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今ここに注意を向け、今の自分に気づくマインドフルネス

マインドフルネスの語源と意味

Googleをはじめ、色々な研修やストレス軽減法として脚光を浴びている「マインドフルネス」ですが、その語源は仏教用語の「サティ」の英訳だと言われています。

 「サティ」というとオウム真理教事件が思い起こされる方にとっては、印象が悪い言葉かもしれませんが、「サティ」は「気づき」とか「念」のこと。

つまり、「今」の「心」に気付くことが、「マインドフルネス」な状態だともいえるようです。

 また、「mind」は「意識する、気を配る、心にとめる」ことであり、「ness」は、「性質や状態などを表す抽象名詞」です。

つまり、「mindfulness」は、「今まさに、気が付いている状態、意識していること」なのです。

なぜ、「今に注意を向ける」のしょうか

あなたは、過去の経験や思い出に思いを馳せることや、未来の不安や戸惑いに心を奪われることはありませんか? 

人は、過去や未来のことに知らず知らずに意識を向けがちです。

過去の解決できない辛い気持ちに囚われ、その気持ちが未来の不安につながってしまうことさえあります。

過去や不安に縛られ、「今」「この瞬間」を生きる自分に意識を向けにくいのです。

そのため、今、呼吸をしている自分、食べている自分、歩いている自分が無意識になり、思考が過去や未来に囚われ分散し、確実に生きている今の自分が見えなくなるのです。

 マインドフルネスは、「今、ここ」に心を置く=集中し、ありのままの自分に気付くことです。

つまり、「生きている自分の気持ち、身体の活動」に注意を向け、今を感じることです。

 「今の自分」を意識できることで、過去や未来に囚われ不安定になっていた気持ちを安定させることができますし、「あ、今こんなことが浮かんだ」「今、息を吐いた」といった自分の今の変化に気が付くことで、自分に起こっている現象を客観視することができます。

 過去の出来事に心が縛られていた自分が「今、息を吸う」、未来の不安で押しつぶされそうになっていた自分が「今、筋肉を動かして息を吐き出している」のです。

今を意識し集中することが、確実に今を生き自分を感じ、自分を受け入れ、自分を信じることにつながります。 

マインドフルネス瞑想

マインドフルネスを身に付ける方法に、瞑想があります。

方法は、呼吸瞑想、歩く瞑想、食べる瞑想などが代表的です。

これは、仏教の瞑想法である「止観」にも通じる方法です。

瞑想の手順については割愛しますが、自分の身体が「今、行っている動作」に意識を向け、瞑想中に他の情報-例えば、過去の嫌な感覚や誰かの顔など―が頭に浮かんだとしても、「浮かんだこと」事実を受け止め、そのまままた自分の身体が「今、行っている動作」に意識を向け直します。

例えていうなら、漫画のコマワリのようなもので、自分のセリフの吹き出しがあっても、次のコマでは違う画面に変わっている感じのイメージです。 

大切なことは、瞑想中に浮かんだ気持ちを否定も肯定もしないこと、浮かんではいけないと考えないことです。

湧き出てくる心象風景や考えはそのままにして、その画像や感情を追わないことが大切なのです。

 その瞑想体験を繰り返すうちに、「今の自分」をありのままに受け止め、気持ちの切り替えや集中力のアップにもつながり、過去に囚われずに「今を生きる」自分を意識できるようになるのです。 

心配ごとや気になることが多くて気持ちが集中できない、過去の嫌な思いや未来の不安に囚われてしまいがちな時は、マインフルネス瞑想を覚えて実践してみてはいかがでしょうか。

「なんだか、気持ちがすっきりした」感覚を得ることができるはずです。

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五十嵐久

淑徳大学「プロコーチ入門講座」講師

GCS認定プロフェッショナルコーチ

中小企業診断士

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント

一般社団法人東京コーチング協会 理事(創業者・前会長)

 

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