無料相談・資料請求はこちら

日本経済新聞×津村記久子<コラボ企画>『サラと気難しい人間たち』に触発され「洞察」を得た、2年4カ月を総括するコーチング型1on1ミーティングです!

Philosophy<理念>
最も人を幸せにする企業が最も幸せになる『幸せ創造企業』の支援を通して、『幸せ共創社会』の実現を目指します。経営者並びに社員の幸福を追求し、社会の成長と発展に貢献しています。
(株)コーチビジネス研究所

少し長い「前置き」ですが…

某化粧品会社に所属するA課長と、定年再雇用でA課長のチームに配属されたSさんとの「コーチング型1on1ミーティング」という仮想空間を設定し、当該コラムでの掲載をスタートしたのが、2年4カ月前の2021年11月8日でした。この1on1は毎週1回必ず実施する、という両者の合意(これも設定上のことですが)のもと、始めていますので、その実況中継であるコラム掲載も、1週間のインターバルで掲載してきました。

私が、(株)コーチビジネス研究所のコラムを、最初に執筆したのは2020年2月8日ですから、今日に至る足掛け4年間のほぼ6割が、A課長とSさんと共にあったことになります(架空の“物語世界”ですが)。 

(株)コーチビジネス研究所(CBL)は、「最も人を幸せにする企業が最も幸せになる“幸せ創造企業”をサポートします」という企業理念を掲げています。

アメリカでは経営者の7割にコーチが付いている、と言われるくらい、コーチングが普及しています。「アメリカで起こった現象は、時間軸はさまざまだが、同様なことがいずれ日本にも到来する」ということが、一定程度証明されています。したがって、「御社が契約しているエグゼクティブコーチは誰?」という会話が、この日本でも日常飛び交うようになる未来をイメージして、日々活動しています。

コラムでは、その未来に向かって、企業の中の上司と部下の関係性が、コーチングになっていくプロセスを描いてみました。
そのゴールは……

A課長については、副業で始めた(3年間くらい)エグゼクティブコーチングの顧客が着実に増えてきたこともあり、「この4月に独立し、コーチングをビジネスとして積極的に展開していく」、です。

Sさんは、コーチングの素晴らしさを語り続けるA課長に啓発され、自分の来し方のマネジメントを振り返り、たくさんの「気づき」を得ることになります。その体験を経て、少々年齢は重ねているものの、「“自己実現”に向かって、プロコーチの資格を取得する」ことを決めました。 

その決断を描いたコラムが、1月31日の…コーチングのスキル体系…「承認」「傾聴」「質問」「フィードバック」「リクエスト」「リフレーミング」とは?…です。

少し前置きが長くなりました。それでは、A課長とSさんによる「最後のコーチング型1on1ミーティング」を描いてみることにしましょう。

2年4カ月、毎週続けてきた1on1ミーティングの最終セッションがスタートします

(Sさん)
いよいよこの日がやってきましたね。Aさんと、2年4カ月の間重ねてきたコーチング型1on1ミーティングも今日が最後です。

(A課長)
はい。2か月前の1on1で、Sさんには早めに言っておこうと、4月に退職することをお伝えしました。するとSさんも、「退職することを決めました」と、同じ言葉が返って来たので、まるでハウリングしているように感じました。

(Sさん)
深いところでコーチングをやっていると、共鳴現象が起こるんですよ(笑)
そのときは、どのスクールで学ぶか決めていなかったのですが、Aさんから「目を通してみるといいですよ」とアドバイスいただいた、「2024年1月 最新コーチングスクール事情~コーチングスクールの正しい選び方、学び方、活かし方のすべて~」にじっくり目を通し、各社のホームページもいろいろチェックしてみて、最終的に「(株)コーチビジネス研究所」の講座に決めました。

(A課長)
おや、私が学んだ講座だ。

(Sさん)
そうです。ただAさんは2か月前、ご自分が学んだ講座を、私に特に薦めることはなかった。

(A課長)
はい、それもコーチングです。私は、情報提供はしますが、決めるのはクライアントです。そこは、意識しています。Sさんと私の性格は異なりますので、私が「いい」と感じた講座が、そのままSさんにとっての「いい」につながるとは限りませんから。

「異なる考えも調和させることができる」ことを「洞察」した!

(Sさん)
ええ、「Aさんは私の性格と全然違うなぁ~」と、ずっと感じています(笑)
ただ、「異質の調和」は見出せることを、Aさんとのコーチング型1on1で実感できました。そうですね… 2年4カ月、毎週重ねてきた1on1とは何だったのか?…という命題の解答を、「異なる考えも調和させることができるという“洞察”につながった!」と、総括しています。これが最大の成果です。

(A課長)
「洞察」は心理学用語だ。

(Sさん)
はい、Aさんが時々使うので、影響を受けています(笑)

(A課長)
(笑)… もともとは、ゲシュタルト心理学で重視されるようになった表現です。広辞苑は、シンプルに「よく見渡すこと」「見抜くこと」と定義しています。例文は一つ、「ことの本質を“洞察”する」です。

(Sさん)
間違っていなかった…(笑)
さて、本題に移りましょうか? 前回は、私たちが取り上げた日経新聞の『直言』をすべて振り返ってみました。21回もやってたんですね。多くの学びを得ることができた。
そして今回の1on1が最後になるので、3月25日の日曜版2面の『直言』を、当然取り上げてみようと思っていたのですが…

(A課長)
消えていましたね(笑)

(Sさん)
そうなんです。「まあ、今週は休みかな?」とも思いましたが… これまで1面の「カタ」に掲載していた『テクノ新世』が、2面に引っ越してきたというか、しかも全面掲載なので、驚きました。しかも内容が斬新です。

日本経済新聞「総合欄」全面に、津村記久子さんの小説が登場!

(A課長)
ええ、津村記久子さんの小説でした。日経新聞はその意図を次のように説明しています。

本紙1面連載の「テクノ新世」は最新テクノロジーによって、変化する人類と社会を取材している。第2弾となるコラボ小説は、芥川賞作家・津村記久子氏の「サラの気難しい人間たち」を掲載する。
小説にはどんな面倒な顧客にもそつなく対応する「感情を持たない人工知能(AI)ロボット」サラが登場する。AIは人間の仕事を奪うのか。しかしそんな単純な問題ではなさそうだ。

(Sさん)
読んでいます! 面白い。『テクノ新世(Technopocene)』は「×」が追加され『テクノ新世(Technopocene)×SF思考』となりましたね。日経新聞は、このコラボ小説に「私の顔のフェイク動画が話してくれる」を冒頭の見出しとして充てています。

(A課長)
津村さんの小説は大好きなので、日経新聞のこの企画は「グッジョブ!」です(笑)

(Sさん)
私は読んだことがないので… Aさん、津村さんの本は、何から読めばよいか推薦してくれますか?

(A課長)
そうですね… Sさんは、まずビジネスコーチを目指そうとされているから、『この世にたやすい仕事はない』がいいかな。

(Sさん)
おっ、タイトルがユニークだ。この後でアマゾンに注文してみます。

(A課長)
ぜひとも!
津村さんは現代を切り取っています。日経新聞は津村さんに「生成AI」をテーマにしたSF小説を依頼したようです。津村さんのイマジネーションが、リアル感とともに迫ってきました。3人の、性格が全く異なるクライアントに対し、人間である「としみ」とAIの「サラ」が、シェアしながら会話…いえ、雑談をするのですが、コーチングの「対話」とは異なるので、そのあたりを“感じてみる”のも面白い…

それから日経新聞のマーケティングですね。6回連載の企画ですが、第2話からは「日経電子版」で配信されています。「紙版」から「電子版」に移行させようとしている。
私は日経新聞の人間ではありませんが、とても面白い小説ですから、契約していない人は、これを機会に「日経電子版」の契約をお薦めします(笑)

日経新聞コラボ小説『サラと気難しい人間たち』とは…

(Sさん)
Aさんはコーチングと言いましたが、「これからのコーチング」を考えて行く上で、とても示唆に富んでいますね。電子版の小説内容を開示してしまうと、ちょっとマズイと思うので、24日の紙面に掲載された「あらすじ」を確認しておきましょうか。

『サラと気難しい人間たち』<あらすじ>
物語の主人公・としみの仕事はオンラインで「上質な雑談」を提供するトークアテンダント。顧客は電子マネーの高額利用者だ。としみと暮らすAIロボットのサラは、アテンダントの肩代わりできるほど会話に長けている。しかしなぜか顧客たちは、生身の人間との雑談を求めるのだった。

Aさん、1年近く続けてきた日曜版2面の『直言』企画は、これにて終了かもしれない、との感覚が今、“ふっ”ときざしています。

(A課長)
ううん? それはどういう感覚ですか?

(Sさん)
はい、さっき言ったように、「今週は一回休み」かもしれません。ただ、作家の創造力は無限大ですから、「Science Fictionを用いて<科学技術×近未来>の像を描くタイミングが今到来している!」と、日経新聞は判断しているように感じたんです。この1年で世界は激変しました。それを促しているのは「生成AI」です。

Aさん、去年の12月に、『日経トレンディ』の2024年版と2023年版の違いについて、語り合った1on1を覚えていますか?

(A課長)
もちろん、覚えていますよ。そうか… 2023年版にはチャットGPTに代表される「生成AI」は、影も形もなかった。それが2024年版は「生成AI」に埋め尽くされました。特集のテーマは、両年とも、同じ「30年後の未来」です。1年で、「日経トレンディ」の見立てが「ガラッ」と変わった訳ですから、「未来予測は難易度が高すぎる」という教訓を、Sさんと共有した。

(Sさん)
本当にそう感じます。「未来はこうなる!」的な本が氾濫していますが、それを信じちゃいけない(笑)

(A課長)
ええ、まあ… そう、かもしれないですね(笑)

今この時、「日本の失われた30年の呪縛」が解かれた!

(Sさん)
おっと、断定は禁物だ。気を付けないと…
そして、今年の2月22日は歴史的な日となります。34年間実現しなかった日経平均株価が最高値を更新しました。つまり、「失われた30年」の呪縛から日本は解き放たれたんです。日本全体が、「未来志向に舵を切る」ことを「共有」することができるようになった。    
ですから、世界の、そして日本の識者にインタビューするという『直言』の目的は、一応の役目を終えたと、日経新聞が判断したしてもおかしくない。そのように感じています。

もっとも、先のことはわかりません。何事もなく、次の週に『直言』は再開されるかもしれない(笑)

(A課長)
Sさんは先ほど、「2年4カ月、毎週重ねてきた1on1の最大の成果は、異なる考えも調和させることができるという“洞察”につながった!」と、言いましたよね。私もSさんのおかげで、自分の価値観を見直す貴重な機会を得ています。

(Sさん)
価値観…ですか?

(A課長)
はい、私は心理学に傾倒しています。ある特定の分野にエネルギーを注ぎ込み過ぎると、それ以外の分野に興味が湧いてこない…というのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、「金融」にはあまり興味がなかったんです。

Sさんは、バブルが起こる前とバブル、そしてバブル崩壊の一連の流れを体感し、そのことを俯瞰されました。私は、Sさんの人生の半分+αという年齢ですから、「日本の失われた30年」は私とイコールです。つまり、「崩壊後」しか知らない。
この30年とは、ネガティブ教を広める得体の知れない「伴走者の価値観」に、日本全体が覆われていたわけです(笑)

私は、金利の無い世界しか知りません。入社してしばらくすると「フィンテック」という言葉が持て囃されようになりましたが、どこか冷ややかな目で見ていました。心理学的に「人間の欲望って、どのような環境でも蠢き、のたうち廻るんだなぁ…」といった、シニカルな視線です。ところが…

(Sさん)
ところが…?

(A課長)
ええ、ところが…です。
Sさんが時おり話題にする、金融をテーマに1on1が進んでいくことに身を任せているうちに、興味が湧いてきました。つまり、Sさんに「きっかけ」をいただいたんです。内発的動機が起動して、学習意欲にスイッチが入ります。日経新聞を読む感覚が変わってきました。ですから、今日本に劇的な変化が起こっていることが実感できます。

昨日、26日火曜日の日経新聞の1面アタマは「株主還元 最高の25兆円」です。そして、カタでは「金利のある世界~日本再起動」という連載記事がスタートしています。
それから、私たちがよく取り上げる7面の「Deep Insight」は「日本にもたまる“起業資本”」です。本格的な起業ブームの到来です。

(Sさん)
ありがとうございます。コーチング型1on1は、まさに「双方向」だ

(A課長)
前回の1on1では、21回とりあげた『直言』を振り返っていますが、今日は「金融」の振り返りをやってみませんか? タイトルを確認すれば、そのときのセッションが立ちのぼってくると思います。

「金融」を深く語り合った1on1ミーティングを振り返ってみる

(Sさん)
やりましょう!
Aさんは今、「金融に興味がなかった」といいましたが、私は「そうではない」、と踏んでいました。というのも、「X-Tech・DX・レガシーシステム・リープフロッグ・ディスラプション」がテーマになった時、Aさんは、大手銀行はどうして身動きできなくなっているのかを、冷静に捉えていた。

(A課長)
なるほど… Sさんは私のことを“冷静に”分析していたということですね。そこはリストに挙げてなかった(笑)
では時系列で…

<2022年11月14日>
この日が、Sさんの本格的「金融話」の開始です。タイトルは次のように設定しました。
「日銀のゼロ金利政策の本質とは何か?」をコーチングのチャンクアップで語り合う1on1ミーティングです!

時間の関係もありますから、あとは、そのとき付したタイトルをチェックするに、とどめておきましょうか。

<2023年3月1日>
「持続的・安定的な2%物価上昇」の真意を植田和男日銀総裁候補の所信聴取によって理解する!

<2023年3月8日>
「日銀前総裁白川方明氏のIMF寄稿全文」を読み解くことで「一次資料とは?」の理解につながった1on1ミーティングです!

<2023年5月10日>
日本の俗称「ハゲタカ投資銀行」はネガティブリフレーミング、米国での名称は「ブティック銀行」~イオンの意思決定を思索する1on1ミーティングです!

<2023年7月12日>
「AT1債は債権なの?」を起点に「シリコンバレーバンク破綻」「クレディ・スイス損失吸収条項適用」、さらに「トラスティ(Trustee)」につながった1on1です!

<2023年8月2日>
日銀植田和男総裁は「中空均衡型」を演出し、副作用が膨らみきった日本経済への「出口戦略」を起動した!?

Sさんは、就任前から植田日銀総裁に並々ならぬ期待を寄せていた。

(Sさん)
前任の黒田総裁が、あまりにも「わかりやすい人」だったので、植田総裁の「わかりにくさ」に共感しています。それをAさんは、河合隼雄さんの学術書を引用しつつ、「黒田前総裁は“中心統合型”、植田総裁は“中空均衡型”」と喝破した。

(A課長)
そうでした。「コーチングはさまざまな分野の垣根を溶かすリベラルアーツです」、と言いながら、私は「灯台下暮らし」だったんです。心理学と金融も、同時に語ることが出来る。Sさんとの1on1で、自分の価値観を顧みる機会が広がっていきました。Sさんが大尊敬する渋沢栄一の「志」が、ちょっとだけわかってきました(笑)

今日で最後なので、これまでの1on1を振り返っていますが、2年4カ月前の初回の1on1は、ダニエル・キム教授による「成功の循環モデル」がテーマでした。モチベーション理論に分類されますが、組織という集団全体を捉えている広がりのある理論です。「バッドサイクル」を「グッドサイクル」に転換させていく鍵が、まさに「コーチング思考」であることが、示されています。 

(Sさん)
納得です。「グッドサイクル」型組織とは、パワハラが排除された環境だ。

(A課長)
Sさん、日経新聞の『直言』『テクノ新世(Technopocene)×SF思考』に変わりましたが、津村記久子さんが大作家になっていくその原点が「何」であったか、ご存じですか?

(Sさん)
あまりにもオープンクエッションなので、「何」も浮かびません(笑)

(A課長)
ですね…(笑)
答えは「パワハラ」です。津村さんを紹介するプロフィールには、必ずといっていいほど、そのことが記載されます。Wikipediaの経歴をチェックしてみましょうか…

2000年、新卒で入社した会社で上司からパワーハラスメントを受け、10か月で退社。その後、職業訓練校などを経て2001年に転職。
2005年に「マンイーター」(単行本化の際『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。兼業作家として、会社から帰った後、睡眠を二回に分けてその合間に小説を執筆していた。
2012年、10年半勤めた会社を退職し、専業作家となる。

「パワハラ」は、やっと「見える化」されつつある。これからが「コーチング」の本格的な出番!

(Sさん)
深い…… 津村さんには、神様が与えた「綴る」という世界があった。津村さんは「書くこと」によって、乗り越えていかれたのかもしれません。でも多くの人は……

(A課長)
私も同感です。津村さんの“情念”は、「現代を切り取る乾いた筆致」に昇華されました。だからこそ、読者は、否が応でも「自らと社会という現実」を直視せざるを得なくなる。津村さんの作品に触れるたびに、私は「コーチング」を想起します。

「パワハラ」のない「心理的安全性」が醸成されるには、「コーチング」は必須です。つまり組織構成員一人ひとりが、モチベーション高く仕事に取り組めるよう、マネージャーは常に「自問自答」し、心を砕いていかなければならない。

Sさんは、(株)コーチビジネス研究所…Coach Business Laboratory, Inc.…のCBLコーチングスクールを受講することを決めた。Sさんとの2年4カ月の及ぶ最後の1on1の、それこそ最後になりますが、「CBLコーチング情報局」にアップされている「モチベーション理論」を共有したいと思います。いかがでしょうか?

(Sさん)
「自分を棚に上げてしまうこともあったなぁ~」とも振り返っています。パワハラも自覚することなく、やっていたかもしれない。これからも「自問自答」しながら、コーチングを学び続けていこうと思います。Aさん、本当にありがとうございました。

ハーズバーグの「動機付け・衛生理論」とは?

アージリスの「未成熟-成熟理論」とは?

デシの「内発的動機付け理論」とは?

ダニエル・キムの「成功の循環モデル」とは?

エリクソンの「心理社会的発達論」とは?

キーガンの「成人発達理論」とは?

自己変革を成し遂げるメンバーを増やすにはどうすればいいのか?

「エンパワーメント」とは?

坂本 樹志 (日向 薫)

現在受付中の説明会・セミナー情報