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経営者が変わらなければ、組織は変わらない

Season 1 コーチングを経営のインフラに ― 人が育ち、組織が自ら動き出す会社をつくる ― 第3回 経営者が変わらなければ、組織は変わらない 経営者が変われば組織が変わる エグゼクティブコーチングとリーダーの在り方

「社員が主体的に動かない」と悩む前に、経営者自身の関わり方を見直してみませんか。経営者の問い、聴き方、任せ方、Being(在り方)が組織文化に与える影響と、エグゼクティブコーチングの役割を考えます。

「もっと主体的に動いてほしい」
「何でも私に判断を求めないでほしい」
経営者からよく聞く言葉です。
ところが、社員や幹部がそうなった背景を丁寧に見ていくと、経営者自身の関わり方が影響していることがあります。
組織は、トップの言葉以上にトップの「在り方」を映します。
組織を変えようとするとき、最初に向き合うべき相手は、案外「自分自身」なのかもしれません。

ある経営者は、幹部についてこう話していました。
「何でも私に判断を求めてくる。もっと自分で決めてほしいんです」
ところが話を聴いていくと、その経営者自身が幹部の提案に対して、
「それは違う」
「こうした方がいい」
「私だったらこうする」
と、すぐ答えを出していることが分かりました。
幹部からすれば、自分で考えて提案しても最後は社長が決める。
そうであれば、最初から社長に聞いた方が早い。
こうして「指示を待つ幹部」が生まれていきます。

組織はトップを映す鏡

組織文化は、経営理念や社内規程だけでつくられるものではありません。
経営者が何を褒めるのか。
何に怒るのか。
失敗した社員にどう接するのか。
会議で誰の話を聴くのか。
自分と違う意見にどんな表情をするのか。
社員は驚くほどよく見ています。
「自由に意見を言ってほしい」と言いながら、反対意見に不機嫌な顔をすれば、社員はやがて何も言わなくなります。
つまり、経営者の「言っていること」以上に、経営者の「在り方」が組織に伝播していくのです。

経営者自身にも「見えていない自分」がある

経営者は立場が上がるほど、率直なフィードバックを受ける機会が減っていきます。
部下は遠慮します。
取引先も本音をすべて話すとは限りません。
そして過去に成功してきた経営者ほど、自分のやり方に確信を持っています。
しかし、会社の成長段階が変われば、経営者自身にも変化が求められます。
10人の会社を率いる方法と、100人の会社を率いる方法は同じではありません。
自分で判断し、自分で動くことで成長してきた経営者が、ある段階からは「自分がやらないこと」「人に任せること」「人の力を引き出すこと」を求められます。
ここには単なるスキル習得ではない、リーダー自身の成長があります。

経営者に必要な「立ち止まる時間」

経営者は毎日、意思決定をしています。
しかし、意思決定する自分自身について考える時間は意外に少ないものです。
「なぜ私は、このことにこれほど苛立っているのだろう」
「なぜ、あの幹部には任せられないのだろう」
「私は本当は何を恐れているのだろう」
「この会社を10年後、どんな会社にしたいのだろう」
こうした問いには、すぐに答えが出ないかもしれません。
だからこそ、立ち止まって考える価値があります。
エグゼクティブコーチングの大きな役割の一つは、経営者に答えを教えることではありません。
経営者自身が、自分の思考・感情・価値観・思い込みを見つめる時間をつくることです。

「部下を変える」から「自分の関わり方を変える」へ

組織に問題が起きると、私たちはつい、
「あの部長が変われば」
「若手の意識が変われば」
と考えます。
しかし経営者が、
「彼らを変えるために何をすればよいか」
ではなく、
「彼らとの関係を変えるために、私は何を変える必要があるだろう」
と問い始めた瞬間、組織変革の質は大きく変わります。
経営者が問いを変える。
関わり方を変える。
任せ方を変える。
聴き方を変える。
すると幹部が変わり、その下の管理職が変わり、少しずつ組織の会話が変わっていきます。
組織変革の起点は、意外に近いところにあります。
経営者自身です。

経営者への問い

「今の組織の姿に、経営者である自分自身はどのような影響を与えているだろうか?」
そしてもう一つ。
「社員に変わってほしいと思っていることの中で、まず自分から変えられることは何だろうか?」

次回予告

第4回「1on1・会議・人材育成にコーチングをどう組み込むか」
理念だけでは組織は変わりません。
次回は、コーチングを「特別な時間」から、1on1・会議・人材育成という日常の経営活動へ実装する方法を考えます。

CBLからのメッセージ

株式会社コーチビジネス研究所(CBL)のエグゼクティブコーチングでは、目の前の経営課題だけでなく、「その課題に向き合っている経営者自身」に焦点を当てます。
答えを提供するのではなく、経営者自身が自らを見つめ、より良い意思決定とリーダーシップを生み出すための対話を大切にしています。

国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC)
日本エグゼクティブコーチ協会(JEA)認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久

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