心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年42回目の1on1ミーティングです。
2000年の宿痾が露になっている…
(A課長)
おはようございます。
日本にいるとなかなか実感できませんが、中東をめぐる2000年の宿痾が露になっています。プーチンロシアのウクライナ侵攻といい、ミレニアム級の激動の時代が始まっているのかもしれません。
(Sさん)
ええ、攻撃を仕掛けられたイスラエルが、ガザ地区に対し「本格的な地上戦」を準備しています。イスラエルの情報収能力は世界が認めるところですが、報道によると、全くといっていいほど兆候をつかんでいなかったようですね。
(A課長)
イスラエルのネタ二ヤフ政権に慢心があった、との分析も出ています。
13日金曜日の日本経済新聞7面のOpinionは、FINANCIAL TIMESチーフ・フォーリン・アフェアーズ・コメンテーターのギデオン・ラックマンさんの寄稿でした。タイトルは「イスラエル、米の道歩むか」です。「政策、全面的に誤ったおそれ」が見出しとして使われています。共有しますね。
最近の諜報活動と防衛の失敗がいかに深刻だったとしても、イスラエルはもっと広い視点で検証する必要がある。そもそもネタ二ヤフ氏のパレスチナ政策すべてが、間違っていたように思えるからだ。(中略)
同氏は、パレスチナとの和平を実現させない限り、イスラエルが中東で受け入れられることはないという見解に耳を貸すことはなかった。むしろ近隣アラブ諸国と国交を正常化させれば、こうした国々によるパレスチナへの支援が断たれ、平和が促進されると主張していた。(中略)
問題はネタニヤフ氏のパレスチナ政策が崩れ去った今、代わりとなり得る政策が全くみえていない点だ。イスラエルが悲嘆と怒りに包まれる今、政府としては断固たる軍事報復に出るしか選択肢はない。それでもハマスの指導者らを殺害する以上の見通しを持ち合わせているわけではない。
(Sさん)
悲嘆そのものの筆致だ。世界的ジャーナリストのギデオン・ラックマンさんが、今この時、収拾に向かって何かを提言するということがまったくできていない。ただ、このOpinionの最後は、まさに「不意打ち」であった9.11が起こった後の米国を振り返っている。歴史の教訓です。
現在の衝撃と怒りを抱えたイスラエルの反応は、2001年9月11日の同時多発テロ直後の米国を彷彿(ほうふつ)させる。米国はあの時、自らの結束力と実力を見せつける行動を選び、10年にわたる「テロとの戦い」に突入した。
しかし、今になってみれば多くの米国人は、あれは誤った判断で自国の首を絞めることになったとみている。イスラエルも、危険をはらむ同じ道へと突き進もうとしているのかもしれない。
イスラエルは9.11以後の米国を俯瞰していなかった!?
(A課長)
最近注目されているアンガーマネジメントを想起しました。国家や民族を、それに照らし合わせることは飛躍しすぎかもしれませんが、有機体として捉えることは可能です。もちろん複雑極まりない有機体です。ただ有機体は、最終的に「恒常性の維持」に向かいます。時間は必要かもしれませんが、世界中のさまざまなアクターが「対話のチャネル」を閉ざすことなく「諦めないで…」と祈るばかりです。
(Sさん)
結局は「対話」に行き着く。改めてこの言葉の重みを実感します。
前回の1on1のアイスブレイクは環境問題が話題でしたね。私は思わず「ディストピアは御免こうむりたい」と言いました。今回も重すぎるアイスブレイクになりました。今日のテーマは明るい話題を選びましょう。
(A課長)
もちろんです。そうなるとテーマは決まりだ。
(Sさん)
藤井聡太さんの8冠達成!
(A課長)
21歳の一人の青年が社会現象を巻き起こした。凄いことです。
(Sさん)
私は日経新聞しか読んでいませんが、ものすごい扱いでしたね。勝敗が決定したのは11日木曜日の午後8時59分です。その翌朝、ポストから新聞を取ると、「藤井 八冠独占」の巨大な文字が飛び込んできました。1面のアタマです。今Aさんは「社会現象」といいましたが、見出しは「沈む日本に“Zの衝撃”」ですから。
39面の社会面も、全面で特集です。21歳の文字が躍っています。
“Zの衝撃”は沈む日本を救う救世主…なのかもしれない!
(A課長)
私は電子版で確認しました。
先週の1on1で、日曜版の「NIKKEI The STYLE」にあった、2面見開きの「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏が圧巻だった」、というSさんの言葉が印象に残ったので、12日金曜日の日経新聞は、コンビニでも購入しています。
(Sさん)
おっ、珍しいですね。Aさんの仕事ぶりはペーパーレスが徹底している。私はどうしても紙を出してしまいます。PC画面で完結する仕事スタイルに慣れることが出来ない。
(A課長)
ええ、現時点では大目に見ています(笑)
ただ、Sさん得意のリフレーミングと、レジリエンスを発揮すれば、紙の無い環境でも仕事の能率は落ちないと思いますよ。
(Sさん)
う~ん… その言葉はコーチングですね。「指示命令」ではなく、「その気にさせるコメント」だ。わかりました、気持ちを切り替えて取り組みます。やれそうな気持になってきた(笑)
(A課長)
Sさんはコーチャブルなので、話は早い!(笑)
私は自宅でもプリンターは使っていません。必要があればコンビニで出力できますから。ただ、今回は社会現象のリサーチということで、朝日新聞と読売新聞も併せて買ってみました。Sさんがよくやる新聞各紙の比較研究です。直近は… G7広島サミットを各紙がどのように記事にしているか、5月24日の1on1でやっている。テーマは「ゼレンスキー大統領のプレゼンスと対話」でした。
(Sさん)
やりましたね。広島出身の私は日経新聞以外の他紙も目を皿のようにして読み込んでみました。
(A課長)
今回は私にお任せください。ただSさんはそのとき、毎日と産経も買っていますが、私は、日経と朝日、読売の3紙です。ご勘弁を(笑)
ではさっそく…
まず驚いたのは、1面の、朝日「天声人語」、読売「編集手帳」、そして日経の「春秋」が、すべて藤井さんを取り上げていたことです。ただ各紙の視点は異なっている。
(Sさん)
ええ、朝日と読売はAさんに解説いただくとして、「春秋」は敗れた永瀬拓矢さんに焦点を当てていた。
日本経済新聞の「春秋」は、“藤井聡太”の文字は存在しないが…
(A課長)
はい。日本中が藤井さんの大応援団で沸騰していましたから、完全なアウェイですよね。TVもそれを煽っている。TVは藤井フィーバーにコンプリートに便乗していた。
私はそのことに少し違和感を覚えていたので、「春秋」のスタートに引きつけられました。
…大一番とは、羽生善治さんが七冠を達成した1996年の王将戦。敗れた谷川さんは無冠となった。手放したのはタイトルだけではない。
「それまで持ち続けていた誇りを、いったん将棋の神様に返上した」(「復活」)。自分を見つめ直し、1年たたず竜王に返り咲いたのは周知のとおりだ。
七冠が羽生さん一人の手に渡ったことで、ある棋士が「棋士すべてにとって屈辱」とつぶやいたことに触れています。現在のプロ棋士は174人です。アーニャになって、彼らの心の内を覗いてみたい。
(Sさん)
アーニャ? 誰ですかそれ…
(A課長)
そうか… Sさんはスパイファミリーを見ていない。主人公の一人で超能力少女です。人の心が読めるんですね。
(Sさん)
ああ…すごい人気のようですね。それも一つの社会現象といえるかもしれない。Aさんのおかげで新海監督作品すべてを鑑賞しましたから、これもきっかけだ。見てみます。
日本文化を語る上でアニメは最強ですよ。いつか1on1のテーマにしてもいいですね。
(A課長)
フォローに感謝です(苦笑)
新聞1面の下段コラムに戻します。各新聞社のエースが筆を執っています。まとめ方も見事です。
いつまでも八冠を名乗らせてなるものか。ライバルたちの奮起が棋界をさらに盛り上げ、レベルを高めていくに違いない。「ゼロからやり直す」。王座を奪われた永瀬拓矢さんの決意がなんとも頼もしい。もっとも先を進むかの人にしてからが「まだ頂上は見えない」。彼らが登りゆく峰の、どれほど高いことか。
(A課長)
“藤井聡太”という文字はどこにも見えない。匠の文章です。
(Sさん)
棋界のプロと文筆のプロの競演だ。「天声人語」と「編集手帳」は、何が書かれていますか?
朝日新聞の「天声人語」は、ギリギリの臨場感を切り取る!
(A課長)
「天声人語」も永瀬さんに触れています。ギリギリの戦い、臨場感を切り取っている。
最終盤では双方が、一手60秒未満で指す「1分将棋」に突入した。どちらが完璧に読み切れるか、どちらかが間違えるのか。息詰まる緊張のなか、123手目を指した永瀬さんが突然、頭をかきむしった。溜息をつき、天を仰いだ。
明らかにミスをしたとわかるしぐさに、驚いた。血の気が引いたか、悔しさが出たのだろうか。藤井さんは表情を変えず、盤上を見つめたままだ。直前まで優勢でも一手で変わる。将棋の怖さを見た思いがした。
ここでも谷川浩司さんが登場します。ただ、ミスをしても無表情で切り抜け、初めて名人位を獲得したシーンを取り上げていますから、「春秋」とは逆ですね。それも面白い。
無表情で隠し通す人もいる。谷川浩司さんは40年前、初めて名人位を得た対局で「おやつとして出ていたイチゴにフォークを刺した瞬間」にミスをしたことに気づいたという。「何食わぬ顔でイチゴを口に入れたが、まったく味はしなかった」(『藤井聡太論』)
最後のまとめは、藤井さんで〆ます。定番の展開ですが、とてもいい。
トップ棋士たちも間違い、落ち込むのだ。5連覇を目前にした永瀬さんの重圧はいかほどだったか。そして、あの指し手の応酬を乗り切った挑戦者の心技体の充実ぶり。恐るべき21歳である。
(Sさん)
「編集手帳」の視点も永瀬さんのことが書かれていましたか?
読売新聞の「編集手帳」は、永瀬さんと藤井さんの交流を描く!
(A課長)
ええ。前半は「天声人語」とおなじく、「永瀬拓矢九段(31)は123手目、痛恨のミスをした。1分将棋となった最終盤の時の刻みが何かを狂わせ、大逆転を許した」と記述しますが、その後は、藤井さんと永瀬さんの関係性を紐解いてくれています。普段から仲の良い研究仲間のようです。
永瀬さんの父は川崎市でラーメン店を営む。他の店に習おうと自分より若い料理人のもとで修行する姿を見た永瀬少年は、「努力のしかた」を父の背中で学んだ。藤井さんが14歳でプロ入りすると、「一緒に練習しませんか」と自ら声をかけ、ともに成長してきた。
今このとき、「藤井聡太に敵なし!」と、世論は興奮していますが、そこに一石を投じている。〆は永瀬拓矢の名前をブラインドにして、敗者にオマージュを捧げます。
八冠棋士にライバルなしとみるのは早計だろう。元の戴冠者が黙っているわけはなく、現に敗北寸前まで追い詰めた努力の人もいる。将棋界はますます面白くなりそうだ。
(Sさん)
3紙の比較研究が、鮮度とともに現れている。Aさん、勉強になります。さて、他の記事はどうでしたか?
藤井八冠は「人間やめている」!
(A課長)
ええ、結構違いが出ていました。ちなみに日経新聞は、木曜日、金曜日、土曜日の3日間、それから一昨日の月曜からは2面「迫真」で、シリーズ企画を始めています。さらに最終面の36面文化でも、月・火・水と連続で取り上げていますから、気合が入りまくっている。
月曜文化面のタイトルは、「永瀬王座が見た景色」を小見出しに、大見出しを~藤井八冠は「人間やめている」~とセンセーショナルなタイトルにしている。
「藤井さんのすごいところは集中力。あと(自分にとっての)損得で考えないところ。それは『人間をやめている』とも言える。例えば、藤井さんは(将棋の勉強の邪魔ともいえるイベント出演といった対局以外の)仕事を断ってベストを尽くすのではなく、頼まれたら全部やる、その上でベストを尽くす。普通は(仕事を減らすなど)環境を変えようとする。そのような考え方があるのかと、発見だった。
藤井さんの凄さは際立っています。さらに新たなキャッチフレーズが生まれた訳ですが、永瀬さんもしっかり藤井さんを見て“発見”している。
もう一つ、今日18日水曜の、同じ「文化面」を紹介しますね。見出しは「涼しげな天才の逆転劇」です。少年時代の藤井さんです。
少年時代の藤井には、歩きながら一心に局面を考えることに没頭していて、ドブに落ちたという逸話があるが、そんな純な少年がそのまま成長したような気配が残っている。
とにかく日経新聞は他紙と比べて、圧倒的なボリュームです。理由は明快です。今回の「王座戦」は日本将棋連盟と日本経済新聞が主催なんですね。
将棋をしない私が、このようなことまで調べたくなったのも「藤井効果」です。他のタイトル戦についても調べてみました。最初のタイトル戦は1935年の「名人戦」です。日本将棋連盟と毎日新聞、朝日新聞の主催で始まっています。8つのタイトルのうち、この名人位が将棋界の頂点のようですね。あと、竜王位も別格のランクのようです。
(Sさん)
そういうことか… 私がこの会社に入った1981年当時は、まだ三大全国紙という言い方が健在でした。「朝毎読」の順です。ただ最近は、毎日新聞を置いているコンビニを探すのに苦労します。毎日新聞は好きなので、寂しい限りです。
(A課長)
新聞社は、さまざまなイベントの主催会社となっている。甲子園大会は朝日新聞ですよね。その時期の朝日は、まるでフェスティバルのような紙面です。そういえば、高校野球と朝日新聞は結びつく。イメージにフィット感がある。
新聞各社はさまざまなイベントの主催会社…
(Sさん)
高校野球は、坊主刈りの文化が長年にわたって続きましたが… ということは、サッカーと朝日新聞はアンマッチということですか?
(A課長)
いえ、そういうことではなく… 朝日新聞は女子サッカー「皇后杯」のスポンサーですから、その説は当てはまらない。ちなみに、伝統の男子サッカー「天皇杯」は、NHKと共同通信社のようです。
ちょっとわき道に逸れてきた。元に戻しましょう。
金曜の朝日新聞は16面で、藤井聡太さんの大特集を組んでいます。広告なしの全面ですから朝日も力が入っている。上部の三分の一のスペースで、「棋聖」をスタートに今回の「王座」を獲得するまで、そのときの笑顔の大きな写真8枚を掲示し、八冠獲得の軌跡を詳述しています。
1989年から2023年の8つのタイトル保持者の推移も、ビジュアル化しているので、将棋にあまり興味の無かった人も、引き付けられたのではないでしょうか。
その表は、縦軸35年×横軸8タイトル=280のマスにタイトルホルダーの名前が入っている。そのうち、谷川浩司さん、羽生善治さん、渡辺明さん、豊島将之さん、永瀬拓矢さん、そして藤井聡太さんの6人のみに色をつけて、分布というか、シェアが一目でわかるようになっています。その他の棋士には色を付していません。1年のみ一つのタイトルを獲った棋士もいます。全ての人に色を付けるとなると何十色も必要になりますから。
眺めると、羽生さんのグレーが圧倒的です。今回の王座については、2011年に一度だけ渡辺さんに奪われましたが、1992年から2016年まで連続して24年間タイトルを保持し続けています。羽生さん一人で八冠全体の35%を抑えている。そのつぎは渡辺さんの10%ですから、圧倒的な巨人であったことが理解できました。
今回八冠となった藤井さんは、現時点で7.5%です。羽生さんの高みを超えるには5倍のタイトル数が必要となります。
藤井さんが羽生さんを超えるには5倍の持続力が必要!?
(Sさん)
朝日新は元来「啓もう活動」に力を入れてきた新聞ですから、そのあたりが表れている(笑)
(A課長)
啓もう活動…ですか? そこは、あまり突っ込まない方がいいかな(笑)
(Sさん)
ええ、過度の突っ込みは遠慮します。誘導しないでください(笑)
(A課長)
朝日は社会面の29面でも取り上げています。大見出しは「破竹の八冠 藤井伝説はつづく」です。「まだまだ伸び代」「実力高めたい」の小見出しを添えています。
(Sさん)
さて、3紙目の読売新聞を紹介してください。期待が高まっています。
(A課長)
期待されるとプレッシャーを感じる。ただ、比較研究によって一つの気づきを得ました。新聞社間の対抗意識というか…
(Sさん)
対抗意識?
読売新聞は、何故「王座戦」ではなく「竜王戦」なのか?
(A課長)
ええ、金曜日の記事の分量は、日経や朝日と比べて圧倒的に少ないのです。1面に掲載しているもののカタ記事で、スペースも大きくない。ただ、八冠初の防衛戦が、すでに行われていることをさりげなくコメントしています。
八冠初の防衛戦となる第36期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)は既に開幕しており、第2局は17・18日に同市の世界遺産・仁和寺で行われる。「竜王戦も始まっているので、出来る限り良い内容にしたい」。伊藤匠七段(21)との同学年対決に向けて、気持ちを切り替えていた。
竜王戦第2局は、今日18日の午後に勝敗が決するようです。
(Sさん)
「竜王戦」は読売新聞が主催なんだ。なるほど…
八冠達成後の初防衛戦ですから、その結果は今回の「王座戦」同様、盛り上がるはずだ。もし挑戦者である同い年の伊藤匠七段が、藤井さんからタイトルを奪取したら、それこそ、てんやわんやの大騒ぎですよ。読売新聞は、日経新聞に負けないくらいの特集を組む。そのときを虎視眈々と狙っている、という訳か…
同じ21歳の伊藤匠七段が奪取すると「てんやわんやの大騒ぎ」…
(A課長)
日本将棋連盟のサイトを共有しますね。
27面に関連記事を掲載しています。そして、テーマは「藤井聡太」ではなく「観る将」です。シリーズ企画にしているんですね。その13日金曜日の(中)は、次の言葉から始まります。照準は「王座戦」ではなく「竜王戦」です。
藤井聡太竜王(21)と同学年の挑戦者・伊藤匠七段(21)による今期の竜王戦は、将棋の史上最年少のタイトル戦となった。その第一局が行われたセルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)では、対局2日目の7日、大盤解説会に約750人のファンが集まった。会場に来ていた棋士らは一様に、「こんな人数は見たことがない」と驚きを口にした。
記事はAIを前面に出しています。主役は「インターネットテレビ局」のABEMAです。
将棋チャンネルを担当する同局の塚本泰隆・スポーツエンタメ局長は、「藤井さんとチャンネルが一緒に成長してきた感じ。AIの形成判断によって、どっちが勝っているかが一目で分かるし、次に指す手の予想も示せる」と話す。藤井竜王がAIの予想しない手を指すと、視聴者が「AI超え」などとSNSで反応するようになったという。
「文字→ビジュアルと映像」…不可逆的に変化する時代の到来!
(Sさん)
そろそろ時間ですね。今日の1on1も濃かった!
(A課長)
はい。「藤井フィーバー」はまさに社会現象です。今回たまたま、ジャーナリズムの代表格である新聞3社の比較研究をやってみましたが、私とAさんが「活字」が好きだから成立した1on1のような気がしています。新聞や本を読むことに馴染んでいる。
ところが「文字」を丁寧に読んで世の中をつかもうという姿勢は、すでに過去のスタイルになったと感じます。私の世代であるミレニアム、そしてZ世代はほとんど本を読みません。主役は「ビジュアルと映像」です。TikTokしかり。「観る将」も一つの象徴です。6Gもいずれ登場する。メタバース、そしてインターネットもウェブ3.0に移行しつつある。
今回、じっくり活字を追うことで、新たな気づきを得ました。でも「その世界こそ本質であり重要だ」、と啓もうしようとしても、世の中の奔流は人間社会が経験したことのない世界に向かっている。だから世界は「アンラーン」をやり遂げなければならない!
(Sさん)
なるほど… Aさんは「有機体は恒常性維持を目指す」と言った。私たちも大変化の時代に適応すべく、リフレーミングとレジリエンスを発揮していかなければなりませんね。
引き続き濃い1on1を続けていきましょう。よろしく!
坂本 樹志 (日向 薫)
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