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「コーチング×首相クラブが機能した」…対立が生じてもパーパスが共有できれば、チームは一つになれる!

「かっこいい店を作るなよ。俺たちは大衆芸能だ」
ディスカウントストア店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の吉田直樹社長は、創業者の安田隆夫氏が日々語る言葉を選んだ。
(日本経済新聞2月23日日曜版1面「冒険続けよう 逆境こそ活力~2050年の社長に託す言葉」より引用)

日本経済新聞2月23日の日曜版は、活力に富む未来を描く!

日経新聞2月23日の日曜版1面は、1週間前の日曜版とは打って変わって、チャレンジャブルな日本の未来を思い描き、筆を進めています。「1週間ごと必ずアップする」というルールを自ら定め、5年間書き続けている当該コラムですが、日経新聞の「トーン&マナー」が、1週間でこれほど「ガラリ」変わるのも珍しいなあ、と感じています。というのも、先週公開したコラムの「最初の見出し」を…

日本経済新聞2月16日の日曜版は、悲観論に覆われている…

としていますので、そのコントラストに驚きました。1週間前は、この「悲観論」を打ち消したいという想いを込めて、「続く見出し」に…

「未来はまだ起こっていない」わけで、だからこそ…

との文言を掲げています。コーチングは「未来志向」ですから!

「未来はまだ起こっていない。だからこそ悲観論に捉われるのではなく、可能性を信じ、学びを重ね、そして実践することで、未来を切り開いていくことはできる!」

ともすれば人は、混沌の現在を「希望が見出せない」と受けとめ(思い込み)、その情況を引き延ばして未来を想像してしまう、というのはありがちです。「希望があるかないか」は、他者が決める(決めてくれる)のではなく、内なる自らが主導するものです。逆境によって、顕在化していなかった創造力が見事に開花し、社会変革が起こることは、歴史が証明しています。これこそが「コーチング思考」です。

筆圧(キーボードの打力)が強い「前置き」となってしまいました。今回のコラムは、日経新聞2月23日の日曜版を取り上げ、コーチングを語ってみます。1面は、次の言葉から始まります。

2050年、企業のあり方はどうなっているだろうか。日本の人口減少とグローバルサウスの成長、人工知能(AI)の進化、働き方の変化。会社経営は今以上に困難かつ挑戦的になるはずだ。25年後の社長に向けて託したい言葉を様々な経営者に聞いてみた。(7面に主な経営者メッセージ)

1面は、冒頭で引用したPPIHの吉田直樹社長。健康なまま長寿でいることを研究するTAZ(たづ、東京・文京)の高橋祥子社長。そして、サントリーホールディングスの新浪剛史社長の大きな顔写真とともに、熱いメッセージが紹介されています。
「大衆芸能」はメタファーです。吉田社長は何を語っているのか…

「かっこいい店」は得てして自己満足になりがちで、客の都合を考えていない。大衆芸能には、客に楽しんでもらうことだけを考えるという意味が込められている。

「なるほど…」ですね。ここまで断言できる強さが「ドン・キホーテ」にはあります。私はもちろん「かっこいい店」も大好きです。でも、ジャングルのような「ドン・キホーテ」の店内を探検することに興奮を覚えます。

強みとなるのが、ドンキの「むちゃくちゃな個性」だ。仕入れ商品は本部ではなく、現場の従業員が決める。値付けやAIと、現場の従業員のKKD(勘・経験・度胸)を競わせる。

部下に、「君に任せるよ」と言葉をかける上司はゴマンといます。ただ、その言葉に「たましい」が込められているのか? 残念ながら現実は、任せきることができなくて、かえって部下からの信頼を失っていく… これが日本で起こっている日常の景色です。
ドンキは、それをマジにやっている。カルチャーとして骨肉化しているわけです。スゴイことです。

カルチャーは骨肉化しないと「あたりまえ」に動いてくれない

7面の「未曽有の変革期、覚悟はあるか」に移ります。この度の記事(1面のトップ+7面は全面)は、どのようにして生み出されたのか… 書き出しを引用します。

日本経済新聞は24年12月までに主要企業の社長(会長・最高責任者<CEO>を含む)に「2050年へどのようなメッセージを伝えたいか」を聞いた。96人の経営トップから後進に向けた言葉を受け取った。

7面はでは20社の社長のメッセージが紹介されています。トップバッターは藤江太郎 味の素会長です。1300文字超となる「手紙」を寄せてくれた…と記事ははじまります。「会長になられたのか…」と、ちょっと意外な感を抱いたのですが、理由も書かれています。

軽度の脳疾患により25年2月、在任途中で社長職を退いた。在任中は長期視点の判断を重視して中期経営計画を廃止している。回答書の送付は発症前だったが、文面には未来の経営者に託す熱い思いがにじんでいた。

藤江太郎氏のファンだった私は、日経新聞がインタビューした内容(『直言』)を取り上げ、コラムにしています。一読いただくと幸甚です。

2月23日の紙面から、もう一つ取り上げます。5面の総合欄にある『風見鶏』です。日米首脳会談の後日談といえる内容です。
石破首相は就任して初の外国訪問の際、事前に首相経験者である、麻生、菅、岸田各氏のもとを訪ねていません。「3氏を少なからずいらだたせた」と、反応を伝え聞いた首相は「しまったな」と、周囲に漏らしたようです。この反省から、「今回は事前に3氏と面会し助言を求めた」のですね。石破首相は「コーチング」をしっかり理解している(笑)。

石破首相は傾聴した。その後トランプ大統領との会談に臨んだ!

トランプ大統領が世界を混沌の渦に巻き込んでいる中、石破総理はトランプ氏との会談に臨みます。「日本国民の多く」は、安倍元首相とトランプ大統領との蜜月を知っていますから、ハラハラしながら(期待値が低かった?)その動向に注目しました。結果は…想像を大きく上回る成功だと「日本国民の多く」が受けとめたのではないでしょうか。
『風見鶏』は、その成功に至るプロセスを紐解きます。まずは、昨年12月に実施された昭恵さんとトランプ大統領との会食です。

トランプ氏は首相のことを安倍氏の政敵と認識していた。「同じ『日本の首相』ですから、私たち同様、大切にしてください」。関係者によると、昭恵さんはかねてこうした思いをトランプ氏側に伝えていた。

記事は、8カ月前に麻生氏がトランプ氏(大統領就任以前です)と会って、「日本に対する好印象形成」につながっていたことも書いています。記事のまとめを引用します。

トランプ氏が会談後に首相に手渡したメッセージ。宛ては「石破首相」ではなく「Mr.PM(Prime Minister)」だった。石破氏個人へのエールもさることながら「日本の首相」という存在への敬意も示したかったのかもしれない。
同じ苦労を知る首相経験者で協力を惜しむ者などいない。先達が現職を支える「首相クラブ」が機能する限り政権の安定性は高まる。(島田学)

まさに「チーム日本」です。「コーチング思考」そのものだなあ…というのが感じられて、嬉しくなりました。

日本は「首相クラブ」が機能している!

今回の自民党総裁が選ばれるプロセスによって、「党内政争」が白日の下に晒されています。首相経験者間の溝は深い…と誰しもが感じたことでしょう。ところが、外交(国家戦略)に関しては「首相経験者」は一枚岩です。石破首相も助言を傾聴し、真摯に受け止めた! この『風見鶏』のタイトルは「首相経験者たちの助言」です。

新聞ジャーナリズムは基本的に、政権(政治権力の省略形です)に対して「批判精神」を持ち続けることを旨としています。ところが今回の『風見鶏』は、そうではないスタンスに立脚しています。「石破政権をとにもかくにも応援しよう」という「意思表示」が伝わってきました。

今回のコラムのまとめに入ります。コーチングの認知は、この日本でも広がってきました。コーチング研修、そして資格の認定に関する事業を展開する企業が増えています。(株)コーチビジネス研究所は、エグゼクティブコーチングに照準を合わせ、10周年を迎えています。その間、数多くのエグゼクティブコーチを輩出してきました。

「コーチングを学びたい、資格を取りたい」、と思っても「どの会社(研修機関)を選んだらいいのかわからない」と、多くの方が感じられていることでしょう。そこで前回のコラムでは、長島明子さんが資格を取得し、エグゼクティブコーチとして大活躍されているヒストリーを紹介しています。「受講生の声」こそが大切ですから。

今回の最後にもう一つ、受講生の声を紹介させていただきます。新藤隆志エグゼクティブコーチです。6回シリーズで掲載した最後のインタビューにリンクを張っています。一読いただくと幸甚です。

坂本 樹志 (日向 薫)

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