無料相談・資料請求はこちら

ゴジラ-1.0、佐々木晃佐々木酒造社長、サブナショナル外交、関西学院大学集中講義、卓越大学の東北大学… を語り合うカラフルな1on1ミーティングです!

心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年45回目の1on1ミーティングです。

アイスブレイクは「ゴジラ-1.0(マイナス1)」!

(A課長)
おはようございます。Sさん、ゴジラマイナス1を観ました!

(Sさん)
おっ、早いですね。先を越されてしまった(笑)

(A課長)
ええ、初日の11月3日に観ましたから。

(Sさん)
東宝の前宣伝は凄いかったですね。東宝がもつ最大のIPコンテンツ、かつ世界化したブランド怪獣です。なので、力が入るのも分かる。しかも70周年で、初日も第一作が上映された同じ日に合わせています。

(A課長)
今日の1on1は、2016年のシン・ゴジラと今回のマイナス1の比較研究をやってみようと思ったのですが、Sさんが観てからにしましょう。私が一方的に話してしまいそうです。それだとコーチング型1on1にならない。新海監督を語る1on1の“成功体験”を踏まえて…

(Sさん)
ありがとうございます。ネタバレ前に観賞したい。

(A課長)
それもありますよね。神風特攻隊として出撃したにもかかわらず、逃げて生き残った敷島浩一を神木隆之介が演じています。「PTSDをいかに克服していったのか?」というカウンセリングがテーマの映画として捉えることも可能です。敷島はパートナーである大石典子役の浜辺美波と子どもの存在に支えられます。そして敷島と大石は最後までプラトニックなんですね。コーチングですよ、この映画は…

「ゴジラ-1.0」はカウンセリング+コーチングの映画…なのか?

(Sさん)
ストップ! ネタバレに入っています(笑)

(A課長)
おっと、失礼(笑)

(Sさん)
興行収入のスタートダッシュが凄いですね。シン・ゴジラ超えもありえるかもしれない。評価のコメントも飛び交っている。
ただAさんの、「ゴジラマイナス1とはコーチングの映画」という着想は、観賞するだろう何百万人のさまざまな感想において、唯一の視点ですよ。確信できる(笑)

(A課長)
アイスブレイクはこのあたりで…(笑)
そうだ、もう一つだけコーチングがらみのお話をさせてください。私は、脇を固める佐々木蔵之介の熱い演技に惚れました。その弟さんを知っているんですよ。もっともZoomの画面越しですが…

日本エグゼクティブコーチ協会のシンポジウムで、京都にある佐々木酒造株式会社の佐々木晃社長がゲスト講師として登壇されたんです。新しい日本酒の飲み方、新製品開発に対するこだわりと想いが、ストレートに伝わってくる熱い講演でした。

「社長を継ぐのは長男のはずだったのに、役者になってしまったので、私が継ぐ羽目になりました」、と笑いながら語れたのが、とても愉快でした。

「兄の佐々木蔵之介が会社を継ぐはずでした」と語る晃社長…

(Sさん)
京都のお酒というと伏見が有名ですが、酒蔵はそこにあるのですか?

(A課長)
いいえ、伏見のお酒でないことを佐々木社長は誇りに感じられているようです。チャットGPTに「佐々木酒造」について質問してみましょう…

京都の佐々木酒造は洛中にあります。京都市に所在する酒造の中でも洛中に現存する唯一の蔵元です。佐々木酒造は明治26年に創業し、二条城の北に位置します。佐々木酒造は豊臣秀吉が愛した銀明水で仕込んだ酒「聚楽第」や「西陣」などの銘柄を造っています。佐々木酒造の酒蔵見学やイベントなどの情報はこちらをご覧ください。

(Sさん)
すばらしいですね、今度買って飲んでみよう。

(A課長)
アイスブレイクも盛り上がったところで、今日のテーマに入りましょう。このところ、日経新聞の『直言』を取り上げるのが恒例となっています。ただ、11月5日は『直言』が掲載されていなかった。残念でしたね。

(Sさん)
はい、その通り。
毎週、日曜日の2面に掲載されますが、たまに見当たらないこともあります。その理由が今一つ不明です。「3連休にからむ日曜日だからかな?」とか、勝手に理由を探っています。

(A課長)
人って、疑問がわくとそれを解明しようする。わからないという宙ぶらりんの状態がいやなんですよ。ですから理由を考える。その探求心が科学の進歩を促す。

11月5日の日曜日に『直言』が掲載されなかったのは何故…?

(Sさん)
なるほど…
私の場合は、とりあえず納得できる自分流の解を、でっちあげてしまう傾向があるので、要注意です。

(A課長)
(笑)… さて、今日のテーマはどうしましょう。

(Sさん)
ええ、そのテーマを探そうと、日曜日の新聞を丹念に読んでみました。1面は「米大統領選 2024」の特集です。次のコメントから始まる記事です。

2024年の米大統領選挙まで残り1年に迫った。バイデン大統領の再選か、トランプ前大統領らが指名を争う共和党候補が奪還するのか。勝負どころは選挙のたびに勝利政党が変わる「スイングステート(揺れる州)」。党派対立が激しくなる米国社会で、その重みは一段と増している。

(A課長)
日本ではなかなか理解できない状況ですよね。明らかな分断です。『どうする家康』のフィナーレが近づいていますが、いよいよ関ケ原の合戦です。米国の分断は、まるで日本の戦国時代のようだ。

(Sさん)
Aさんらしい視点ですね。さきほど「納得できる自分流の解」といいましたが、「米国という国と日本とは何が違うんだろう?」といろいろ考えてみたんです。

(A課長)
私は、コーチングのリフレーミングは常に意識していますが、Sさんの拡大解釈は意外性に富んでいる。面白くなりそうだ(笑)

(Sさん)
期待されるとプレッシャーですが、今Aさんが言った「関ケ原」は使えそうな気がします。つまり「関ケ原」にあたるものが「南北戦争」ですよね。
日本は江戸時代になって、一応内乱状態に終止符が打たれたけど、家康は、独立自営というか、半ば国家ともいえる藩の存在を生かし、幕藩体制という連合国家をスタートさせた。

(A課長)
ということは、米国は「幕藩体制」国家である、という解釈ですか?

米国は「幕藩体制」を続けている国家…?

(Sさん)
はい、メタファーだとそうなります。ただ日本の場合は、その連合国家の体制は維持できなくなる。黒船です。圧搾空気が破裂するように開国します。そして260年を経ての内乱が発生する。旧政権の徳川幕府が鳥羽伏見の戦いで政権を投げ出し、明治維新となりますが、まとまった一つの国とはいいがたい。

西洋列強の強烈な外圧を感じた大久保利通、木戸孝允、岩倉具視などが、このバラバラな状態にある日本を、強引な手法を使ってでも「国民国家」のカタチをつくらねばならない、と「富国強兵」をスローガンに立て、走り始めるのです。

(A課長)
ただ、しばらくは薩長土肥の藩閥政治が続きますよね。

(Sさん)
ええ、山縣有朋が力を持ち続けた時期まで続きました。大正になってから解消されたと言われていますが、政治は未成熟のままです。結局、「日本は一つの国家で、自分たちは日本人である」という“まとまり”は、軍国主義の背景のもと、根付いていったのではないでしょうか。悲しいプロセスですが…

(A課長)
前回の1on1の最後で、CBLコーチング情報局の300回目の冒頭を引用しましたが、その続きをSさんが語っているようだ。

(Sさん)
う~ん、それは意識していない。ただ、無意識のところで影響されているのかもしれません。そういえば、圧搾空気という言葉は、その引用にあった気がする。

日本は圧搾空気が破裂するように開国を選択した!?

(A課長)
ええ、再度引用してみましょう。

黒船の来航によって眠りを覚まされた日本は、主体的というより日本内部の圧搾空気が破裂するように開国を選び、そして明治維新となります。西洋社会との「文明」の遅れを痛感した日本は、以降懸命に「西洋科学」の輸入に邁進し、内部化に努め、西洋モデルとの統合を希求して走り続けます。

辺境の島国という地政学的な幸運にも恵まれ、明快な武力による侵略もなく、国家レベルでの「実感できる痛み」を経験していない日本は、アジア太平洋戦争に突入します。その結果、沖縄での悲惨な地上戦に至り、世界で初めて原爆を落とされます。それまでつくり上げてきた価値観が崩れ去るのを国民が体験するのです……

(Sさん)
そういうことか… 話を戻しますね。米国は、「国としてのまとまりをつくり上げないと、弱肉強食の世界の中で生き残れない」という、日本人が抱く当たり前の感覚が希薄なのだと思います。つまり「幕藩体制」がそのままが続いている。

(A課長)
う~ん…

(Sさん)
世界最強であるという幻想を共有している米国は、「国がまとまらないとマズイ」、という外圧を感じることはないのでしょう。州の権限が極めて強い連邦国家体制が維持されるのは、それもあると思います。大統領選挙のシステムは、集権国家ならぬ「州権国家」を感じさせる。

(A課長)
そういえば、日経新聞1面の大きな見出しは、「揺れる州、増す重み」ですね。日本で「揺れる県、増す重み」という言葉は誰も思いつかない。「埼玉県だと人工妊娠中絶はダメだけど広島県はOK」というのは、ありえないですから。

日本では「揺れる県、増す重み」はイメージできない!?

(Sさん)
この記事を読んでいるうちに、少し前の…11月1日の日経新聞Opinionに掲載された秋田浩之コメンテーターの提言を思い出したんです。タイトルは「“トランプ再選”に備えるサブナショナル外交の出番」、です。見出しは3つ、「政治内戦に近い米国社会」「地方レベルで幅広いパイプ」「関係を“面”に広げる必要」です。

(A課長)
「サブナショナル外交」は、はじめて聞く言葉です。日経電子版で共有しましょう。

(Sさん)
ありがとうございます。Aさんと特に共有したいのは…この箇所です。

各国はトランプ氏の再選も想定し、対策に動くべきだろう。そこでより大切になるのが、米国の各州・都市の自治体や州議会と、自国のカウンターパートの関係を直接、強めることだ。

地方同士のパイプを広げ、政府・軍といった「線」に加え「面」でも結びつく。そうすれば、米政権の交代に伴う衝撃も吸収しやすくなる。米国と友好国による地方間の交流を深めるような活動は、サブナショナル外交と呼ばれる。

日米交流の強化策を話し合う日米文化教育交流会議(カルコン)の合同会議が10月6日、ジョージア州アトランタであった。日米の識者が相次いで訴えたのも、サブナショナル外交の必要性だ。

サブナショナル外交とは州と直接的な交流を深めていくこと!

(A課長)
なるほど、州との直接関係である「地方間の交流を深めるような活動」のことですね。

(Sさん)
秋田浩之コメンテーターは、トランプ大統領の再選対策として「より大切になるのは」という表現で、サブナショナル外交の重要性を説いています。

(A課長)
Sさんの「米国と日本の違い」を解明しようとする像に、輪郭が見えてきましたね。「米国大統領は強大な権力をもつ存在」というイメージは強いけど、実際は「州のご意向」に配慮しつつ、全体をまとめていこうという「州権国家である」、ということだ。

(Sさん)
ありがとうございます。Aさんはコーチングにおける「リフレーミング」をいろいろ例示してくれます。私も影響を受けて、だんだんコーチング脳になりつつある(笑)

(A課長)
(笑)… 11月3日という日が大統領選の1年前ということで、日経新聞が力を入れて連続して特集を組んでいます。月曜日の1面は「トランプ氏、共和党候補独走」、昨日の1面は「バイデン氏、労組票に苦慮」、です。
米国にとっての「最大の推し活イベント」は大統領選挙であることが伝わってきます。

(Sさん)
座布団3枚です!(笑)

(A課長)
ちょっとスベったかな?(笑)
もう少し時間がありますね。私も日経新聞で響いたところを紹介させてください。
Sさんと『直言』を最初に語りあったとき、沖縄科学技術大学院大学のすごさを実感したわけですが、6日月曜日の23面「18歳プラス・チーム池上が行く!」のタイトルが「科学の発見、好奇心が土台」でした。そして昨日の6面「Deep Insight」は、矢野寿彦編集委員による「“卓越大”という壮大な実験」です。

コーチング視点で捉えていくと、さまざまな気づきを得ることができます。まず「18歳プラス」の「関西学院大 集中講義編」を共有します。

理学部の学生は「科学者には好奇心が必要。それがないと面白いことが見つけられない」と指摘しました。
総合政策学部の学生は「役に立つためではなく、自分が研究したいから取り組む」という姿勢に注目しました。
工学部の学生は「まわり道をしてもいいという考え方がある」ことを発見したようです。
多くの学生に響いたのが「研究は役に立たなくてもいい」という言葉でした。

関西学院大学の学生は「役に立つ」に囚われない発想を得た!

(Sさん)
リフレーミングだ。

(A課長)
そうなんです。「世の中に役に立つことをしたい」という思想が広がっています。尊ぶべき理念です。ただ、科学の発見は、もちろんその延長上にもあるかもしれないけど、とんでもない大発見というのは、「役に立つかどうかわからないが、異様な好奇心にかられ。寝食を忘れ、探求し続けた結果見出された…」というケースが多いように感じます。

続いて、昨日の「卓越大」を取り上げます。矢野編集委員のOpinionは、次の言葉から始まります。

東北大学のウェブサイトにある同大の歩みを紹介する動画がなかなか興味深い。東京、京都に次ぐ3番目の帝国大学は当初、国の財政難から設立が危ぶまれた。「平民宰相」となる原敬の助言により古河財閥から寄付を受け1907年、ようやく創立にこぎ着けた。(中略)
それから1世紀超。鳴り物入りで始まった政府の科学技術振興策「大学ファンド」による「国際卓越研究大学」の第1号に東北大が内定した。10分強の動画「東北大学の歴史」を見ると、東大でも京大でもなく、東北大が選ばれたのがなるほどとうなずける。

(Sさん)
「なぜ東北大学が“卓越大”なの?」という疑問を、矢野さんは抱いたわけだ。そしてYouTubeだと思うけど、東北大学のPRビデオを視聴することで「納得できた」ということですね。

(A課長)
ええ、その10分強のビデオを視ました。実に納得です。この1on1が終わったら、Sさんもゆっくり視てほしい。そうですね…「これってコーチングだ」と感じたところだけでも紹介させてください。このあたりかな? 5分50秒のところです。

いかがですか?

(Sさん)
なるほど…「研究第一主義」「門戸開放」「実学尊重」の3つが、大学創立からの揺るがない理念というわけだ。

東北大学は「ダイバーシティ&インクルージョン」の先進大学!

(A課長)
はい、「研究第一主義」と「実学尊重」についての映像がしばらく続きます。そして8分あたりから「門戸開放」となるのですが、意外なことに東北大学は、「ダイバーシティ&インクルージョン」の先進大学だったんです。この大学はコーチングを先取りしていました。

地方の大学、その危機感の中で、将来の日本を担う有為な人材を全国から集めるための戦略、それが門戸開放でした。はじめに、それまで高等学校卒業者のみに限られていた入学資格を専門学校、高等師範学校卒業者にまで拡大しました。

さらに、女性の帝大入学を認めない当時の政府の圧力に屈せず、女性に初めて門戸を開きました。その一人である黒田チカは、天然色素の研究により、日本で二番目の女性博士号を取得し、その後、お茶の水女子大学の教授として後進の研究者を育てました。慣行を打破し、広く人材を募り、それを育む、そんな門戸開放の理念により、出身校、性別、年齢によらない多様な人材が輩出されました。

最近では、ノーベル賞を受賞した田中耕一、作家の伊坂幸太郎、音楽家の小田和正など、多彩な人材もまた、本学で学びを共にした卒業生たちです。

沖縄のOIST、そして東北大学… いずれも中央から離れた場所にある。それが自由な気風を生み出している。

(Sさん)
田中耕一さんは東北大学でしたか? 大学教授ではない、民間企業…島津製作所だったと思いますが、その一研究員の受賞です。とにかく驚かされましたよね。
田中耕一さんのWikipediaをチェックしてみましょう…

学位は工学士(東北大学・1983年)であり、学士で唯一のノーベル化学賞受賞者。ノーベル賞を受賞して以降も、血液一滴で病気の早期発見ができる技術の実用化に向けて活躍中である。

好奇心こそが価値を生み出す源泉!

(A課長)
学卒での受賞は田中さんだけ… ユニークだ。そして謙虚な人柄が伝わってくる。
今日の1on1のテーマセッションは「疑問がわくとそれを解明したくなる」、という言葉からスタートとしました。カラフルな対話が続きましたが、すべて、そこにつながっているように感じます。最後は「チーム池上が行く」にある、「その好奇心・姿勢こそが価値を生み出す」ことを確認して、〆たいと思います。
引き続きエキサイティングな1on1をやっていきましょう!

工学部の千足蒼良さんは課題図書(筆者注 : 『未来の科学者たちへ…大隅良典・永井和宏著』『探求する精神…大栗博司著』)を読んで勇気づけられたそうです。千足さんは高校生のときに雑草で紙を作る研究を行い、その研究をもとにある大学の推薦入試を受験したのですが不合格になりました。
「9人の教授から『それは役に立ちますか?』と聞かれた。それは役に立たない、ただ自分がやりたかったことだから、その9人の教授の(考え方の)先に僕はいたのかな」と振り返りました。
これを聞き、池上さんは解説しました。「ノーベル賞を受賞した小柴昌俊氏は記者会見で『ニュートリノを検出できるようになると何の役に立つのか』と問われ、『何の役にも立ちません』という発言をされたそうです。堂々とこうした発言ができるのは自信があるからこそ。とてもすごいことなのです」

坂本 樹志 (日向 薫)

現在受付中の説明会・セミナー情報