無料相談・資料請求はこちら

第3回:ビジネスの成否よりも、“人”に寄り添うコーチングの奥深さ ─業績の陰にある「人間としての経営者」に目を向ける─

エグゼクティブコーチングの場は“正解を出さなくていい時間”

エグゼクティブコーチングというと、一般には「業績向上」「意思決定支援」「戦略実行の加速」といった“成果志向”の支援と理解されがちです。確かに、経営者を相手にするコーチングの現場では、ビジネスに直結するテーマが頻繁に扱われます。
しかし、実際に現場で見えてくるものは、その成果の背後にある、もっと人間的な葛藤や渇望です。
たとえば、売上が順調に伸びている経営者がこう漏らします。
「この成長を、本当に自分は望んでいたのか分からないんです。」
あるいは、企業再生の道筋を描いた経営者が、ふと立ち止まってこう言います。
「確かに会社は立て直せた。でも、家族との関係は壊れたままだ。」
エグゼクティブコーチングの現場でコーチが向き合うのは、“会社の代表”ではなく、“ひとりの人間としての経営者”です。
彼ら・彼女らが置かれているのは、成功・責任・期待・競争・孤独などが複雑に絡み合う“特別な環境”です。その中で、常に「正しい判断」を求められ、「強くあれ」とプレッシャーを受け、「間違うこと」は許されにくい。
だからこそ、コーチングの場で初めて“正解を出さなくていい時間”が訪れると、多くの経営者はほっとしたような表情を浮かべます。
そのとき、彼らは初めて「自分の本音」に触れることができるのです。

エグゼクティブコーチングは「成果」だけで語ることはできない

コーチは、目の前の業績や問題を一緒に解決する“戦略パートナー”ではありません。
それよりももっと深いレベルで、その人が「どう生きたいか」「どう在りたいか」に伴走する存在です。
そして不思議なことに、こうした“人間的な対話”が、結果的に経営判断の質や、組織全体のエネルギーに好影響を与えていきます。
トップが本音を語れるようになると、社員たちも安心して自分の意見を言えるようになり、チーム内に心理的安全性が生まれ、創造的な議論が活性化していく――そんな変化が静かに、しかし確実に起きていくのです。
だからこそ、エグゼクティブコーチングは「成果」だけで語ることはできません。
表面的なKPIよりも、“その人が、自分の人生をどう捉え直していくか”というプロセスこそが、本質的な支援の対象になります。
そして、そうした“人間に向き合う仕事”には、深い喜びがあります。

エグゼクティブコーチングは「その人が自分らしさを取り戻す支援」

あるセッションの終わり、クライアントがぽつりとこう言いました。
「今日は、社長じゃなくて“私”として話せた気がします。」
この一言の重みを、コーチは知っています。
そしてそれこそが、エグゼクティブコーチングの最も美しい瞬間でもあります。
これからエグゼクティブコーチを目指す方にとって、
「人を変える」のではなく、「その人が自分らしさを取り戻す支援」をする、
その繊細で、力強く、尊い営みに惹かれてほしいと思います。
数字や結果に追われがちなビジネスの世界で、“人間”に目を向けるコーチという存在。
それは、これからますます求められる職業であり、生き方でもあります。

“経営者一人ひとりにコーチを”というビジョンを掲げ、エグゼクティブコーチ養成講座を開催しています。詳しくは下記URLをご確認ください。

詳しくはこちら:エクゼクティブコーチ養成講座

国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久

現在受付中の説明会・セミナー情報