世界ランキング1位となった女子テニスの大坂なおみ選手のコーチ変更が話題になっています。
全豪オーブンのシングルスで優勝して世界ランキング1位となって以来初のツアー大会ドバイ選手権の前の記者会見で、サーシャ・バイン氏とのコーチ契約解消を発表しました。
発表によると、大坂なおみ選手は、
「チームのエネルギーを変えるためだった。幸せでいる以上の成功など望んでいないし、私を幸せにしてくれる人々と一緒にいたかった。」
と、女子ツアーを統括するWTA(女子テニス協会)が報じています。
WTAによると、大坂なおみ選手は、
「昨年春(4月)のチャールストン(米国)と同秋(9月)の北京で、同時にそのように感じ始めた。」
といいます。
その2大会は、試合中に泣き出したことでも知られ、精神的につらい大会だったようです。
契約解消は、
「すでに全豪の期間中には考えていた。大会期間中は何とか乗り越えないといけない、と自分に言い聞かせていた。でも、少し変だと気がついた人もいたと思う。」
と、胸の内にわだかまりを抱えながらの優勝だったことを明かしました。
今回の解消について、金銭面でのトラブルも噂にあがりましたが、大坂なおみ選手は、
「それが、最も自分を傷つけた。そんなことはない。」
ときっぱり否定しています。
「チームと一緒に転戦し、家族以上にいつもいる。そこにお金のことなど全く関係ない。」
と話しました。
また、サーシャ・バイン氏については、
「彼がしてくれたことすべてに感謝している。彼について、悪いことを言うつもりはない。」
「(内向的な)自分が、より人に心を開くことができるようになったのは彼のおかげです。」
と語っています。
コーチ解消の真相は分かりませんが、コーチの存在がとても大きなものであることが分かります。
誰をコーチにつけるかで、試合の結果のみならず、その人の人生にも大きな影響を与えます。
大坂なおみ選手が、次のコーチに期待するのは、
「ポジティブな思考の人。顔色を伺うのではなく、直接的にものを言ってくれる人がいい、それが最も重要な要素の一つ」
と言っていますが、ここにコーチのあり方に関する一つのヒントがあります。
コーチングのスキルでもある「フィードバック」の重要性です。
フィードバックとは、相手の話を聴いて、感じたこと、見えたこと、聞こえたこと等をそのまま伝えることです。
目的は、「相手の気づきを促す」ことにあります。
コーチは相手の“鏡”の役割を果たし、相手の感情や思いを感じ取り、伝えます。
仮にそれらが相手の思いや話している内容と違っていたとしても率直に伝えます。
ポジティブなこともネガティブなことも、正直に伝えます。
そうすることで、「気持ち」や「想い」「認識」を共有することができます。
時には勇気が必要です。
「こんなことを言ってしまっていいのだろうか」
「相手に失礼ではないだろうか」
「こんなことを言ってしまったら嫌われてしまうのではないか」
「相手を傷つけてしまうのではないか」
といった思いを克服することが求められます。
相手に対する尊敬や思いやりの気持ちが大切です。
自分の直感に耳を傾け、自分の思いに正直でいる強い意志が求められます。
直観を信じ、感じたことをそのまま相手に伝えます。
「フィードバック」によって、相手は新しい視点を見出したり考えが変わったりするような大きな気づきが促されることもあり、フィートバックを求めるためにコーチをつけると言われるくらい重要なスキルです。
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