最も早く廃れるというか、なくなる職業の筆頭だと思っています。

ユーチューバーや、TikTokなどによって、Z世代の若者は、表現することの楽しみ・喜びを体感しています。Z世代は、「含羞」とは無縁の世界を生きている。Aさんの世代であるミレニアム世代も、もうそうなっているんじゃないですか?

(A課長)
実は「含羞」という言葉は一度も使ったことがなかったので、一瞬、戸惑いました。時間差で「意味」は伝わってきましたが(笑)

(Sさん)
昭和世代はついつい古式ゆかしい言葉を使ってしまう(笑)
私はよく孫娘の話をしますが、最近、英検の5級を取ったんです。そもそも英検が5級からあるのを知りませんでした。

(A課長)
ええっ? 確か小学1年生ですよね。

Sさんの小学1年生の孫娘は英検の5級を取っていた!

(Sさん)
はい、私も驚きました。4歳半のときから、週5日くらい毎日30分ほど、リモート教材で英語に触れていたんです。

(A課長)
毎日ですか!

(Sさん)
ええ、フィリピンの先生です。長女が、いろいろ調べて3社ほど試しています。孫娘の〇〇ちゃんに「どの先生がいい?」と、訊きながら、二人で決めたんですね。孫娘も自分で選んだ先生だ、ということもあって、それも継続につながっています。

孫は本当に愉しんで30分を過ごしています。フィリピンの先生はとにかく明るい。「ウワ~オゥ~!」とか、合いの手を入れながら英語でゲームしているんですね。まさにコミュニケーションです。

(A課長)
フィリピンとのリモートですか… まさに今風ですね。

(Sさん)
時代ですよ。それから授業料というか、契約金額ですが、安いのにびっくりです。1回何百円とかの世界で、月でも6000円とか7000円だと言っていました。

ときに孫娘が、「私だって疲れてるんだから、今日はレッスンしたくない」とか、生意気なコト言ったりしています(笑)
長女は、「いいよ~ 私が習っているわけじゃないから〇〇ちゃんが決めてやればいいよ~」、とか応えていますね。それで、ぶつぶつ言いながら、スイッチオンしています(笑)
英検の結果を見ると、ヒアリングは満点でした。

(A課長)
いいなぁ~(笑)
そろそろ時間ですね。最後に私の視点をお話ししてもいいですか?

(Sさん)
もちろん!

「女子大冬の時代」から引き継がれた今回の『直言』!

(A課長)
今回の野水校長の『直言』は、「女子大冬の時代」を見出しに使った、坂東眞理子昭和女子大学総長インタビューの続編だと感じました。「共学こそダイバーシティ&インクルージョンを体現する」、という捉え方です。

ただ私は、「共学」はもちろんいいけど、「男子校」「女子高・女子大」もあっていい、と思います。アジア太平洋戦争でコテンパンにやられてしまった日本は、GHQによって「共学化」が一気に進められました。現在の「男子校」「女子校」は、それなりに意義を持っているから残っていると思うのですね。淘汰される学校は、男子、女子にかかわらず消滅する運命です。「共学ありき!」というのも「どうなんだろう?」というのが、私の思いです。

私は妻の影響もあるとは思うのですが、日本で一番偏差値の高い高校である「お茶高」は、東大志向というか、そういうのは超越しています。
妻の母親は、東大の文Ⅰ、もしくは理Ⅲに行ってほしい、とマジに思い続けていたようです。グレートマザーである母親の力によって、平凡な公立中学から「お茶高」に合格できたことは感謝しつつ、お茶高の自由な環境で目覚めてしまったというか、母親を相対化することができた、と言っています。
あと「女子の場合、東大ブランドは却ってマイナスになるから…」とかも言っていましたね(笑)

(Sさん)
ちょっとレベルが高すぎる(苦笑)

今回の1on1の〆は「日本の150年を振り返る」!

(A課長)
スミマセン… 「東大一直線」は決して幸せにつながらない、というリアルを日本全体が感じつつあるなかで、今回の『直言』が生まれたと思います。もっとも、時代の先を見ている冴えた女子は、男子とは異なった視座で、世の中を感じているのではないでしょうか。

最後にCBLコーチング情報局が300回となったときの解説の冒頭を引用させてください。Sさんは今日の1on1のはじめに、「歴史を振り返る」というのはとても大切なこと、と言った。日本の150年を簡潔に振り返ったその解説は、これからの日本を考えるうえで、示唆を与えてくれているような気がしています。

黒船の来航によって眠りを覚まされた日本は、主体的というより日本内部の圧搾空気が破裂するように開国を選び、そして明治維新となります。西洋社会との「文明」の遅れを痛感した日本は、以降懸命に「西洋科学」の輸入に邁進し、内部化に努め、西洋モデルとの統合を希求して走り続けます。

辺境の島国という地政学的な幸運にも恵まれ、明快な武力による侵略もなく、国家レベルでの「実感できる痛み」を経験していない日本は、アジア太平洋戦争に突入します。その結果、沖縄での悲惨な地上戦に至り、世界で初めて原爆を落とされます。それまでつくり上げてきた価値観が崩れ去るのを国民が体験するのです……

坂本 樹志 (日向 薫)

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