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第10回:新入社員を育てることは、上司を育てること ─新人育成がマネジメントを進化させる─

新入社員は上司のマネジメントの在り方を写す鏡である

新入社員育成は、「新人のためのもの」と考えられがちです。しかし実際には、新入社員と関わる上司・OJT担当者・現場リーダーこそが、最も大きな影響を受けています。なぜなら、新人育成は、上司のマネジメントの在り方をそのまま映し出す鏡だからです。
新入社員は、仕事のやり方以上に、「上司がどう人に向き合っているか」を見ています。
分からないときに、どう扱われるのか。
失敗したときに、どう声をかけられるのか。
意見を言ったときに、どう受け止められるのか。
こうした一つひとつの体験を通して、「この会社で人はどう扱われるのか」を学んでいます。その意味で、新入社員育成は“新人教育”であると同時に、マネジメント実践の最前線です。特に、コーチング的な新人育成を導入すると、上司自身の関わり方が大きく問われるようになります。

新入社員を育てる上司向けコーチング研修を実施する

従来型の育成では、上司の役割は比較的明確でした。
「教える」「指示する」「正解を示す」。
しかし、コーチングを取り入れた新人育成では、上司の役割は変わります。
「考えさせる」「問いかける」「待つ」。
この変化は、想像以上に上司に負荷をかけます。
多くの上司が最初につまずくのは、「つい答えを言ってしまう」という点です。
沈黙が怖い。
新人が遠回りするのを見ると、つい口を出したくなる。
それは怠慢ではなく、責任感の表れです。
しかし同時に、それが新人の成長機会を奪っていることも少なくありません。
ある企業では、新入社員研修と並行して「新人を育てる上司向けのコーチング研修」を実施しました。
テーマは、「教えないこと」ではなく、「教える前に何を問うか」。
上司たちは、自分がどれだけ“答え役”に慣れていたかに気づき、戸惑いながらも関わり方を見直していきました。その結果、「新人が自分で考えて相談に来るようになった」「以前より対話が増えた」という声が多く聞かれるようになりました。

新入社員の育成が上司のマネジメント力を鍛える

ここで重要なのは、新人育成が上司のマネジメント力を鍛える実践の場になっているという点です。
問いかける力、聴く力、待つ力。
これらは、部下が新人でなくなった後も、チームを率いる上で不可欠な能力です。
新入社員の育成をコーチング的に行うことで、上司は自然と「人を動かす」から「人が動く環境をつくる」マネジメントへと進化していきます。また、新入社員育成を通じて、上司自身の価値観も揺さぶられます。
「自分は、どんな上司でありたいのか」
「成果と育成を、どう両立させるのか」
こうした問いに向き合うこと自体が、上司の成長につながります。
新入社員は、上司にとっての育成対象であると同時に、成長を促す存在でもあるのです。

新入社員研修はマネジメント文化を更新する絶好の機会である

組織全体で見ると、新入社員育成はマネジメント文化を更新する絶好の機会です。
新入社員に対してコーチング的に関わる上司が増えると、その関わり方は次第に他のメンバーにも広がります。
「問いかける」「対話する」「振り返る」。
これらが特別なスキルではなく、日常の関わり方として根づいていく。
新入社員育成は、その文化変革の起点になり得ます。
新入社員をどう育てるかは、「新入社員をどう扱うか」ではなく、「人をどう信じるか」という組織の姿勢を映し出します。そしてその姿勢は、上司自身の在り方を通して、最も強く伝わります。
新入社員を育てることは、上司を育てること。
上司が育てば、チームが変わる。
チームが変われば、組織が変わる。
新人育成は、決して末端の施策ではありません。
それは、マネジメントを進化させる、最も実践的で確かな入り口なのです。

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詳しくはこちら:新入社員コミュニケーション1日研修 ─コーチングのスキルで学ぶ 報連相力アップ─

国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久

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