
人材育成の鍵は思考と行動の柔軟性
いま、あらゆる業界で「VUCA」という言葉が聞かれます。
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)——。この四つの頭文字を取ったVUCAは、かつての「予測し、計画し、管理する」経営の常識が通用しない時代を象徴しています。経営者がどんなに綿密な戦略を描いても、数カ月後には環境が一変してしまう。そんな現実の中で、企業が真に問われているのは「変化にどう対応するか」ではなく、「変化をどう創り出すか」です。
この問いに対して、最も大きな鍵を握るのが「人材育成」です。しかし、ここに大きな誤解があります。多くの企業では、依然として「人材育成=教育」だと考えられています。つまり、知識やスキルを付与すれば人は成長するという前提です。ところがVUCA時代においては、知識の賞味期限は極端に短く、スキルもすぐ陳腐化します。求められているのは、「何を知っているか」ではなく、「わからない状況でどう考え、どう動くか」という思考と行動の柔軟性です。
リーダーに求められるラーニングアジリティ
では、それをどう育むのか。
答えは、「コーチング的な学習環境」を整えることにあります。コーチングとは、個人の中にある可能性を信じ、問いかけによって自らの答えを導き出すプロセスです。これにより、人は与えられた正解ではなく、自分が納得した解に基づいて行動できるようになります。不確実な環境では、上司の指示を待つのではなく、自分で考え、試行し、学び直す力(ラーニング・アジリティ)が最も重要です。
コーチングはまさにその筋肉を鍛えるアプローチです。あるIT企業では、管理職全員に「コーチング型マネジメント研修」を導入しました。結果、メンバーからの提案件数が倍増し、離職率が20%減少したといいます。背景には、上司が「答えを出す存在」から「問いを投げる伴走者」へと変わったことがあります。部下が自分の意見を表明できるようになり、チームが自律的に動き出したのです。
最も強い組織とは全員が考える組織
VUCA時代において最も強い組織とは、全員が考える組織です。
人材育成の目的は、知識を伝えることではありません。社員一人ひとりが自らの意思で学び、変化に適応し続ける「自己変容力」を身につけることです。
コーチングはその土台を提供します。問いを通して、思考の枠を広げ、自己理解を深め、行動の主体性を引き出す。こうしたプロセスの積み重ねこそが、VUCA時代に生き残る企業文化をつくります。未来は、誰も正確には予測できません。だからこそ、企業が育てるべきは「答えを持つ人」ではなく、「問いを持ち続ける人」です。そして、問いから学ぶ文化こそが、変化をチャンスに変える原動力になるのです。
株式会社コーチビジネス研究所(CBL)は、エグゼクティブコーチの養成を行っているコーチング専門機関です。個別コーチングのみならず、組織コーチングにも取り組んでおり、特に独自に開発した「グループコーチングWA」は、いま多くの企業で導入が進んでいます。詳しくは下記をご覧ください。
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国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC)
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久
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