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第3回:信頼を“しくみ”に変えるために ─リファラル採用制度づくりの落とし穴と、その乗り越え方─

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制度化の一歩を踏み出す前に

前回のブログでは、中小企業にとって効果的な打ち手であるリファラル採用についてご紹介しました。

「紹介で入った、あの人は良かったな」という偶然を、しくみとして育てていくことで、採用の確度・効率・定着率は大きく変わります。

私の経験では、次のような職種で特にリファラル採用が有効でした。

  • 工場の製造部門:地元密着型のため、近所の知り合いや学生時代の同級生などの
    伝手がある。
  • 転職が多い専門職:需要が高く人材市場が限られている職種の人材ほど転職を重
    ねており、前職でのつながりが多い。
  • 営業など大きな組織で働く職種:人徳ある人が入社すると、「また一緒に働きた
    い」と思う人が周辺職種に現れやすい。

では、実際に制度として運用するには、何から始めればよいのでしょうか?
実はここに、小さくても見過ごせない「落とし穴」がいくつかあります。

今回は、制度を整える際に押さえておきたい注意点を、私の現場経験をもとにお伝えします。

制度を機能させるための第一歩:ルールを明確にする

「とりあえず紹介してもらえれば…」という状態でスタートすると、トラブルが起きやすくなります。

誰が紹介対象になるのか、どのタイミングで報奨金が出るのか。
応募者本人に対しては、「誰が・いつ・何を伝えるのか」を事前に決めておく必要があります。
こうした点をあらかじめ明確にしておかないと、社員側も紹介しづらくなり、せっかくの制度が機能しません。

また、必ずしも選考を通過するとは限りませんので、不合格の可能性があることを紹介者も応募者も理解しておく必要があります。

特に報奨金の支給ルールは重要です。
「入社日に支給」「3か月在籍したら支給」、「上司が自チームに知人・友人を紹介するのは報奨金の対象外」など、基準を明文化し、社内で共有しておくことで、不公平感や誤解を防げます。

信頼ベースの制度にするために:報奨金の額を適切に設定する

「お金を出せば紹介が集まる」と考え、報奨金を高額に設定するケースもあります。
しかし、金額だけで動く紹介には注意が必要です。

報奨金に惹かれるあまり、数をこなすことが目的になってしまい、紹介の質が下がるリスクがあります。
また、紹介活動に意識が偏ってしまうと、本来の業務がおろそかになることも。
それでは本末転倒です。

あくまで紹介は、「うちの会社なら、あの人に合うかもしれない」という社員の善意や信頼から生まれるもの。

金銭報酬は、きっかけのひとつにはなっても、動機のすべてにしてはいけません。

むしろ、「紹介してくれてありがとう」という感謝の気持ちを、言葉や社内の場づくりで丁寧に伝えることのほうが、制度の根を深く育てていく力になります。

制度設計の基本:紹介依頼の前に“伝える材料”を整える

社員に紹介を呼びかける前に、まず会社として準備しておくべきことがあります。

たとえば、紹介してもらうポジションの求人票や職務記述書(ジョブディスクリプション)、組織のビジョンやカルチャーに関する共有資料などを整えておくことです。

紹介される側の候補者は、社員を通じて情報を得ることになります。
その際に社員が「どんな仕事内容かよく分からない」「自社の強みを言語化できない」となると、紹介はうまくいきません。

紹介制度は、単に「つながり」を使うだけでなく、どのような人を、なぜ迎えたいのかを社員と共有するプロセスでもあります。

書面を整備し、紹介者が安心して候補者に伝えられるようにすることが、制度の成功を大きく左右します。

紹介が根づく職場を育てる

リファラル採用制度をうまく機能させる最大のポイントは、「紹介したくなる会社」であることです。

制度をつくることも大切ですが、社員が「この会社を人に勧めたい」と思える風土がなければ、制度は形だけのものになってしまいます。

「ありがとう」を言葉にする。
誰かを紹介して会社に貢献してくれたことを、きちんと見て、感謝する。
社内の信頼と誇りを日々のコミュニケーションで育てていくことが、制度を支える土台になります。
リファラル採用は、信頼の循環でつながる、温かくて、力強い採用のしくみです。

単に制度を整えるだけでなく、それを機能させる“人”と“関係性”にこそ目を向けながら、じっくりと制度設計に取り組んでいきましょう。


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CBL認定アソシエイトコーチ
Support Runners代表
エグゼクティブコーチ/人材採用支援アドバイザー
山本 知子

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