コーチングとカウンセリングの違いは何ですか?
とよく質問されます。
コーチングとカウセリングは、どちらもスキルとしては非常に近いものがあります。
一番大きな違いは、クライアント(お客様)、つまり対象となる相手の状況が異なることです。
カウンセリングはマイナスをゼロに戻すようサポート
カウンセリングは、精神心理的な悩みを抱えた人を対象とした相談援助であり、治療的・予防的な処置に重点があります。
そのため、どちらというと現在の状態に至った原因や過去に遡ってアプローチしていきます。
一方、コーチングは、相手の方の目標達成や能力発揮を支援し、将来どうありたいかを重視したアプローチをとります。
カウンセリングにもいろいろな手法がありますので、ひとくくりにはできませんが、両者の違いを簡単にいえば、通常の平静な心の状態が「ゼロ」の位置にあるとすると、カウンセリングはマイナスに陥ってしまった人を「マイナスからゼロの状態に戻すこと」を目指します。
コーチングはゼロからプラスの方向・未来に向かって支援する
一方、コーチングは、クライアントがありたい姿になることを目標に、「ゼロからプラスの方向に向かって支援をすること」にあります。
カウンセリングは、クライアントの話を聞きながら、クライアントの過去の問題に焦点を当てて、クライアントの気持ちを整理することを重視したアプローチをとります。
一方、コーチングは、クライアントの潜在能力やアイデア、強みを引き出し、クライアントが望む人生やキャリアにおける未来の目標を達成するためのサポートをします。
私は、自分のキャリア領域を広げたいと思い、30代のときに中小企業診断士の資格をとり、その後、産業カウンセラーの資格やキャリア・コンサルタントの資格、認定プロフェッショナルコーチの資格を取得しました。
カウンセリングも、コンサルティングも、コーチングも経験し、そのメリットも難しさも実感している者として率直に思うのは、コーチングには、カウンセリングやコンサルティングの領域をもカバーできるだけの深さがあるのではないかということです。
もちろん、コーチングは万能ではありません。
カウンセリング的なアプローチが必要なときもあれば、コンサルティングが必要なときもあります。
それぞれの場面に応じて使い分けていくことが必要です。
私は、コーチングに出会う前に、産業カウンセラー協会というところで1年間カウンセリングを学び、カウンセラーとしてボランティアをしていたことがあります。
毎日「死にたい」という電話を受ける中で、「命」を扱うカウンセリングは生半可な知識・経験でやってはいけないと感じています。
カウンセリングもコーチングも人の心を扱いますが、治療行為と成長のサポートというアプローチの大きな違いがあります。
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