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「型を大切にしながら、型にとらわれることなく、現状とは違う未来を志向していく」のが、優れたビジネスコーチ!

成功体験の呪縛として象徴的なのが、儲け頭の商品… ボストンコンサルティンググループが提唱したPPM、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでいうところの「金の成る木」を維持しようと、自社競合…カニバリゼーションを避けようとします。それを盛田さんはよくわかっていて、「一番売れている商品がダメになる技術、商品を開発しろ!」と社内を鼓舞していたのですね。トップがそう言ってくれると、前例踏襲を意識することなくイノベーションに挑戦できます。
(コーチビジネス研究所HPコラム「リーダーシップ理論の変遷(5)~ソニーのEV参入と変革型リーダーシップ~」より)

心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2024年7回目の1on1ミーティングです。

ビジネスマンにとっての幸せとは?

(Sさん)
おはようございます。ビジネスコーチングについて、Aさんに質問し、私のコーチング資格取得に向けての学びの1on1ミーティングが始まって、明快な目的が生まれると、アタマの血の巡りが活発になってきました。
「目的の明確化」は、ビジネスのイロハですが、自分ゴトになると、モチベーションが起動します。

(A課長)
本当にそう思います。企業目的と自分の目的に共通点を見出すことができれば、本人は幸せであるし、メンバー間、組織間にシナジーが生まれます。それが企業全体のパワーとして広がり、企業は成長していく。

(Sさん)
ビジネスコ―チングの学びにつながりますね。前回の1on1で、私が「ビジネスコーチングとは?」と、質問すると、Aさんはコーチビジネス研究所のホームページを引用し、説明してくれました。そこには、「人と組織の可能性の最大化」とあった。つまり、今Aさんが言葉にした、良好な循環を実現するためのサポート役が、ビジネスコーチという訳だ。

「大きな大きなうねり」となると、「人と組織の可能性は最大化」する!

(A課長)
年初2回目の1on1でしたか… 日経新聞日曜版の『直言 Think with NIKKEI』に登場した、「味の素」の藤江太郎社長の言葉は、まさに、それを実現するための具体的メッセージです。

私たちの”志”への「熱意」ある取り組みが小さな波となって、そして”志”に共感いただける関係者の皆さんと共に取り組んでいければ、大きな大きなうねりとなって、“10億人の健康寿命の延伸”と“環境負荷の50%削減”を通じて、世界を変えていく原動力になるのだと思います。それをけん引することに喜びと誇りをもって挑戦していきましょう。

(Sさん)
日経新聞の『直言』に登場するのは、世界の要人といいますか、政治家や学者が多い。ただ、ときどき、ビジネスの一線で活躍されている経営者を日経新聞は選び、インタビューをしている。私たちビジネスマンにとって、その人たちの言葉は、とても迫ってきますね。藤江社長もそうです。それから、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長の言葉に、私は力をいただきました。長い会社生活で、多くの失敗を重ねてきましたが、それは間違いなく肥やしになっていますから。

今でこそ海外で成功しているが、進出後20年ほどは失敗の連続だった。ロンドンに数十店も大量進出して、最初は大成功すると思ったら結果は大失敗だった。北京や上海などで商品が全く売れない時期があった。米国もそうだ。現地の事情を把握せず出店したのが理由だ。

(A課長)
直近の『直言』…2月11日のインタビューは、岡藤正広・伊藤忠商事会長兼CEOでしたね。行き過ぎた不動産投資によって、バブル崩壊が予感される中国から資本逃避が起こっていますが、それが日本の株価の上昇につながっている。日本経済全体に大変化の兆しが伺われます。このタイミングだからこそ、伊藤忠商事に日経新聞は白羽の矢を立てたのだと思います。見出しは、「謙虚は美徳」はもう古い、ですから。記事のスタートに勢いを感じます。

優れた経営者は「伝統的企業慣習」を断つことを可能にする!

バブル崩壊直後の1990年代から「失われた30年」が続いてきた日本で、企業が攻めの姿勢に変わり始めた。伊藤忠商事は残業禁止など大胆な働き方改革を断行したほか、リスク覚悟で巨額投資を決断し、利益水準で三菱商事や三井物産と争うまでに稼ぐ力を高めた。岡藤正広会長兼CEO(最高経営責任者)はグローバルで勝ち抜くために、日本の伝統的企業慣習を断つ必要を説く。

(Sさん)
岡藤CEOの言葉は、いずれも情熱的です。日経新聞が見出しに使った「謙虚」について質問した回答に響いています。

──謙虚さを捨てるだけで、日本は世界に勝てるだろうか。
「以前は世界が驚く日本製品が多かった。今は世界を席巻したソニーの『ウォークマン』のような商品は見当たらない。技術が衰えているわけではない。日本人は優秀な頭脳とお金を川上と川中に集中しすぎているのが課題だ。

(A課長)
『ウォークマン』は、世界を席巻した象徴的な商品なんですね。ソニーウォッチャーのSさんは、そのことを折に触れて語る。岡藤CEOも同じことを語られている。
かなり以前の1on1…ソニーがEV参入を発表した頃だったので、2022年の1月でしたか…リーダーシップ理論の変遷を語り合った時、Sさんは『ウォークマン』の凄さを話してくれた。ミレニアル世代の私は、まったくイメージがなかったので、勉強になりました。
そのときの対話を再現してみましょう…

『ウォークマン』は、やっぱり凄かった!

(Sさん)
私はソニーウォッチャーを自認していますから、「やるな!ソニー」という思いです。創業者である井深さん、そして盛田さんがまさにカリスマ的リーダーであった1970年から1980年代にかけてソニーはグローバルに輝いていました。
そのソニーは2000年以降長期低迷となります。「どうした?ソニー」が延々と続きます。

(A課長)
私はSさんと世代が違うので、ソニーがすごい会社だというイメージはありませんでした。その象徴としてウォークマンの世界的大ヒットが語られますが、技術的なインパクトはそれほどでもないのでは… と感じていました。
私はプレステというより、ジャパンクールの先駆けをつくったニンテンドーのマリオで育った人間なので…

(Sさん)
確かにアップルが2001年に売り出したiPodと比較してしまうと技術的な印象は薄いですね。ただウォークマンの凄さは、カセットテープという規格の大きさは変えようがないので、音質という本質的な機能を落とすことなく、どこまでカセットテープサイズに近づけるか… その限界に挑戦したところなのです。そのため録音機能をカットしています。マルチ機能に縛られてしまいガラパゴス化に陥る日本企業が多いのですが、これは盛田さんが最終的に意思決定した、と言われています。

(A課長)
それは知らなかった…

(Sさん)
それからウォークマンは和製英語です。当時世界ブランドになっていたソニーが、正式な英語ではない変なカタカナ語を使うのは… と否定的な見解が多かったと言われています。盛田さんは英語をネイティブのように話せる人でしたが、そのウォークマンに最終的に決めたのも盛田さんなんですね。

この後私は、1on1のテーマであるリーダーシップ理論に戻って、「コンガーとカヌンゴのカリスマ型リーダーシップ」に触れている。

「カリスマ型リーダーシップ」として認知される要因とは?

(A課長)
つぎつぎに逸話がでてきますね。成功体験を得てしまうと、それを守ろうとするのが人の常です。前回1on1で紹介した、コンガーとカヌンゴのカリスマ的リーダーとして認知される要因である「型にとらわれない行動」「現状にとらわれない」、を裏付けていますね。

(Sさん)
Aさんとの1on1ミーティングを振り返るのは、とても勉強になる。ここからは、ビジネスコーチングについての質問タイム、ということでよろしいでしょうか?

(A課長)
はい、お願いします。

(Sさん)
前回の1on1は、ビジネスコーチングでの「誘導」をいかに回避するかがテーマでした。成功も失敗のいずれも、相対化させておかないと、「誘導」につながってしまうこともある、という指摘でした。「なるほど」でした。ただ…

(A課長)
ただ…?

(Sさん)
ええ、岡藤CEO、柳井CEO、そして、藤江社長は、はっきりモノを申される。私だけでなく、多くのビジネスマンは、日経新聞の『直言』に登場される人たちの言葉から学びを得ているでしょう。「教えを請いたい」という想いです。
ただ、Aさんがいつも言葉にするのは、「コーチングはティーチングと異なる」です。「クライアントが自ら気づくのを待つことが大切だ」、ともAさんは言う。
いかがでしようか?

(A課長)
池上彰さんではないですが、思わず「いい質問ですね」と、言いたくなりました(笑)
コーチングがここまで広がっているのは、メソッドとしての効果を皆が感じているからです。前々回の1on1で、コーチングのスキルを紹介しましたが、それらが体系として確立しているからです。
「基本は大切」「基本に戻れ」という言葉があるように、いずれのメソッドにも、型である基本が存在します。

(Sさん)
はい、コーチングの資格を取得するには、「コーチングの基本」をしっかり学ぶ必要がある。スキル体系を自分のものにしなければならない。

(A課長)
その通りです。ではSさんに質問しますが、優れたコーチと、そこに至っていないコーチの差は何だと思いますか?

優れたコーチと、そこに至っていないコーチの差とは?

(Sさん)
実にオープンクエスチョンだ。そうですね… 「コーチングの3原則」が血肉化しているコーチではないですか。

(A課長)
「血肉化」という表現はメタファーですね。抽象的に感じますが、その言葉を紐解くと、どう説明できますか?

(Sさん)
コーチングの質問になってきた(笑)
頭で考えようとするのではなく、身体の隅々に「そのこと」が宿っているので、自然にクライアントに寄り添うことが出来るコーチ。クライアントのことを五感で把握し、自在にコーチングのスキルを駆使することができるコーチ… といったイメージかな?

喩えていうならば、プロのコンサートピアニストです。完璧に暗譜し、作曲家の意図と、自分が表現したいことを融合させ、そうして自然体で曲に身を委ねていく。「次は何の音だっけ?」なんてことは、微塵も考えていない。すぐれたコーチは、「次は何の質問をしたらよいだろうか?」と邪念が生じることがない(笑)

(A課長)
なるほど… 私の肚にも落ちてきました(笑)
プロフェッショナルと言われる人は、基本を完全にマスターした上で、自分の個性をそこに融合させている人だと思います。基本をすっ飛ばしてプロには絶対なれない。コーチングもそうです。

(Sさん)
コーチビジネス研究所のホームページには、「人と組織の可能性の最大化」がビジネスコーチングの目的であり、目指す内容として、具体的に10項目が挙げられていましたよね。エンゲージメント、リーダーシップ、マネジメント、モチベーションといった、キーワードが登場する。
たとえば、クライアントが「自分のリーダーシップ能力を高めたい」というテーマを設定したとします。そして、リーダーシップについてコーチが有している知見をそのクライアントは知りたいと思った。そのようなクライアントの要望に対して、プロコーチのAさんは、どう対応しますか?

コーチが行う「提案」や「情報提供」とは?

(A課長)
基本を学び、資格を取ったコーチが、実際にセッションを始めて悩む典型例ですね。「コーチングとティーチングは異なる」ということを教わりますから、そのあたりの兼ね合いは、確かに難しい。
これについては、CBLコーチング情報局にちゃんと回答が用意されています。サイト内検索欄に、「提案」と入れてみましょうか。「情報提供」でもいいと思います。

(Sさん)
いくつか出て来ましたね。

(A課長)
コーチが行なう提案や情報提供とは?」をクリックします。

コーチングはティーチングとは異なります。つまり「教え教えられる」という関係性ではありません。ただし、クライアントの要望を受けて、提案や情報提供をすることはあります。
クライアントに役立つ提案や情報提供は、出し惜しみせず提供します。その場合に注意することは、提案や情報提供は相手への指示や押しつけであってはならない、ということです。提案や情報提供を受け入れ、実行するかどうかは、クライアントの判断にかかっています。

コーチングは、徹底的にクライアント志向です。そのこともしっかり書かれています。

コーチの役割は、パフォーマンス向上を願うクライアントのゴール達成をサポートすることです。そのゴールは、テクニカルな技術が必要な場合もあるでしょう。その時のクライアントには備わっていないスキルが求められることも当然あります。
極論すれば、クライアントのゴール達成の助けになるのであれば、何をしてもよいということです。クライアントとの協働のあり方には、さまざまなバリエーションがあり、その時どきで、最も効果的な選択をすることが求められます。

コーチングは、徹底的にクライアント志向!

(Sさん)
コーチングの「基本」を学んだ、その後の「応用編」といった感じだ。なるほど…
ただ、前回の1on1で、Aさんは、自分の経験を語ることは「誘導」につながる、と言いましたよね。そのあたりはどうなんでしょう?

(A課長)
はい、ビジネスコーチングで、私は経験を語ることは、まずありません。ただし、ビジネスや経営に関する「理論」を紹介することはあります。「理論」は「私の経験・考え」とは異なりますから。

(Sさん)
なるほど… 「理論」の定義をチェックしてみましょうか。「デジタル大辞泉」がいいかな?

個々の現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系。また、実践に対応する純粋な論理的知識。

「理論」とは「実践に対応する“純粋な”論理的知識」

(A課長)
コーチングの実践にも、“純粋に”対応可能なのが「理論」です。価値観を伴って語る「経験」とは異なります。
Sさんの管理職として培われたキャリアは私とは比べものにならない。大先輩ですし、コーチの私の方が、むしろSさんに教えを請いたい、という気持ちです。でも、それではコーチング、特にビジネスコーチングにならない。

今日、『ウォークマン』をきっかけに、2年前の1on1ミーティングを振り返りましたが、そのとき私は、「ジョン・コッターのリーダーシップ論」である「変革を実現する為の組織改革の8段階」を紹介しています。CBLコーチング情報局でも、取り上げられていました。
Sさんは、その理論にインスパイアを受けて、ソニーのことを熱く語った。そして、さまざまな気づきを得られた。ですから、ビジネスコーチングになっていたと思います。

(Sさん)
思い出します。『ウォークマン』の凄さが話題になった1on1を再現してみましたが、Aさんは、「カリスマ的リーダーシップ」が、その一つ前の1on1でテーマだったことを、語っている。再度確認します。

(A課長)
つぎつぎに逸話がでてきますね。成功体験を得てしまうと、それを守ろうとするのが人の常です。前回1on1で紹介した、コンガーとカヌンゴのカリスマ的リーダーとして認知される要因である「型にとらわれない行動」「現状にとらわれない」、を裏付けていますね。

日経新聞の『直言』に登場した、「味の素」の藤江社長、「ファーストリテイリング」の柳井会長兼社長、そして、「伊藤忠商事」の岡藤会長兼CEOは、コンガーとカヌンゴが提起したカリスマ的リーダーとして捉えることが出来そうですね。発言からうかがわれるのは、「型にとらわれない行動」「現状にとらわれない」です。理論と実践のマッチングです。

コーチングも基本は大事。その上で、柔軟なセッションを自在に展開できることがプロコーチには求められる。つまり、「型を大切にしながら、型にとらわれることなく、現状ではない未来を志向していく」のが、優れたビジネスコーチである…と、理論化できそうだ。

(A課長)
最後は「理論」ですか。そこは何とも言えない(笑)

(Sさん)
(笑)… ビジネスコーチングについての知見が深まりました。次回も、質問をいろいろ用意しておきます。引き続き、よろしくお願いします!

坂本 樹志 (日向 薫)

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