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第13回 エンゲージメントとウェルビーイングの両立 ─社員幸福度と業績を同時に高める内発的動機づけ─

ウェルビーイングは経営の中核的指標である

「社員の幸福と企業の業績、どちらを優先すべきか?」
長らくこの問いはトレードオフの関係として扱われてきました。
「仕事は厳しくて当然」「成果を出してこそ評価される」といった価値観が、経営や人事の前提として根強く残ってきたのです。
しかし近年、世界的な研究が示すのは明確な結論です。
「人が幸福であるほど、成果も上がる」
ギャラップ社の調査によると、エンゲージメント(仕事への没頭と熱意)が高いチームは、そうでないチームに比べて生産性が21%高く、離職率は59%低いと報告されています。さらに、ハーバード大学の幸福研究では、「幸福感の高い社員は創造性が3倍、柔軟性が10倍高い」とされています。これらのデータが示すのは、ウェルビーイング(心身・社会的に良好な状態)は、単なる福利厚生ではなく、経営の中核的指標であるということです。

エンゲージメントとウェルビーイングを高める鍵は「内発的動機づけ」にある

では、どうすればエンゲージメントとウェルビーイングを同時に高められるのでしょうか?その鍵となるのが、「内発的動機づけ」です。人が自ら動き出すとき、それは外からの報酬や評価によるものではなく、「自分が大切にしていること」と仕事がつながっていると感じる瞬間です。
つまり、人は“意味”に動かされるのです。
この“意味との接続”を支援する最も有効な方法が、コーチングです。
コーチングの本質は、「人が自らの価値観に気づき、それを行動に結びつける」プロセスです。
たとえば、ある企業では、管理職に対して「部下のモチベーションを上げる」ための研修を廃止し、代わりに「部下の価値観を引き出す1on1プログラム」を導入しました。
マネジャーはやる気を出させるのではなく、何に意義を感じるかを丁寧に聴くようになったのです。半年後、社員アンケートで「仕事に意味を感じる」と答えた割合が30%から68%へ上昇し、同時に業績指標も右肩上がりとなりました。エンゲージメントとウェルビーイングは、二つの指標ではなく、同じ根の異なる枝なのです。重要なのは、「人の幸福」を感情としてではなく、関係性の質として捉えることです。

エンゲージメントの源泉とウェルビーイングの本質は「内的自由」にある

コーチングによって生まれる信頼と対話は、人の心に安全と自由をもたらします。
その結果、社員は評価されるためではなく、貢献したいから動くようになります。
この「内的自由」こそが、エンゲージメントの源泉であり、ウェルビーイングの本質です。経営者や人事が意識すべきは、成果を上げるために幸福を高めるという発想から、幸福であることが成果を生むという逆転の視点です。
社員の幸福を目的ではなく、経営の前提として扱います。
そのために必要なのは、制度や報酬の見直しだけではなく、日々の対話の質の変革です。
上司が「何をすべきか」ではなく、「あなたはどう在りたいか」を問う――その瞬間に、組織は静かに変わり始めます。

エンゲージメントとウェルビーイングの両立は、もはや理想論ではありません。
それは、コーチングという“人を信じる技術”を通して現実化できる経営戦略です。
社員の幸福が成果を生み、成果がさらに幸福を育てる。この循環をつくることこそ、これからの人材育成がめざす最も持続的な未来の形なのです。

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国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久

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