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『コンサルティング・コーチング(自立支援型コンサルティング)』~第3ステップ 創造(広げる)場面でのポイント~

自立支援型コンサルティング・プロセスの第3ステップは、創造(広げる)場面でのポイントです。

第3ステップ 創造(広げる)場面でのポイント

第3ステップは、第2ステップで引き出した経営者の想いをさらに広げる場面です。
経営者の中にある固定観念を外すお手伝いをします。経営者には、積み重ねてきた数々の経験や,苦労して形成した「現状」への誇りやこだわりがあります。これに加えて、実行の可能性が低いとか、奇抜な発想と評価されることへのおそれが相まって、真の想いを口に出すことをためらわせます。

そこで経営者に対して、「いろいろな制約条件や実行プロセスの心配はいったん棚上げして、自由奔放に考えてみましょう」というように声をかけ、経営者の思考の枠を広げるようにします。奇想天外な発想や革新的な発想が出たときには、大いに認めてあげましょう。経営者がワクワク、ウキウキするような未来志向の言葉を語りやすい雰囲気をつくるようにします。
ポイントは、次の点です。

①本質を掴む効果的な質問をする

“経営者の想い”を引き出し、広げるには、Yes、Noで答えられるような簡単な質問ではなく、答えに広がりのある質問や考えさせるような質問をします。また、新しいことを生み出し変革していくには、これまでと異なる発想が必要です。そのときに求められるのが,「視点を変える質問」です。視点を変えるには、時間軸を変える、主体を変える、視点を仮定に向ける、視点を広げるなどさまざまな方法があります。

a.時間軸を変える質問
(例)「その問題が発生する前と、発生した後で大きく違う点は何でしょうか」

b.主体を変える質問
(例)「相手の人から見たら、この件はどのように映っていると思いますか」

c.視点を仮定に向ける質問
(例)「もし、100億円あったら何をしたいですか」

d.視点を広げる質問
(例)「仕事以外ではどのようなことが気がかりになっていますか」

e.制約を外した質問
(例)「奇跡が起きて想い通りになった状態を想像すると、最も変わってほしいのは何ですか」

一方、逆に「あと余命1年と言われたら何を成し遂げたいですか?」というように、残されたタイムリミットなどの制約を設けて、追い込まれたギリギリの状態を想定して、いま大切なことは何か、本当にやりたいことは何だったのかなどを考えてもらうような質問も有効です。
重要なことは、次のように5W1Hの具体的な質問から抽象的な質問に発散から集束を繰り返すことで、本質は何かを考えることです。

②「真の目的」を考える

「わが社は〇〇〇を売っています」
この〇〇〇の中に、当然のように商品(名)を入れていたとしたら、本質を見失ってしまうかもしれません。

ポイントは、「Why」にあります。
「わが社は何のために存在するのか?」
「お客様はなぜ自社の製品を買ってくれるのか?」
という「Why」を見つめ直してみることで、真の目的にさかのぼって再定義することができます。

昨今のように複雑化、多様化する経営環境の中では、表層的な分析をしていてもなかなか本質に迫ることが難しくなってきています。この「Why」の問いを重ねていき、真の目的へさかのぼる原点回帰を忘れないようにすることが大切です。
見えにくいものの中に、あり方、真の目的、潜在的なニーズ、戦略が隠されています。
目的が欠落していないか、目的をはき違えて手段の目的化になってしまっていないか、目的が単なるお題目になっていないかに注意が必要です。

③経営ビジョンについて改めて考えてみる

経営ビジョンは、中長期的な企業の「ありたい姿」のイメージを言葉によって可視化したものです。中小企業の場合は経営ビジョンが経営者の頭の中だけにあり、明文化、見える化されていないことがしばしばです。
経営ビジョンがあって、きちんと明文化されている会社でも、カタチだけであまり機能していないといった声をよく耳にします。ビジョンが機能しない最大の理由は、ビジョンの中に経営者の「想い」が反映していないことです。
そこで、先ほどのように「視点を変える質問」や「Why」思考によって、経営者の真の想いを引き出し、ありたい姿をできる限り鮮明に具体的にしてあげるお手伝いをします。
中小企業診断士が代わりにビジョンを打ち立ててあげたりしているケースも見られるようですが、あくまで経営者自身に考えてもらうことが重要です。

(埼玉県中小企業診断協会コンサルティング・コーチング研究会の調査研究事業報告書から一部抜粋加工)

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