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「コーチング×リフレーミング」を「ガラパゴス化」というワードに着目し、「自ら変わろうとすることはできる」について考えみようと思います!

かつて日本市場にのみ最適化し世界で通用しなくなった日本製品は、「ガラパゴス化」と揶揄(やゆ)された。グローバル化が逆回転すると、個別市場に適応する「ガラパゴス化」は強みにもなりうる。
(日本経済新聞10月19日・1面「世界的ヒット消す分断「ガラパゴス化」今や武器」より引用)

「コーチング×〇〇〇」をリフレーミングと掛け合わせてみました

10月19日(土)の早朝、自宅ポストから日経新聞を取り出し、リビングダイニングのテーブルに置き、さて…と眺めると、キャッチ―な表現が目に止まりました。左上部の「カタ」にある「見出し」です。
カタ記事は、1面トップ記事の「アタマ」に次ぐ注目度の高い最新の動向を解説する内容が掲載されます。「ガラパゴス化」というネガティブな捉え方を「リフレーミング」する視点です。いつもコーチングのことを考えている私の「アタマ」が感応したのです。日経新聞の意図にまんまと嵌められてしまいました(笑)。

コーチングにはさまざまなスキルが存在します。経験を積んだプロコーチのセッションを分析すると、必ずと言ってよいほど、この「リフレーミング」が組み込まれています。
人は自分に都合のよい物語を創り、その中に逃げ込んでしまうことがありがちです。その「思考のクセ」に気づき、そこから脱することで、その人の未来は変わっていきます

ソニーグループが世界戦略を変えた。分断によって、一つの製品で世界を席巻する難易度はあがった。市場を支配する「プラットフォーマー」とは一線を画し、新たな勝利の方程式をつくる。

ソニーはリフレーミングによって戦略転換を常態化させている!

記事は、ソニーグループの戦略転換からスタートします。「ソニー大胆転換」の小見出しを付し、5月に「プレイステーション(PS)5」向けにインド発のソフトが公開された、その背景を詳述します。

法規制、所得格差、文化、宗教……。世界で起きている分断は米中対立によるものだけではない。秩序が揺らぐなか、企業もこれまでの常識が通用しなくなった。
ソニーGはこれまで、PS5やミラーレス一眼カメラなどの商品を世界統一規格で販売してきた。しかし、稼ぎ方を見直し、世界各国でクリエーターと結びつく新たなモデルを模索する。「デファクト(世界規格)をとることは目指さない」(吉田憲一郎会長)

ソニーウォッチャーの私は、コラムで繰り返しソニーを取り上げてきました。いち早く戦略に「リフレーミング」を取り込むソニーのレジリエンスに感服です。

この1面カタ記事のもう一つの小見出しは「アップルに逆風」です。「デファクト」に縛られているアップルの動向も描いています。
最後に登場する企業は日立製作所です。東原敏昭会長の言葉を引用して記事は〆られました。

「地政学リスクを抑えるため、世界各地の現場ごとに判断し事業を運営する」(東原敏昭会長)。ガラパゴス力を磨き、今後の世界を渡り歩く。

日経新聞10月19日のもう一つの記事を取り上げましょう。9面・Opinion「Deep Insight」です。ワシントン支局長の大越匡洋さんは、そのタイトルを「<男尊女卑>という幽霊」と、これまたキャッチ―な表現で私たちにリフレーミングを迫ります。記事は、3年半ほど交流をもっている「自分は一昔前の民主党員。オバマ元大統領まで支持した」と語る、57歳の白人男性ジェフリーを軸に展開されます。

弱者に甘んじたくないジェフリーのような思いを頭から否定できない。だが、その鬱屈は反知性主義や反エリート主義と結びつき、男らしさによりどころを過度に求める男尊女卑をはびこらせる。(中略)
「女性を大統領にする考えに納得できないだけではないか」。オバマ氏が10日、ハリス氏支持をためらう黒人男性に向けて「真実」をぶつけると、「侮辱だ」と反発が広がった。マチズモ(男性優位主義)という言葉を生んだラテンアメリカ系だけでなく、「黒人男性にも男性優位という保守の伝統がある」とデューク大のケリー・ヘイニー教授は指摘する。

様々な対立を呑み込み、変わり続けることで米国は存在している

記事は、「ハリス氏が大統領になったとしても新たな反動をもたらすだろう」と指摘しつつも、「様々な対立を呑み込んできた米国の民主主義」に期待を込めています。この箇所を読んだ時、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏(インド出身)の言葉が想起されました。

私のような人間は、米国以外の国であれば、通っていた大学に見合った役割を与えられるだけだろう。米国だからこそ、自分の能力を証明するチャンスを手に入れられた。それは、これまでの移住者にも、これからの移住者にも言えることだと思う。

米国は呻吟しながらも、のたうち回りながらも、「分断」を乗り越えた先にある新しい未来を切り拓いてくれるだろう…ことを信じようと思います。『シビル・ウォー』は決して起きない(起こさない)…ということを。
「<男尊女卑>という幽霊」にある最後の言葉を引用し、今回のコラムを〆ることにします。

米国は衰退しているとトランプ氏はあおる。確かに今の米国に世界を作り替える力はないだろう。しかし、自ら変わろうとすることはできるはずだ。米国が変われば、世界もきっと変わる。

坂本 樹志 (日向 薫)

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