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第13回:入社後の「オンボーディング」で定着から活躍へ ─採用のゴールは入社ではなく活躍─

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採用しても早期離職してしまう。あるいは、採用時に期待した活躍につながらない。この悩みの多くは、入社後数か月の受け入れ体制に起因します。

採用のゴールは入社ではなく、活躍です。そして、活躍の起点は「入社後数か月の過ごし方」にあります。――最初の1時間、最初の1日、最初の1週間……何を学び、誰と会い、どのように関わったか。その積み重ねが、入社者の活躍を形づくります。

そのように、入社者の受け入れを段階的に計画し、実行する仕組み――それがオンボーディングです。

オンボーディングとは何か

オンボーディングは、“on board=同じ船に乗る” に由来します。新しい仲間を会社という船に安全に乗せ、早く自走できる状態へ導く全社的な取り組みです。

目的は、次の3点を計画的に実現することにあります。

  • 仕事を理解し、覚えること
  • 職場に溶け込み、協働の輪に入ること
  • 自分の役割に確信を持ち、前向きに力を発揮できること

これらを同時に進めるには、直属部署だけでなく、全社的な設計が不可欠です。

なぜ最優先課題なのか

人材の流動化が進む今、「採った人をどれだけ活かせるか」は経営の生命線です。人事任せの研修や、現場任せのOJT(On-the-Job Training)の延長では、もはや足りません。

オンボーディングは、入社者が生き生きと力を発揮し、活躍へと踏み出すための大切なステップです。人的資本経営の第一歩として、組織運営の重要項目とも言えるでしょう。

とはいえ、緊急案件や顧客対応に追われる現実もあります。「今日はバタバタしているから、午前中はこの資料を読んでいて」――。そう言いたくなる場面は、いつでも起こり得ます。しかし、その一言は入社者にどう映るでしょうか。

迎える側がどこまで本気で関わるか。忙しい中で時間を確保できるか。

その姿勢は入社者に確実に伝わり、士気・定着率・早期戦力化を左右します。

オンボーディングを成功させる6つの設計ポイント

オンボーディングは、設計で成功させる仕組みです。入社が決まったら、次の点を中心にオンボーディングプランを計画・準備していきましょう。

  1. ゴール定義(3か月時点)
    職務ごとに「自走できている状態」を明文化します。
    例:営業=単独で提案できる/開発=担当領域を安定運用できる、など。
  2. 教育担当者とバディを決める
    業務を教える教育担当者を定め、可能であれば日常の相談に乗るバディ(伴走者)も決めます。
  3. 初期スケジュール(初日〜3か月)
    ・入社前:PC・ID・アカウント・制服などの準備
    ・初日:経営者から直接、歓迎と期待を伝える。身近なメンバーとの顔合わせ。会社ルールの説明など。
    ・1週目:業務環境の整備と関係者との顔合わせなど。
    ・〜3か月:職務に応じた教育・OJTの実施など。
  4. 情報アクセスの整備と伝達
    「知りたい情報にすぐ辿り着ける」よう、社内情報を整理・集約し、入社時に共有します。
  5. 全社アナウンス
    入社日に全社アナウンスを行い、社員全員が新しい仲間を認識できるようにします。
  6. 優先順位の明文化
    「オンボーディングプランの時間を優先する」と社内で合意しておきます。

成功の判定基準

  • 仕事:目的と基準を理解し、主要タスクを自力で遂行している
  • 人:困ったときに相談できる相手が複数いる
  • 意欲:自分の役割に確信を持ち、次の挑戦を語れている

上司は、最初の1か月は毎週、それ以降は少なくとも月1回、この基準をもとに進捗を確認します。進捗が思わしくない場合は、本人の感じていることを丁寧に聞き取り、関係者からの意見も踏まえて体制を整え直しましょう。

会社が入社者に「期待」しているのと同時に、入社者も会社に「期待」しています。その期待と現実がずれていると、不安や不満を生み、オンボーディングの進捗に影響します。

たとえば――「面接ではもっと裁量を与えられると聞いていた」「思ったよりシステムが複雑でついていくのが大変」など。こうした声は早めに拾い上げ、柔軟に対処していくことが大切です。

入社後3か月の時点で、上記「仕事・人・意欲」の観点に加え、職務ごとに設定した成果・スキル基準を照らし合わせて評価し、次の1か月~3か月の対応を決めていきます。

結び

オンボーディングは“人を迎える仕組み”であると同時に、会社の未来を守る仕組みです。オファー受諾の一報を聞いたら、すぐにオンボーディングプランの設計を始めましょう。
経営者をはじめ、関わるすべての人がこの時間を最優先事項として確保してください。最初の3か月の過ごし方が、その人の未来を決めます。


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CBL認定アソシエイトコーチ
Support Runners代表
エグゼクティブコーチ/人材採用支援アドバイザー
山本 知子

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