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就職活動解禁!AI面接官は客観性や公平性が高いって本当でしょうか?~企業の採用選考に人工知能が使われる?~

今年も就職活動解禁の時期がやってまいりました。
最近、「AI(人工知能)」という言葉が新聞やテレビなどで連日のように取り上げられています。企業の採用選考にもAIが使われ始めているようです。

以前、「世界最強の囲碁棋士がAIに敗れる」というGoogleディープマインド社が開発したアルファ碁のニュースは、「AIが人間を超えた」という強烈な印象を世界に与えました。

先日の日本経済新聞にも、
「企業の採用選考に人工知能(AI)が使われ始めている。志望動機や経験談などを記入するエントリーシート(ES)の精査や性格診断だけでなく、実際の面接にまで登場。AI面接官はデータで判断するので、人のように相手の外見による印象などに左右されにくく、客観性や公平性が高い。」という記事が掲載されていました。

確かに採用の効率化・省力化にはつながるのかもしれませんが、企業の大切な命とも言える人材の選考を人工知能に判断を委ねるというのは、たとえどんなに精度が高まったとしても、私には違和感があります。

効率化・省力化すべきはもっと他にあるのでは?

私も以前の勤務先で採用担当をしていたことがあります。気持ちは分からないわけではありませんが、そもそも採用選考、しかも面接という最も大事なことを、効率化・省力化しようとする企業の姿勢や考え方はそれでよいのでしょうか。
効率化・省力化すべきはもっと別のところにあるように思います。

これからの未来を担う若者を冒涜していると言っては言い過ぎでしょうか。大手企業の7割はAI導入を検討していると言いますが、なぜか先日の新聞記事を読んで悲しくなってしまいました。

しかも同紙の記事によると、スマホの質問に答える形でAIが時間をかけて経験を聞き、将来の姿を予想するというもので、
例えば「漫画が欲しくてアルバイトを始めた」という回答と「妹に漫画を買うためにアルバイトを始めた」という2種類があるとします。
「両者の良し悪しではなく、前者は自分の理想や目的に向かって仕事をやり通すタイプ、後者は他人のために働くことをいとわないタイプといった具合に資質をみる、といいます。

本当でしょうか・・・
いかにも機械的で私にはむしろ滑稽に感じてしまいました。こんなことで人を判断されるなら、と思うとちょっとショックですね。
もちろん、最終判断は人間の目でということなのでしょうが、なんとも嫌な感じを持ってしまいました。偏った人材しか集まらない、といったことにならないかと危惧します。

採用面接にもコーチングスキルが有効

実は採用面接にも、コーチングの質問のスキルがとても有効です。
コーチングの質問には、相手に考えさせる質問や本質を捉えるための質問が多くあります。これらの質問を駆使することで、圧迫面接などをして相手に嫌な思いをさせずに、一人一人の価値観やモノの考え方を知ることができ、多様性や個性を考慮した人材を採用することが可能になります。
AIを導入する前に、まず面接を担当する人事採用担当者には、是非、コーチングを学んでほしいですね。

今後、AIは避けて通れないテーマだと思いますが、AIに任せる部分と人間が行うべきものとをどう区分していくのかが重要になるように思います。
オックスフォード大学でAIの研究をしているマイケル・オズボーン准教授は「人間が行う仕事の半分が機械に奪われる」と予測しています。特にビッグデータを分析し、最適な解を導き出す仕事はAIが得意とする分野です。
前述の採用選考もそのビッグデータによる分析の結果ということなのでしょうが、そもそもそのデータ自体の信ぴょう性はどうなのでしょうか・・・

一方、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、機械や人工知能にも奪われないスキルがあるといいます。0から1を作り出すこと、創造です。これは人間にしかできません。そして、カウンセラーやコーチなど、人と人とのコミュニケーションを必要とするスキルです。

今後は学校教育など教育のあり方も大きく変わってくることが予想されます。一人一人の個性を活かすコーチングの考え方が益々求められると確信しています。

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