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「新型セレナ」「花火大会」を起点に、「生成AI」「オーソリティー」、最後は「居場所と学童保育」に展開したカラフルな1on1ミーティングです!

色々な課題が学校に集中し、多くの学校は既に手一杯である。もう学校だけに頼るのはやめた方がいい。学校もすべて背負う必要はない。学校や文部科学省を批判して終わるものではなく、学校外の力をもっと活用すれば希望が生まれる。
教育ではとかく「将来のために」と言うが、子どもの「今の幸せ」も大切にしたい。放課後を活用して「社会全体で子供を育てること」を、これからも力強く実践していきたい。
(日本経済新聞7月25日31面「教育~子供の放課後の居場所」より引用)

心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年29回目の1on1ミーティングです。

今回の1on1は「新型セレナ」と「花火大会」がアイスブレイク!

(A課長)
おはようございます。梅雨も明けていよいよ本格的な夏ですね。それにしても暑い。日本人にとって世間話は、「天気の話」が「こんにちは」という挨拶と同義といっていいくらいですが、世間話を超えて、「マジな会話」に昇格している。
ちなみに私が15年くらい前に駐在していた中国の場合、「チーラマ?」がまだ使われていました。「吃了吗?」と書きますが、「ご飯食べた?」ですね(笑)。

(Sさん)
面白い、お国柄があるなぁ~。前回の1on1は、気候変動をチャットGPTに訊ねてみるところから始めています。今回も切り口を変えたテーマで質問してみたのですが、いかがですか?

(A課長)
了解です。今日のアイスブレイクは何から始めますか?

(Sさん)
ありがとうございます。では「花火」を取り上げてみたい。

(A課長)
おっ、夏らしいですね。3年間コロナで我慢していましたので、今年の夏は全国で復活しています。

(Sさん)
そうなんです。長女の孫は今年小学生になって初めての夏休みを迎えました。土曜日に、妻と長女、そして孫を連れて「真岡市夏祭り大花火大会」に行ったんです。午後7時半から9時半まで、途切れることなく2万発の花火が打ち上げられました。感動です。もの心ついて初めての花火大会を満喫した孫は興奮状態でした。

(A課長)
いいですね~ ただ真岡市って遠くないですか?

(Sさん)
ええ。つい先日、旧セレナの5年残価ローンが終わって、新型セレナに買い換えました。半導体不足で結構待たされましたが、やっと届きました。それでまずe-パワーの燃費と、自動運転を高速で試そうと思ったんです。東北自動車道の加須インターから乗り、栃木都賀ジャンクションを経由して北関東自動車道の真岡ICで降りました。案外近かったですね。

(A課長)
埼玉はガソリンが陥没価格で買い物天国、ただし自家用車は必須」と、Sさんは以前の1on1で話してくれました。ところでe-パワーの燃費はどうですか?

Sさんは、e-パワーと自動運転の体感を熱く語ります!

(Sさん)
私は日産自動車の回し者ではないですが(笑)、燃費は延びましたね~ リッター20キロくらいはいけそうです。トヨタのハイブリッドは、エンジンとモーターの両方が走行に使用されますが、日産の場合、エンジンは発電専用です。つまり駆動は完全に電気自動車ですから、すべてのシーンでモーターの走りを体感できます。静かだし、加速の「キュイ~ン」が素晴らしい!
自動運転は初めて経験しましたが、巡航速度の設定も自由自在だし、車間距離をつくってくれる流れも実に自然です。ハンドルの微妙な動きは、生き物のようですね。

(A課長)
「キュイ~ン」ですか(笑)。

(Sさん)
いきなり脱線しました(笑)。
花火に移ります。花火の進化が素晴らしいので、チャットGPTに次のように質問してみました。

2023年夏は全国で花火大会が復活しました。花火の技術的進化は素晴らしく、これまで見ることができなかったゴージャスかつ華やかな花火が次々誕生しています。各花火大会の打ち上げ数も2万発も珍しくなくなりました。花火製造は大量生産が難しいと思うのですが、どのような工程で花火がつくられ、どれくらいの業者、どれくらいの従業員が日本の花火製造に関わっているか教えてください。

(A課長)
興味を覚えると、徹底的に知りたくなるSさんらしい質問だ(笑)。

(Sさん)
肯定的に受けとめます(笑)。チャットGPTの回答は…

2023年夏は全国で花火大会が復活しましたね。花火の技術的進化についてご興味があるようですね。花火の製造には、配合工程、成形工程、組立工程、仕上工程の4つの主な工程があります。

ここから始まり、配合、成型、組立、仕上の各工程を分かりやすく詳述してくれます。後半の質問の回答は…

花火の製造はすべて手作業となる緻密な作業で、安全管理も厳重に行われています。
日本の花火製造・メーカーの会社・企業は全国に約132社あり、従業員数は平均で約40人ほどです。花火製造・メーカーの会社・企業一覧(全国)はこちらからご覧いただけます。

日本の花火は世界でも最も精巧な花火といわれており、多くの人々を魅了しています。花火製造に関わる業者や従業員の方々に感謝しながら、美しい花火を楽しみましょう。

と、「じわん」とくる表現でまとめられています。

(A課長)
チャットGPTらしさですね。大量生産が困難なことが伝わってきます。40人平均で132社ですから、全国で5280人が製造に携わっている。2023年夏は全国で何万発打ち上げられるのかな…?

Sさんは生成AIで、花火に関する深い知見をタイパで習得します!

(Sさん)
それも調べています。

2023年夏の全国の花火大会で打ち上げられる花火の合計数は、正確には分かりませんが、ウェブ検索によると、約450カ所の花火大会が開催予定で、その中で打ち上げ数が分かる花火大会は約200カ所でした。それらの花火大会の打ち上げ数を合計すると、約140万発になります。ただし、この数字はあくまで参考値であり、実際には開催状況や天候などによって変わる可能性があります。また、打ち上げ数が分からない花火大会も多くありますので、実際の合計数はもっと多いかもしれません。

中小の花火大会もあると思うので、450カ所を…250万発と想定しましょうか。5280人のクラフトマン…花火職人さんがつくると、一人当たり473玉だ。一つひとつの花火の中には、さまざまな火薬玉が詰められていますから、製造工程を知ると、感動が深まります。
その後、You Tubeで「花火の製造」に関する動画も結構視ました。興味が興味を呼び、愉しくなってきた。

(A課長)
生成AIをどう活用するのか… 小学生から大学生まで教育現場で侃々諤々という状況です。Sさんの話を聴いているうちに、コーチングのコーチとしての感覚が起動しました。フィードバックさせていただいてもいいですか?

(Sさん)
おっ、自然な流れでコーチングとなってきた。フィードバック、ぜひお願いします。

(A課長)
Sさんは生成AIをきっかけとして、「花火」のことを深く知るようになる。Sさんはもともと調べるのが好きですから、生成AIがなくても、「花火」の知識はある程度得られたと思います。ただ、チャットGPTにより、圧倒的な知識量をタイパで獲得することができた。

(Sさん)
その通り!

生成AIによって知的興奮が促進される…まさに「学びの原点」!

(A課長)
私は推進派です。知りたいことが、滑らかな表現で瞬時に返ってくる。そこから、質問がどんどん深まり、知的興奮が促進されます。これって「学びの原点」だと思うんですね。

ただし、ルールとしては、生成AIを使った場合、それを必ず開示し告知する。あらゆる状況で、それを絶対的な規範とします。結構間違いもありますから、それについても、引用した人間が責任を負う。
生成AI登場以前も、学術論文や、あらゆるレポート、芸術作品もそうですが、剽窃、贋作が判明した場合、その人は社会的な制裁を受けます。当たり前のことですから、生成AIもその流れを踏まえればいい。とにかくこの絶対的規範を倫理として浸透させる。

(Sさん)
Aさん熱い!

(A課長)
生成AIが世界を変える、と感じていますから、どうしても熱くなってしまいます。これまで、縦割り組織の弊害が語られてきましたが、ある人がオーソリティーとして認知されると、「まことの真実」への探求が阻害され、その権威をいただくようになってしまう。バイアスが生じます。
生成AIによって、「情報の非対称性」という概念は、消滅していくと思います。意図することなくフラットな組織化が進みます。

(Sさん)
オーソリティー、どっかで見たな…
そうそう、同じ日曜版で新装なった「科学の扉」に、「オーソリティーとは何か」という記事が掲載されていましたね。26面です。「国際的なオーソリティーをもつ原子力関係の唯一の機関」であるIAEAが、「処理水の海洋放出は国際的な安全基準を満たす」「放射線の影響は無視できるほど」と結論づけたことを取り上げています。
併せて、「気候変動に関する政府間パネル」のIPCCについてもコメントしています。

なぜ国際社会はIPCC報告書をあがめるのか。気候変動と社会とのかかわりなどの研究で知られる英ケンブリッジ大学地理学部長のマイク・ヒュルム教授はIPCCにオーソリティーがあることを、理由の一つに挙げる。ノーベル平和賞を受けたのもIAEAに似ている。

(A課長)
IAEAもIPCCも「科学的」であることが、オーソリティーの根拠です。編集委員の安藤淳さんは、どのようにまとめているのかな?

IAEAはもともと原発を推進する立場にあり、不安をできるだけ鎮める方向に動くと考えるのが自然だ。IPCCについては、参照する論文の多くはふんだんな研究費が出る欧州など気候対策に積極的な国・地域のものだ。

意図せずとも内容にバイアスのかかる可能性は否定できず、それを利用したがる人たちもいる。公正・中立をめざす努力は欠かせないが、偏りはゼロにならないという前提で権威ある機関と向き合う姿勢も必要だ。

「科学的知見」によるオーソリティーにもバイアスは生じる…

(Sさん)
う~ん、深いですね。
生成AIと「情報の非対称性」が話題になりましたが、それは克服されていくでしょう。課題は、そこに人間としての「まともな判断」をどう組み込んでいくのか? その最適解を求め続けるのが人間界に与えられたミッションということになりそうですね。
生成AIによって、偉い人もそうでない人も「チェック能力」を獲得する訳ですから、未来は決してディストピアにはならない!

(A課長)
いいなぁ~
今日の1on1もカラフルに展開です。日産セレナ、花火の製造工程、そして生成AIとオーソリティー…

(Sさん)
もう一つ別のテーマをやってみたいのですが、いいですか?

(A課長)
もちろん!

(Sさん)
前回の1on1で「ソニーは出入りの激しい会社です」と言いましたが、21日の金曜日の日経新聞に、「ソニー、第2のキャリア伴走」というタイトルで、将来の転身・起業を後押しする内容が掲載されています。
内容は次のコメントから始まります。

ソニーで非接触IC「フェリカ」の営業を担う比留間優子さん(51)は2025年秋から高知市の鋳造会社、トミナガで「顧問」として働く。月に2~3日、オンライン会議に参加したり、高知に赴いたりし、展示会や採用戦略の立案などに知恵を絞る。会社の許可を得た業務時間外の副業は「セカンドキャリア」への助走になる。

ソニーは17年に中高年社員へのキャリア支援制度「キャリア・カンバス・プログラム(CCP)」をスタートさせているんですね。

(A課長)
最近「伴走」という言葉が登場するようになりましたが、「伴走はまさにコーチング」を象徴する言葉です。つまりソニーという会社そのものがコーチングをやっている。
CCPの制度内容が紹介されていますね。

ソニーが重視するのは「本人がやりたいこと」で、その機会を提供することだ。制度の利用を強いることはない。まず就業時間の最大2割を使える社内副業制度を生かし、関心のある他部署の業務への参加を後押しした。21年のインターンシップ導入で、挑戦を社外にも広げている。

「伴走」はコーチングを象徴する重要なキーワード!

(Sさん)
人はお仕着せでは気合が入らない。「やりたいこと」というのがいい。
こうやってAさんと毎週1回1on1ミーティングをやっていますが、1年半以上続けてみて、Aさんは私に1on1のテーマを指示することは1回もなかった。完璧なコーチング型のミーティングです。おかけで、私は毎週の1on1が楽しみでしょうがない(笑)。65歳のジジイですが、ここにはちゃんと私の居場所がある。

(A課長)
Sさん、ちょっとオーバーですよ。ただ年齢に限らず「居場所がある」というのは、その人を幸せにします。逆に言えば「居場所が見出せない人」は不幸です。考えてみれば、コーチングとは、心の平安を感じられる「居場所」を、共に探していくことかもしれない。コーチはそのためにクライアントと伴走します。
Sさん、昨日火曜日の日経新聞31面に、ショッキングな記事が掲載されていました。放課後NPOアフタースクール代表理事の平岩国泰さんの寄稿です。次の言葉から始まります。

小中高の学校現場は夏休みに入った。夏休み明けは子どもの自殺が多い。昨年は小中高の自殺が年500人を超え、過去最高となった。主要7カ国(G7)で10代の死因の1位が「自殺」なのは日本だけである。
小中高の自殺の4割は学校・学業起因とされる。若者の数が減る中で、自ら命を絶つ人が増えている現状は胸が痛くなる。

18年調査によると、自己肯定感の低さが顕著のようです。米国が最も高く87%。日本の次に低い韓国が74%です。

(Sさん)
日本は… うっ、45%かぁ~ 異常な低さですね。

学童にとって真の「居場所」は「放課後」につくられる!?

(A課長)
平岩さんは自己肯定感が高まるのは、放課後が鍵を握っていると言っています。その理由の最初に「居場所」を挙げている。

1つ目は「居場所」だ。内閣府の子供・若者白書(22年度版)によれば、居場所の数が増えるほど自己肯定感が上がっていくことが分かっている。
居場所を考えるときに大切なのは量だけでなく質も追及することだ。小中高生にとって気持ちの良い場所か、人間関係は良いか、新たな出会いや発見があるか。これらは重要な要件だ。小学生の学童保育に関し、親が働けるよう量の確保を優先する風潮があるが「子供が行きたい場を選ぶ権利がある」という視点を決して忘れてはならない。

(Sさん)
長女はバリキャリですから、今年から孫は当然学童です。ただ今回いろいろ知りました。学童の環境は、場所によってさまざまです。自治体によってバラバラなんですね。悩みに悩んだ末長女は、かなりお金がかさむ民間の施設を選んでいます。一昔前までは「保育所」が大テーマでしたが、最近は明らかに、放課後の在り方である「学童保育」問題にシフトしている。

(A課長)
なるほど… そういうことか。

(Sさん)
ちょっとネガティブになりました(苦笑)。今日の1on1は、ソニーに戻して、中高年の意識変革を促している内容で〆ましょう。「学び直し」です。

50歳以上の希望者全員に新たなスキル習得費用を最大10万円、補助している。学習内容は自由で、累計700人以上が利用する。アプリ開発など本業に役立つスキルのほか、定年後の独立に向けた中小企業診断士などの資格取得まで多様だ。

ソニーウォッチャーの私は、この記事をしっかり読んでいます。10万円は実に太っ腹だ! 私の時代は、副業禁止が絶対でした。ソニーの事例は、まさにコペルニクス的転換です。
前回の1on1は、キャリア官僚の転職を話題にしました。結論は「アンシャンレジーム…日本でもヒエラルキーの崩壊が始まっている!?」です。
日本、そして世界の大変動が起こっている。

(A課長)
未来は何が起こるか分からない。だからこそ「ポジティブに変わっていく」、と信じて、引き続きコーチング型1on1ミーティングをやっていきましょう。
今日は実にカラフルなミーティングでした!

坂本 樹志 (日向 薫)

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