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第12回:採用の成否はオファーで決まる ─最後の一手を誤らない─

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「面接で安心」のあとに訪れる“本当の勝負どころ”

「いい人が見つかった!」「面接でも手応えがあり、候補者も前向きだった!」──経営者がここでホッとする気持ちはよく分かります。

しかし、安心はまだ早いのです。候補者は面接時には「受かりたい」という気持ちから前向きに振る舞いますが、オファーの段階になると「本当にここでいいのか」と冷静に比較検討します。辞めたいと思っていた現職の良さが改めて見えてくることもあれば、家族の意見が強く影響し始めることもあります。加えて、多くの候補者は他社の選考も同時に進めています。

つまり──最後の一手である「オファー面談」こそが、採用の成否を決める最大の局面。ここをどう戦略的に設計するかが勝敗を分けます。

オファー成功のために押さえるべき5つの視点

① いまだけでなく、“未来の姿”を一緒に描いて伝える

給与・勤務地・勤務体制・肩書きなどは、事前に候補者の希望を把握したうえで社内調整を行い、提示します。希望どおりにできない場合には、背景を誠実に説明し、処遇全体から候補者が将来像を描けるように伝えましょう。

説明に盛り込みたい情報の例

  • 評価制度の仕組み
  • 昇給・昇格・賞与への反映方法
  • 福利厚生や教育支援、休暇制度など働きやすさを支える制度
  • 転勤の有無・可能性

事例:給与が低めでも納得を得られたケース

ある候補者は希望給与に届きませんでしたが、「業績評価で賞与が伸びること」「昇格待機期間がないこと」「有給取得率の実態」を具体的に伝えた結果、「ここならライフワークバランスを保ちながら、希望年収に近づける」と納得し、入社を決断しました。

このように「今の条件」だけでなく「将来の姿」を示すことが、候補者の決断を後押しします。

※参考:厚生労働省「労働条件の明示について」

② 候補者の“大切にしたいこと”に寄り添う

重視するポイントは人によって異なります。給与より勤務地、肩書き、あるいは上司との相性を優先する人もいます。面接の段階で「譲れないポイント」を把握しておけば、給与設計で迷いが減り、対策も打ちやすくなります。

  • 勤務地が最大のこだわりであれば、給与が希望に届かなくても、勤務地の希望には極力沿うようにする
  • 上司との相性を重視する候補者には、オファー前にカジュアルに会う機会を設けるなど工夫する

このように、候補者のこだわりに丁寧に寄り添うことが、決断への力強い後押しとなります。

③ 誰がオファーを伝えるかは、内容以上に候補者の心に響く

  • 社長:会社の将来性やビジョンを語れる
  • 部門長:具体的な仕事内容やチームの実態を伝えられる
  • 直属上司:日常での安心感を与えられる

最終面接で好印象だった役員が直接伝えたことで即決につながった、という例も少なくありません。
また、処遇や制度を正確に説明できる人物の同席も欠かせません。人事担当がいない中小企業では、経理・総務責任者や就業規則に詳しい役員が担うと安心です。

④ 不安や疑問には、“数字”と“誠実さ”で応える

オファーの場では、候補者の質問の具体性が変わります。
面接では「受かりたい」が前提ですが、オファーでは「不安を解消したい」「条件を整えたい」が目的です。

候補者が関心を持つ代表的な数字

  • 昇給率
  • 賞与実績
  • 退職率
  • 年齢分布
  • 有給取得率

すべての数字を開示する必要はありませんが、言える範囲でポジティブに伝えましょう。こうした数字を「把握している」という姿勢そのものが、会社の誠実さと従業員への向き合い方を示します。

⑤ 最後の決め手は、“心からの歓迎”

予算や既存社員とのバランスもあり、候補者の希望にすべて応えるのは難しいこともあります。だからこそ、最後に効くのは「歓迎の気持ち」です。

  • 「〇〇さんの強みをぜひ活かしてください」と言葉で伝える
  • 面談後に笑顔や握手で「一緒に未来をつくりましょう」と添える
  • チームとの顔合わせや社内案内を設定する

これらは候補者の「ここに居ていいんだ」という感覚を満たし、安心感と帰属意識を生みます。心理学的にも、人が組織にコミットするうえで大きな効果を持つポイントです。

オファーは“渡して終わり”ではなく、フォローで実を結ぶ

オファーは提示して終わりではありません。その後のフォローが採用の成否を決めます。

  • 提示直後:不安を受け止めるフォロー
  • 数日後:検討状況の確認と追加質問への対応
  • 期限直前:最終的な背中押し

回答期限は必ず明示しましょう。私のお勧めは「週末を一度挟み、オファーから10日後」です。延長の申し出があれば理由を丁寧に聞き取り、候補者の本気度を測る判断材料にします。

オファーは“未来への第一歩”──真剣に臨む

オファーは単なる「条件提示」ではなく、会社の熱意を伝える真剣勝負の場です。候補者はこの瞬間、最も冷静に将来を見極めています。

だからこそ、経営者は準備と戦略を尽くす必要があります。

採用のゴールは入社ではなく「活躍」。

その第一歩を確実に踏み出すために、オファーには真剣勝負の気持ちで臨んでいただきたいと思います。


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CBL認定アソシエイトコーチ
Support Runners代表
エグゼクティブコーチ/人材採用支援アドバイザー
山本 知子

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