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第5回:現地スタッフが自発的に動き始めた ─海外駐在リーダーが3ヶ月で組織を変えた対話の技術─

── 「こんなことで何かが変わるのかな」が「ものすごい変わりました」に変わるまで

前回、「聴けない自分」に気づいた彼女と、safe spaceが生まれ始めた話をお伝えしました。「で、結局、組織は変わったの?」── 一番知りたいのはそこですよね。今回は、パーパスの発見から組織の変化まで、3ヶ月間の「結果」をお伝えします。

自分のパーパスを見つける ── 「私はなぜここにいるのか」

TERAKO屋では、組織のパーパスではなく、まずリーダー自身のパーパス── 「私はなぜここにいるのか」「人生で何をやり遂げたいのか」── を見つけるセッションがあります。4つの問いに向き合います。怒り・悲しみの源は何か。子ども時代から好きだったことは何か。人から良く求められることは何か。時間を忘れて夢中になることは何か。
彼女が見出した自分の核は3つでした。情熱。感謝・敬意。そして、支えること。
人が大切にされていない場面を見ると、悲しみや怒りを覚える。

「人はLoveがあれば自然と動く。もっとリスペクトされるべきだ」

子ども時代から好きだったのは「何かを創ること」。6歳の時、二段ベッドにエレベーターをつける発明を思いつき、人生最大の発明だと本気で思った。好きな小説は「風と共に去りぬ」。戦火の中で自立していく女性に、ずっとエネルギーをもらってきた。

「こういう答えが出るとは思わなかった。自分にとって新しい発見だ」

体験会で語った「全員が仕事に価値を感じ、幸せに働ける組織にしたい」という理想と、自分自身のパーパスがぴたりと重なった瞬間でした。

指示待ちだった現地スタッフが「自分がやる」と動き始めた

3ヶ月のプログラムを経て、組織に何が起きたか。彼女はプログラムの最終回に、笑顔でこう語ってくれました。

「チームワークが格段に良くなりました」
「頼んでいないのに、ここは自分がやるから、と宣言して取って去ってしまうことがよく起こるようになりました」
「こうすればできるみたいなポジティブな発言にどんどん変わっていった」
「みんなの雰囲気が明るくなった」

対話の変化は、学んでいない社員にまで波及した

驚いたのは、変化が2人のマネージャーだけにとどまらなかったことです。
2人が日々の業務で対話を実践する姿を見て、他のメンバーが動き始めた。「自分たちにも何かできることがないだろうか」と考え、「この部分は自分に任せろ」と手を挙げるようになった。TERAKO屋で直接学んでいない社員にまで、変化が波及していました。

3ヶ月後のアンケートに凝縮された、駐在リーダーの成長

全6回のプログラムを終えた後のアンケートで、彼女はこう書きました。

「When you listen, no judgement is important(聴く時、判断しないことが大事)」「部下との間に心理的安全性を築き、信頼関係ができた」

前回お伝えした「People cannot listen without judgement(人は判断なしには聴けない)」── あの正直すぎる気づきから3ヶ月。「no judgement is important」と書けるようになった。この一行に、彼女の3ヶ月が凝縮されています。
マネージャーのBさんはこう書きました。

「TERAKOYAは、今まで受けてきた研修とはまったく違う。最初は何なのか、何が得られるのかわからなかった。でも終わってみると、とても価値があった。毎回のDLQを覚えて、日々の仕事で実践したい」

そして彼女の最後のコメントには、こう添えられていました。

「同僚と一緒に参加することで、学び合いが加速し、職場への適用が早くなる。タイ語版もあればいいのに」

「タイ語版もあれば」── この一言を読んだ時、私は胸が熱くなりました。彼女の目線はもう「自分」ではなく「組織全体」に向いている。55名全員に届けたいと思っている。

「迷いがなくなった」── 駐在リーダーの表情が変わった日

プログラムの終盤、彼女にインタビューをお願いしました。画面に映った彼女の表情を見て、私は驚きました。
3ヶ月前、初めて課題を伺った時。彼女の顔には疲労と焦りがにじんでいました。板挟みと孤独の中で、出口が見えない方の表情でした。
3ヶ月後の彼女は、笑っていました。

「自分なりにマネジメントとは、こういうことかな、て」
「迷いがなくなった」
「すごくすっきりして、また元気いっぱいで頑張れそう」
「すごく楽しい職場になりました」

会社に行くのが楽しくなった、と。自分自身のパーパスを見つけ、それがマネジメントの軸になった。だから迷いがなくなった。TERAKO屋を信じて受けてくださったことが、私たちにとって何より嬉しい瞬間でした。

海外駐在の「孤軍奮闘」は終わらせられる

実は、彼女には半信半疑な気持ちがあったそうです。

「初めはこんなことで何かが変わるのかなと思ったんですけど、ものすごい変わりました」

彼女は最後にこう言いました。

「これをどうにかしてもっと輪を広げていかないと、と今思ってます」

孤軍奮闘から共創へ。彼女の旅は、まだ始まったばかりです。

一言まとめ

自分自身のパーパスを見つけたとき、マネジメントの「迷い」が消える。「こんなことで変わるのかな」── その半信半疑が「ものすごい変わりました」に変わるまで、3ヶ月。


このブログは、部下の行動が変わらないと悩むすべてのリーダーに向けて書いています。その中でも、異文化の壁の中で孤独な戦いに挑む海外駐在員、すべての責任を一身に背負う現法リーダー、そして駐在員の成功が会社の生命線である経営者・人事リーダーの皆さんに届けたい。DLQ(対話知能指数)の実践と、現場が動いた実際の成果を、連載でお届けします。

河原 説子(エグゼクティブコーチ/CBL海外駐在サポート「Polar Star」)
私たち「Polar Star」は、海外駐在歴30年の元大手メーカー北米Executive VP、欧亜5カ国で駐在員500名以上と対話したタイ永住コーチ、グローバル企業で人事20年のプロ、外資系企業でJapan CFOのキャリアを持つコーチ、大手総合商社で海外新規事業を手がけた戦略家── 6人のエグゼクティブコーチが、駐在リーダーの「孤軍奮闘」を終わらせるために集まったチームです。一人で抱え込まなくていい。私たちが、あなたの隣にいます。

TERAKO屋で、この「対話の技術」を体験してみませんか?

※本記事の内容は、ご本人の許可を得て掲載しています。

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