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第1回:“採用”は土台で決まる ─社内で、お金をかけずに、すぐできる、小さな工夫が生み出す理想の人材獲得と定着の好循環─

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いい人が、ひとり、いればいいのに…

「いい人が、ひとり、いればいいのに」、私は何度、この言葉をつぶやいたことでしょう。

人口減少や若年層の転職志向などにより、採用市場は年々厳しさを増し、採用難による倒産も増加しています。

外資製薬会社で人事として20年、私は1,300人を超える面接、4,000人以上の書類選考を経験してきました。

採用マネージャー時代には、常時20件以上の案件を同時に抱えていました。どれも簡単な募集ではありませんでしたが、それぞれの案件に合う“たったひとり”に出会えればいい、そう信じて走り続けていました。

当時行っていたのは、候補者との出会いにつなげるための、次のような工夫でした。

  • 募集要件(スキル・経験など)の明確化、必要に応じた見直しや緩和の提案
  • 部門長との協議による受け入れ体制の構築
  • 人材紹介会社の活用・新規開拓
  • リテーナー採用導入
  • 会社説明会やイベントの実施
  • 多種の転職サイトやハローワークの活用
  • 国外人材(フランスのインターン制度など)の採用

正解のない採用の世界。とにかく「この人かも」と思える誰かに出会えるなら、どんな方法も試す──それが私の向き合い方でした。

そして、オファーを受けてもらえたときは、これまでの努力が報われたという確かな手応えを感じていました。

「入社」で終わらない現実

しかし、HRビジネスパートナー(部門人事責任者)として組織全体を見渡すようになって、気づかされたことがあります。

それは、採用は「入社して終わり」ではない、ということ。

採用マネージャーとして駆け出しのころ、ある財務系ポジションで、若くてスキルも語学力もある候補者がいました。

ただ、面接中に相手の話を最後まで聞かず、食い気味に「はい!」と返事をする癖があり、不安を覚えました。信頼関係構築力、会話の理解力、相手の話を聴く力に難点がありそうだと感じ、面接官の部長にその懸念を伝えました。

けれども部長は、「元気でハキハキした若手」と好意的に受け取り、最終的にその方は採用に。

入社したその社員は期待されたパフォーマンスを発揮できず、10年以上にわたり何人もの上司が育成に多くの時間と労力を費やすこととなりました。

その時、もっと強く部長を説得できなかったことを、今でも残念に思っています。

いえ、実は、「部長の意見を通して採用すれば、この案件はクローズできる。」
無意識に、その誘惑に負けてしまっていたことを認めざるを得ません。

その後、HRビジネスパートナーとして、その社員の行動改善に悩む上司を支える立場になった私は、結果的に、自分の過去の採用と向き合うことになりました。

あの時間は、採用の重みと、判断の先にある現場の現実を深く実感する、かけがえのない経験だったと思っています。

採用の“失敗”が及ぼす影響

採用の“失敗”は、現場に負担をかけるだけでは終わりません。

早期離職に加え、周囲の社員の退職やメンタル不調を招くことさえあります。
そうなると、採用案件はむしろ増え、現場は疲弊し、組織はさらに不安定に──。
負の連鎖が始まってしまうのです。

また、既存社員が会社や面接官を見る目が変わってしまうこともあります。
たとえば、社長が面接した場合は、「社長が選んだ人」という印象が強く残るため、成果が伴わなければ、その評価自体への疑問が生じてしまうのです。

コスト面でも影響は深刻です。
採用経費や給与に加え、面接や教育に費やした時間(×時給)を金額に換算すれば、損失は決して小さくありません。

だからこそ、採用のゴールを「入社」に置いてはいけないのです。

ゴールは「活躍」──そこから始まる好循環

私が20年の人事経験で行き着いた結論。
それは、採用の本当のゴールは入社した人の「活躍」であるということです。

入社した人が、周囲と協働し、組織に貢献し、自らの強みを発揮できて、初めて採用は“完了”と呼べます。

そしてその「活躍」が生まれると、組織に好循環が生まれます。
人が辞めにくくなり、人が育ち、新たな採用も成功しやすくなる。
採用は1回限りのイベントではなく、組織の成長サイクルの一部なのです。

「いい採用」は、社内からつくれる

では、「活躍につながる採用」はどうすれば実現できるのでしょうか。
その答えは、社内の“土台”を整えることにあります。

  • どんな人を採りたいのか、社内で共通認識があるか
  • 誰に向けて、どんな言葉で情報発信しているか
  • 面接で何を見極めるのか、評価基準は明確か
  • 入社後、どんな体制で迎えるか

これらの問いを一つひとつ紐解いていくことで、採用の“芯”が整っていきます。
しかもそれは、特別な予算や制度がなくても、今すぐに社内で始められる工夫ばかりなのです。

このブログでは、そうした“社内の土台から整える採用”の視点を、今後も丁寧にお伝えしていきます。


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CBL認定アソシエイトコーチ
Support Runners代表
エグゼクティブコーチ/人材採用支援アドバイザー
山本 知子

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