誤解されると困るのですが、ぼくはみみずくんに対して個人的な反感や敵対心を持っているわけではありません。また彼のことを悪の権化だとみなしているわけでもありません。(中略)しかし今の彼は、このまま放置できないくらい危険な存在になっています。みみずくんの心と身体は、長いあいだに吸引蓄積された様々な憎しみで、これまでにないほど大きく膨れ上がっています。おまけに彼は先月の神戸の地震によって、心地の良い深い眠りを唐突に破られたのです。そして、よし、それなら自分もこの東京の街で大きな地震を引き起こしてやろうと決心したのです。ぼくはその日時や規模について、仲の良い何匹かの虫たちから確実な情報を得ました。間違いありません。
(『神の子どもたちはみな踊る』~かえるくん、東京を救う』より引用)
心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年13回目の1on1ミーティングです。
Sさんは『神の子どもたちはみな踊る』を読了しました!
(Sさん)
「かえるくん、東京を救う」「神の子どもたちはみな踊る」の両方とも読みました。というか『神の子どもたちはみな踊る』の7話、全部読みましたよ。
(A課長)
「新海監督作品のどれか1本、視ておいていただけますか?」と遠慮がちにお願いしたその結果が、『彼女と彼女の猫』を含めた6作品を完全制覇されたので、今回もすべて読んで臨んでいただけると確信していました(笑)
(Sさん)
今「遠慮がち…」と言葉にされましたが、「どれでもいいですから1つ…」と言われて困ったのは確かです。「はっきり言ってよ!」と、感じました(笑) おかげで全部視聴する羽目になりましたが…
ただ、「きっかけ」の重要性といいますか、“ありがたみ”を再認識しています。Aさんのおかげで、「新海マニアの人たちとも共感して話すことができる!」という自己効力感につながっています。
(A課長)
Sさんのポジティブ思考には脱帽です。
(Sさん)
ありがとうございます。 東洋のラテンであるヒロシマ男ですから、その言葉は純粋にフィードバックとして受けとめます(笑)
私の戸惑いを感じたのか、Aさんは春樹作品について2作を明示してくれました。ですから、迷うことなく2つを読んでいます。私の性格を知り抜いているAさんは、他の作品を私が読むだろうことも想定していた…ということですよね?
(A課長)
ご明察です。学習効果です(笑)
(Sさん)
1本とられました(笑)
今回もいいきっかけになりました。春樹作品は実はあまり読んでいないのですね。大ベストセラーになった『ノルウェイの森』は、ちょっと遅れて読んでいます。ただ…正直ピンとこなかった。短編作品は手に取ったことがありません。ただ読んでみると感動です。「スゴイっ!」という思いです。
Sさんは「春樹派」というより「龍派」のようです…
(A課長)
Sさんは以前、同じ村上でも「龍派」だと聞いていましたから… 作風もまったく違うので「どうかなぁ?」と、ちょっと不安でした。
春樹さんの作品にも「スゴイっ!」という感嘆はとても嬉しい!
(Sさん)
私は吉本隆明が大好きで、かなり読んでいます。「村上龍、村上春樹は粉うことなき天才だ!」と、両名を等しく評価していたので、気になっていたのです。でも今回、「吉本隆明はやっぱりスゴイっ!」と、そこにもつながりましたよ(笑)
(A課長)
文芸評論は自由きままな世界です。何を言ってもかまわない(笑)
私は芥川賞が発表されると、掲載される『文藝春秋』だけは必ず買っています。作品も「さすが!」ですが、書評の方に「なるほど…」と感じ入ることが多いですね。
(Sさん)
私も書評はよく読むので、「識者の視点はするどいなぁ」 といつも感心します。そう言えば、『ねじまき鳥クロニクル』が発表されて、その評価は“喧々諤々”でしたね。
ええっと、何の本だったか… そうそう、龍さんが各界の識者にインタビューした対談集の『存在の耐えがたきサルサ』だ。ちょっと持ってきます…
映画評論の最高権威! 圧倒的な知性と感性を兼ね備えた蓮實重彦さんが、その本の中で次のように語っています。東大総長に就任した直後だったと思います。『5分後の世界』について話しているシーンです。396ページです。
東大総長だった蓮實重彦さんは「『ねじまき鳥クロニクル』は駄目でした」と語ります。
(蓮實)
…… それに対して『5分後の世界』は、どうせまたマッチョだろうなんてみんな言ってるけど、それはあの小説の言葉を読んでいないんです。確かに戦闘はあるし、人は死ぬし、内臓は飛び出てくるし、といったことがあるんですが、まったく違う書き方をしたと村上さんが確かあとがきで書いておられたと思うんですが、僕もそう思います。
何かの象徴になり得るようなある種のイメージを、初期はよく書いておられましたね。それはそれで非常に好きなんですけれども、それとは違った書き方がはじまった。それとほとんど同時に読んだのが村上春樹氏のもので、これは本当に駄目でしたね。(村上)
『ねじまき鳥クロニクル』ですか?(蓮實)
この人は、小説は今後書けないんじゃないかという気がしますね。(村上)
僕も、うすら寒いものを感じましたけど。(蓮實)
僕ははじめから村上春樹は小説家ではないという理由のない確信がある。何か違うことをしたいと思っているのに、この人はこれをやっているというね。だから『ねじまき鳥』を読んで、自分は間違ってなかったという感じがしたんですね。何をやりたいんでしょうね、あの人は。(村上)
春樹さんのことはちょっと置いておくとして、さっき仰ったことがすごく嬉しかったんですけれど、例の『5分後の世界』で女の子が出てきて、それが戦闘で簡単に死んでしまうというのは、意識してやったんですよ、……
(A課長)
ちょ、ちょっとすごい発言ですね。そんなことを蓮實さんは言っていたのですか?
う~ん… ただ村上龍さんの対応は見事ですね。ネイティブコーチの力を感じます。蓮實さんは「龍派」であり、村上龍さんとしても気持ちよく会話が進む関係です。映画評論だけでなく言論界の巨人である蓮實さんが『ねじまき鳥クロニクル』を語り始めた。その流れに龍さんが乗ってもいいのに、いきなり話題を変えています。
この対談をコーチングと捉えたとしましょう。プロコーチであっても往々にしてクライアントの土俵に載せられてしまうことがあります。
否定しないまでも、的確なフィードバックがなければ、クライアントは「コーチが私の考えに同調してくれている…」と勝手に解釈し、クライアントの世界にコーチが巻き込まれてしまうことがあるんです。
もしコーチの龍さんが流れを変えなかった場合、クライアントである蓮實さんの「アンチ村上春樹」は熱を帯び、ボルテージはどんどん上がっていったと思います。そうなるともうコーチングじゃないんですね。
村上龍さんはネイティブコーチ!
(Sさん)
なるほど… これもコーチングにつながっていくわけだ。
ところで『ねじまき鳥クロニクル』はどういう内容なんですか?
(A課長)
ええ、私は春樹さんの本はすべて読んでいますが、最も読了に苦労した本です。長いですし難解です。でも春樹さんの本は初期のものから、ず~っと読んできたので、この本を書かなければいけなかった春樹さんの心情は、なんとなく伝わってきました。
この本を書き終えることで、真に「世界のMURAKAMI」になることができたのだと感じています。蓮實さんは「もう書けないんじゃないか…」って言ったようですが、しばらくの時を置いて、私の大好きな『海辺のカフカ』が産み落とされます。
(Sさん)
目の前に聳え、立ちふさがっていた巨大な壁を春樹さんは越えた…
(A課長)
ええ… 精神的にも最悪というか、前回の1on1で、川上未映子さんが新海誠監督に「ギリギリのカンジだった…?」と訊ねるシーンを紹介しましたが、春樹さんにとってまさに「ギリギリ」の精神状態の中で書き綴ったのが『ねじまき鳥クロニクル』だったと思うんですね。
春樹さんが、名実ともに「デタッチメント」したのは『ノルウェイの森』がきっかけです。異常に売れて、春樹さんにとっても、世界が変わったのだと思います。そして春樹さんは、とにかく人間不信に陥ったのではないか…と私は想像しています。
(Sさん)
「龍派」の私も読んでいますし…
春樹作品全てを読んだA課長が想像する春樹さんの心の内とは…
(A課長)
春樹さんは、『ノルウェイの森』までは「覚悟を持って小説を書く」、という意識はなかったように感じます。文壇にはまったく興味がなかったようですし… というか距離を置いていました。
その人物がいきなり大ベストセラー作家になった。プロ集団というか、苦労に苦労を重ねて血のにじむような思いで文壇デビューし作品をつくっている人たち… 当時の日本における文壇というのは「かくあるべし…」という固定観念があったと思うのですね。なにごともグループができあがると、そこに濃厚なカルチャーが形成される。
つまり、猛烈な“嫉妬の嵐”が春樹さんを襲いました。「有名税」としても酷すぎる、と春樹さんは感じたでしょう。それがデタッチメントに…
(Sさん)
なるほど…
(A課長)
う~ん、どうしましょう? Wikipediaの力を借りましょうか…
このあたりの記述がいいかな。
「デタッチメント」から「コミットメント」へ
1994年4月、『ねじまき鳥クロニクル』第1部、第2部を刊行。 1995年6月、アメリカから帰国。同年8月、『ねじまき鳥クロニクル』第3部を刊行、翌年第47回読売文学賞受賞。1996年6月、「村上朝日堂ホームページ」を開設。1997年3月、地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューをまとめたノンフィクション『アンダーグラウンド』刊行。それまではむしろ内向的な作風で社会に無関心な青年を描いてきた村上が、社会問題を真正面から題材にしたことで周囲を驚かせた。1999年、『アンダーグラウンド』の続編で、オウム真理教信者へのインタビューをまとめた『約束された場所で』により第2回桑原武夫学芸賞受賞。2000年2月、阪神・淡路大震災をテーマにした連作集『神の子どもたちはみな踊る』刊行。
(Sさん)
『神の子どもたちはみな踊る』が誕生した流れが書かれている。
(A課長)
コミットメントに至る春樹さんのことがリアルに伝わるコラムがあります。Sさん、「村上春樹 心理学」というシンプルな組み合わせでググってみていただけますか?
(Sさん)
『心理学とコーチング ~河合隼雄と村上春樹 その2』と『その1』が並んで出てきましたね。河合隼雄さんとの対話だ。
僕の『物語』の意味をきちんと理解してくれるのは、河合先生ぐらいだった…と語る村上春樹さん!
(A課長)
Wikipediaに河合さんに関する記述があります。
河合隼雄
心理学者、元文化庁長官(1928年6月23日 – 2007年7月19日)。河合は年長の学識者の中で、村上が唯一繰り返し対談した人物。
「僕にとっての『小説の意味』みたいなものをきちんと総合的にすっと理解し、正面から受けとめてくれた人は河合先生一人しかいませんでした。『物語』というのが我々の魂にとってどれほど強い治癒力をもち、また同時にどれほど危険なものでもあるかということを、非常に深いレベルで把握しておられる方です。」「河合先生に会うたびに、僕は元気づけられます。ああいう人ってなかなかいないです。」「僕が『物語』という言葉を使って話すときに、その意味をきちんと理解してくれるのは、河合先生ぐらいだった」と語っている。
(Sさん)
私も河合隼雄さんの大ファンなので、春樹さんの気持ちがリアルに伝わってきます。龍さんも『存在の耐えがたきサルサ』の中で河合さんと対談しています。
(A課長)
春樹さんと河合さんの関係性が、2つのコラムで描かれています。河合さんが春樹さんの「傾聴の力」を語るシーンは、まさにコーチングですよね。嬉しくなってしまいます。
Sさん、今日の1on1は、たまたま村上という姓を同じくする春樹さん、そして龍さんがテーマになりました。そもそもは前回まで3回続けた新海監督からの流れです。
『君の名は。』『天気の子』と新海監督が3.11について考え続け、それを直視する『すずめの戸締まり』を発表するまで10年かかっています。その新海監督が、“みみず”と闘うこの作品の作ろうと思った着想は「かえるくん、東京を救う」から得た、と語っているのですね。
(Sさん)
つながりましたね。
「かえるくん、東京を救う」を読んだ新海誠監督は、『すずめの戸締まり』を着想する!
(A課長)
春樹さんの苦闘があったからこそ、『すずめの戸締まり』が生まれたということです。春樹さんの場合、デタッチメントが先にありました。とにかく自分を立て直すために、癒しとして『ねじまき鳥クロニクル』を書き始めた。その3部を終えようとするとき、阪神淡路大震災が起こります。1995年1月17日です。さらに3月20日は地下鉄サリン事件が発生します。もうカタストロフですよ。
(Sさん)
芦屋で生まれ育った春樹さんにとって、魂が揺さぶられるというか、名状しがたい… う~ん、適当な表現が見つからない。
(A課長)
「かえるくん、東京を救う」は「新潮」の1999年12月号で発表されています。
Sさんに「神の子どもたちはみな踊る」も読んでいただきましたが、これは同書の10月号です。間の11月号に「タイランド」という短編を発表しています。これは春樹さんらしい仕掛けですね。
「神の子…」と「かえるくん…」の2つはつながっています。「地震」というテーマは共通するものの、関連の薄い「タイランド」を挟むことで、読者の視点をずらそうとしていると感じました。
(Sさん)
ううん? つながりは感じられなかった…
(A課長)
「神の子…」は、オウム真理教の存在を、極限までのメタファーとして発酵熟成させ、作品に結実させています。主人公は宗教二世である善也です。
安倍さんの死により、にわかに宗教二世の問題がクローズアップされていますが、春樹さんは二十数年前に直視しています。
(Sさん)
なるほど… 確かに。
ただ「かえるくん…」は地震ですよね。それとオウム真理教のつながりは今一つわからない。
(A課長)
春樹さんのマジックです。私はこの本を大学生の時に読んだのですが、「かえるくん…」を読み終えて、何か引っかかるものを感じて、そのあと「神の子は…」を読み直したのですね。善也をずっと、“ぜんや”と思い込んで読んでいたのですが、冒頭に“よしや”とルビがふってありました。“ヨシヤ”…の発音で気づいたのです。
『神の子どもたちはみな踊る』は春樹さんによる啓示の書…
(Sさん)
“ヨシヤ”…なんか聞いたことのある響きだ。
(A課長)
旧約聖書の中に出てくる南ユダ王国17代の王の名です。つまり神話のなかの人物なのですね。その“善也”が「かえるくん」と呼ばれていたことを、春樹さんはさりげなく書いているのです。
大学時代にずっとつきあっていた女の子は、彼のことを「かえるくん」と呼んだ。彼の踊り方が蛙に似ていたからだ。彼女は踊るのが好きで、よく善也をディスコに連れていった。「あなたってほら手足が長くて、ひょろひょろと踊るじゃない。でも雨降りの中の蛙みたいで、すごくかわいいわよ」と彼女は言った。
(Sさん)
謎解きだ…一回読んだだけでは判らなかった。深いですね。
(A課長)
善也は中学生になって信仰を捨てます。新新宗教を信じ切っている母親は、ハチャメチャです。でも春樹さんは悪として描くのではなく、カルトに染まった…染められた人間の哀しすぎる純粋性を投影していると感じました。
(Sさん)
もう一度読み直してみますね。
(A課長)
ぜひとも!
「神の子…」は小説的なリアルです。でも「かえるくん、…」は寓話です。そのかえるは“神の子”である善也の化身ですね。ちなみに「神の子」はキリスト教におけるキリストを表しています。「キリストは神なのか?」という長い神学論争を経て、三位一体説として共有されました。Wikipediaで確認してみます。
三位一体とは、キリスト教において
父(=父なる神・主権)
子(=神の子・子なるイエス・キリスト)
霊(=聖霊・聖神)
の三つが「一体(=唯一神・唯一の神)」であるとする教え。カトリック教会・聖公会・プロテスタント・正教会・東方諸教会といった教派が、この教えを共有している。
(Sさん)
深いなぁ…
村上春樹さんは河合隼雄さんに会いに行きます!
(A課長)
「デタッチメントからコミットメント」と言葉にすると、粋なニュアンスも伝わってきますが、春樹さんにとっては壮絶な闘いの10年間だったのではないか、と想像しています。自分一人では抱えきれない…という感情にも襲われたでしょう。だから『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』だった!
河合さんは春樹さんにとってのエグゼクティブコーチそのものです。
(Sさん)
今日の1on1は実に濃い! 頭がクラクラしてきましたよ。
(A課長)
春樹さんの作品のベースは、とにかくメタファーです。そして寓話を交える。『ノルウェイの森』のように“リアル”な作品もありますが、まれですよね。
そろそろ時間ですね。Sさん、次回の1on1のために、今日もリクエストさせていただいていいですか?
(Sさん)
新海監督が1on1のテーマになってから、私の映画体験、読書体験が一気に広がりました。次は何でしょう?
(A課長)
『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読んでいただきたいのです。
(Sさん)
妙なタイトルの本ですね。メタファーですか?
「みみずくは黄昏に飛びたつ」の意味は?
(A課長)
ええ、このみみずくは「ミネルヴァのふくろう」のことです。ヘーゲルの著書である『法の哲学』の序文、「ミネルヴァのふくろうは迫り来る黄昏に飛びたつ」から採っているようです。ミネルヴァは、知恵の象徴であるローマ神話の女神です。
(Sさん)
いつものように引っ張りますね~(笑)
誰の本ですか?
(A課長)
川上未映子さんが村上春樹さんにインタビューした本です。
(Sさん)
なるほど… 前回の1on1とつながりました。
(A課長)
ええ、シナリオ通りです(笑)
川上未映子さんは「世界のMURAKAMI」に忖度ゼロで、質問を繰り出します。超人的な質問力です。まるで、「オーラの光をまとうエグゼクティブに勝負を挑むエグゼクティブコーチ」のようです。
同じ作家として、春樹さんの創作がどのようにして生まれてくるのか…「知りたくて、知りたくて…」という強烈な願望が伝わってくる対談です。
(Sさん)
Aさんの推薦力も伝わってきますよ(笑)
読んでみます!
(A課長)
ありがとうございます!
今日の1on1の最後に、「かえるくん、東京を救う」のラジオドラマを紹介します。かなり以前ですが、寝るときにラジオを聴く習慣があって、たまたま遭遇したんですね。かえるくんと最後に登場する看護婦さん…聴いたときは、まだ看護士に名称が変わっていなかったと思うので… その二役を中村メイコさんが演じています。
部屋は真っ暗でした。そこに、かえるくんになりかわったメイコさんの声が愛らしく、でも不気味に響いています。目をつぶっていた私は、だんだん奇妙な感覚に囚われていきます。まさに幽玄の世界でした。
アップされている“ニコ動”の画面はにぎやかなので、スマホ、PCの画面は見ないで、できれば夜、電気を消して聴いてみてください。春樹さんが綴る文字に神が宿っているのを感じることができますから。
坂本 樹志 (日向 薫)
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