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第18回:希望年収が高いとき、どう判断するか ─公平性とのバランス─

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経験もスキルも申し分なく、現場からの期待も高い。「ぜひ採用したい」と思う人に、やっと出会えた。
しかし条件交渉に進むと、こちらの提示額を大きく上回る希望年収が伝えられる——採用現場ではよくある場面です。

採りたいけれど金額が合わない。迷いが始まります。

希望額が高い理由はさまざまですが、今回はその中でも「既存社員と同等のプロファイルなのに希望額が高いケース」に絞って整理していきます。

一見シンプルに見えて、実際には経営判断を揺らす要素が数多く潜んでいます。

公平性と整合性——「説明できる処遇」になっているか

まず確認すべきは、既存社員との公平性と整合性です。
同じ職務領域・同じ責任の重さで働く人材に、説明できない処遇差が生まれたとたん、組織の納得性が揺らぎます。

「なぜこの人だけ高いのか?」
「自分たちは正当に評価されているのか?」

こうした疑問が蓄積すると、不満や不信感につながり、チームの雰囲気に影響を及ぼします。

特に中小企業では、情報の透明性が高い分、この揺らぎは組織に広がりやすくなります。

さらに処遇の整合性が崩れると、「外に出たほうが自分の市場価値を正当に評価してもらえるのでは」という空気が生まれ、離職リスクを高めることにもつながります。

公平性と整合性は、組織の健全性を支える土台であり、組織文化を守るための最優先領域のひとつです。

とはいえ、採らないリスクも大きい——現場が回らないという現実

公平性は重要ですが、それだけでは意思決定はできません。
第17回ブログで述べたように、採らない選択そのものがリスクになり得るからです。

現場の負荷が限界に達している場合、採用を見送れば、金額では測りきれない損失につながることがあります。
組織の疲弊という“見えにくいコスト”は、時に数百万円規模に膨らむこともあります。

公平性は重要ですが、組織が持続的に回るかどうかという視点と必ずセットで考える必要があります。

本人の“落としどころ”を探る——紹介会社を味方につける

ここで鍵になるのが、候補者の“落としどころ”を探ることです。
人材紹介会社を利用しているなら、ぜひ彼らを味方につけてください。

紹介会社は候補者との対話を通じて、次の点を丁寧に確認できます。

  • 提示している総処遇(基本給・賞与・手当・福利厚生など)をどこまで理解・納得しているか
  • 何が譲れない条件なのか
  • どこまで調整可能なのか
  • 入社日など、給与以外で調整できる余地はないか

候補者は希望額を高めに提示する傾向がありますし、紹介会社も初期段階では、その金額を後押しする形で話を進めることが多いでしょう。

とはいえ、選考が具体化するにつれ、候補者側も断られるリスクを見越すようになり、より現実的なラインが見えてくるものです。
紹介会社をうまく使うことで、その“本音のライン”に近づけます。

一方で、会社にも会社の“落としどころ”があります。
現場の状況、採らない場合の影響、既存社員とのバランス——
これらを踏まえ、「この水準なら経営として納得できる」というラインがあるはずです。

候補者と会社、それぞれの落としどころが重なる部分を探すこと。
ここに、今回のケースにおける採用判断の軸があります。

結論:公平性 × 持続可能性 × 落としどころ

既存社員と同等のプロファイルなのに希望額が高いケースは、判断がぶれやすい領域です。

公平性と整合性、採らない場合の組織への影響、そして、候補者と会社、それぞれの“落としどころ”。
この3つを並べて見ていくことで、経営として納得のいく判断が見えてきます。

次回の第19回では、「ケース②:社内にない知識・経験を求めるために希望額が高い場合、どう判断するか」を取り上げ、戦略採用としての考え方や給与バランスとの向き合い方を整理していきます。

組織の未来をつくる採用判断が、より確かなものになりますように。


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CBL認定アソシエイトコーチ
Support Runners代表
エグゼクティブコーチ/人材採用支援アドバイザー
山本 知子

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