心理学を学びコーチングの資格を有する新進気鋭の若手A課長と、部長職を長く経験し、定年再雇用でA課長のチームに配属された実践派のSさんとによる、2023年39回目の1on1ミーティングです。
「スタジオジブリ」日本テレビの子会社化が発表された!
(Sさん)
ジブリを題材に1on1を2回やってみましたが、21日にジブリが日本テレビの傘下に入ることが発表され、翌22日金曜日の新聞各紙は、そのことを取り上げていましたね。
そのことを知ったのは、TOKYO Web…東京新聞のWeb版がスマホにリコメンドされていたからです。「会見詳報」をしっかり読んでいます。鈴木敏夫社長の一問一答も掲載されていましたから、興味深く読みました。
(A課長)
私は日経電子版で知りました。それから毎日のようにリコメンドされています。日本社会にとって、ジブリがいかに影響力のある存在なのか… 改めて実感できました。
(Sさん)
同感です。TOKYO Webを共有しますね…
タイトルは、~「ジブリ」なぜ日テレ傘下に、1時間の会見で語られた問題とは? 鈴木社長「ことごとく失敗に終わった」(会見詳報)~です。
いきなり「失敗」が飛び込んできたので「?」が点滅しましたが、冒頭のコメントで、その意味はすぐに理解できました。
日本テレビホールディングス(東京)の子会社化が決まったスタジオジブリ。鈴木敏夫社長を悩ませてきたのは、世界的な映画監督、宮崎駿氏の後継者だった。
育成に取り組もうとしたこともあるが、「ことごとく失敗に終わった。宮崎に続く有望な監督を見つける、育成するその困難さを知った」と語る鈴木氏。
難題は、子会社化により解決されるのか。宮崎氏は引退するのか。約1時間の会見で見えてきた「ジブリの未来」とは──。
「宮崎に続く有望な監督育成に失敗した」と語る鈴木敏夫社長…
(A課長)
宮崎駿さんは不世出のアーティストであることを日本中が共有している。その映画監督としての後継者を、鈴木敏夫さんは育成しようとした…でも「ことごとく失敗に終わった」。
まあ「そうだろうなぁ~」と、思いますよ。
『風の帰る場所』の3回目のインタビューは1997年7月で、『もののけ姫』の大成功がはっきりと見えたタイミングです。その冒頭で、宮崎さんがジブリを出て「二馬力」という会社をつくった経緯が語られます。
渋谷 : 素晴らしい作品で本当に感動しました。
宮崎 : ありがとうございます。
渋谷 : で、その後にいきなり引退宣言をなさいましたが。
宮崎 : いや、引退宣言ってことないんですよ。僕がジブリを辞めるだけですから。やっぱりエンターテインメントっていうのは、いろいろ定義付けがあるけれども、必要十分条件の一つとして、資金をできるだけ膨らませて回収するっていう義務があるんですよね。作品を作るんだっていう綺麗ごとを言っても、そのプレッシャーというのはものすごく大きいんです。実際、こういう職場を維持していこうと思えば、なおそういうことが重要になってきますから。だから、やっぱりお客が入れば喜ぶし、入らなければ困ったなあと思うもんなんですよ。で、もうそれから解放されたいと思ったんです。それで、二馬力っていう小さい会社ですけども、そこに少しずつですが、お金が貯まったので……まあいろいろ出しちゃったから、減っちゃったりもしたんですけどね(笑)……それで箱を作って50歳以上の人を集めてね、お金が続く限りなんかやってみようって思ったんですよ。
(Sさん)
全精力、いえ、それを超えるエナジーを数年にわたって投入しつづけて作るわけだから、ヘロヘロになってしまうのは当然ですよ。宮崎監督の場合、「この程度でいいかな…」という妥協がおそらくできない人…だからこそ芸術家だと思うのですが…『もののけ姫』のような作品を作り終えたら、そうなりますよね。
「50歳以上を集めて」は、いいなぁ~ 定年を迎え再雇用の身になると、そういう話を聴くと何だか嬉しくなる(笑)
(A課長)
(笑)… ある時から「二馬力」というクレジットがエンドロールとかに出てきたので、「ジブリとどういう関係なんだろう」と感じていました。宮崎監督のこの語りを読んで、「なるほど…」と理解できました。別会社であり、宮崎さんの個人事務所です。一応棲み分けしていたんですね。
「二馬力」設立は引退した宮崎監督の居場所づくりだった!?
(Sさん)
ええ、宮崎監督についてはこれまで何度も「引退」が報道されていますが、「二馬力」の設立は、最初の“具体的な”「引退」です。
宮崎監督の言葉から、映画製作の厳しさが伝わってきます。ジブリは一つの作品をつくるのに数年をかけます。その間はひたすら投資です。ヒットするかどうかはわからない。一種のギャンブルです。
『君たちはどう生きるか』は7年をかけています。2016年に宮崎さんが鈴木さんに「つくりたい…」と告げます。そこから動き始めたわけですが、宮崎さんも鈴木さんも不安だったと思いますよ。7年間は収入ゼロです。その間、膨大な数のスタッフ人件費や諸々の製作費はどんどん膨らんでいく。
「事前広告ゼロ」は、「周りを巻き込みたくない」という判断もあったのでしょう。リスクヘッジです。宮崎さんの“作家性”が、これまでのジブリ映画のなかで、最も強烈に出てしまっている作品であることを、鈴木さんはわかっていましたから。
「作品内容はいい…でも売れないだろうなぁ」という気持ちも抱えていたと想像します。
鈴木さんのことだから、ヒットしなかった場合に「広告しなかったから」という、弁解として想定していたのかもしれない(笑)
(A課長)
その『君たちはどう生きるか』が、ものすごい勢いで興行収入を伸ばしている!
(Sさん)
ええ、二週間前の1on1で、ジブリの全映画作品を一覧化しましたが、『君たちはどう生きるか』の興行収入がサイトでは発表されていなかったので、そのときはネットで調べて、少し前のデータを、とりあえず表示しておきました。その翌日にサイト掲載が始まったので、更新しています。現時点で、歴代23作品の7位につけています。
『君たちはどう生きるか』の「宣伝ゼロ作戦」はリスクヘッジ、と言いましたが、その前代未聞の「戦略」が吉と出た! 「前宣伝とヒットは相関関係にある」ことが、当然視されていましたが、鈴木敏夫さんの「開き直り」が、それを覆したんです。
日本テレビの傘下入りの記者会見は、『君たちはどう生きるか』の大成功が確実となったタイミングで実施されています。日本テレビの株価も上昇しましたから、さらに吉が加わり「大吉」となった会見です。
『君たちはどう生きるか』の宣伝ゼロは、最大の宣伝となった!
(A課長)
10年前の『風立ちぬ』で120億円の興行収入を得て以降、ジブリはヒットから見放されます。ジブリの歴史は、82歳になるまで宮崎監督一人に頼り切っていた、というのが実態です。
https://ghibli.jpn.org/box-office/ (9月27日)
(A課長)
映画製作の厳しさが伝わってきます。宮崎さんはアーティストですから、経営は基本的にすべて鈴木敏夫さんに任せていた。お二人は被っていない。それが半世紀に亘ってジブリをここまでの存続させてきたわけだし、世界の「ジブリ」が実現したのは、まさに「二馬力」がシナジーを生み出し、三馬力、いや10馬力レベルの相乗効果が発揮された。ユングが提起し、河合さんが紐解く「相補性」です。
そのような関係性を築くことが出来るかは、リスペクトが鍵を握っている。宮崎さんも鈴木さんも、お互いに言いたいこと言ってる。「仲悪いんじゃないの?」と思ってしまう人も多いかもしれませんが、「本当の同志とは?」…その姿を半世紀に亘って日本中に示してくれました。
(Sさん)
会社の「二馬力」とお二人の「二馬力」を重ねましたね(笑)
ジブリの歴史を少し補足すると、「二馬力」はジブリに吸収されてなくなってしまうんですね。宮崎さんの思いとは別に、大きな社会的存在となってしまった宮崎“監督”は「引退」することが許されなくなっていく。鈴木さんがキャラクタービジネスにも取り組み、一定の成果を出していますが、事業形態は「アニメ映画の一本足打法」です。
ジブリ映画作品の一覧を見ると、『千と千尋の神隠し』で316億円の興行収入を上げた後の宮崎監督作品は、3年後の『ハウルの動く城』です。この作品は珍しい作品で、宮崎監督の原作ではないんですね。たくさんの過去作品の中で、『魔女の宅急便』のみがそうでしたが、2作目の非オリジナル作品です。
『風の帰る場所』の4回目のインタビュー「ナウシカと千尋をつなぐもの」の冒頭で、宮崎さんが、珍しくご自身の作品を褒めているというか、「達成感」があったことを素直に語られています。それくらい『千と千尋』は、アーティストとしての願望と、エンタメにおける興収がベストにハーモナイズした作品でした。
『千と千尋の神隠し』は、宮崎監督の想いと興行収入がベストマッチした作品!
渋谷 : 今回の『千と千尋の神隠し』(2001年)は、みなさんすごく絶賛してらっしゃるということなんですけれども、僕も本当に作品いい作品だと思います。
宮崎 : それはありがとうございます(笑)
渋谷 : どうなんですか? ご本人の達成感としては。
宮崎 : 自分にとっては、絵コンテが終わった段階で、もう一種の達成感があったんですよ。だから、その後は変わってないですね。『しまった』っていう箇所だけが目についているだけで。
渋谷 : それはいつもじゃないですか(笑)
宮崎 : いや、いつもと同じで、賢くなんないですけどね(笑)
こうやって対談が始まるのですが、『千と千尋の神隠し』は、一貫して宮崎さんの「満足感」が伝わってきます。醸し出される雰囲気がとてもいい(笑)
だからこそ、次の作品は原作から起こすのではなく、『ハウルの動く城』を選んだ。「燃え尽き」とは異なるものの、宮崎監督は走り続けてきた。そして『千と千尋』で、自分自身のピークを実感されたのではないでしょうか。『ハウル』の興行収入は歴代2位の200億円に迫りましたが、どうしても前作の『千と千尋』と比較されてしまう。宮崎ブランドによって実現した興行収入だと感じています。ちょっとバブルかもしれない…
(A課長)
Sさんの評価は、なかなかシビアですね(笑)
「作家性が強い」という表現を、アニメ映画監督に用いることが普通になってきましたが、その意味は「原作から起こしている」ということです。庵野監督の『エヴァンゲリオン』はまさにその象徴です。ただ庵野監督は、映画デビューの『ラブ&ポップ』や『キューティーハニー』、そして『ゴジラ』『ウルトラマン』『仮面ライダー』などの実写映画も作っています。「作家性」とは別の側面も持っています。 宮崎監督こそ真の「作家性」です。
(Sさん)
庵野監督がここで登場する。庵野監督マニアであることがAさんから伝わってくる(笑)。ただ、「ゴジラ」の大ヒットで、タイトルの『シン・ゴジラ』が注目され「シン」をつけるのが大ブームです。原作は存在するものの「大胆に改変した新たな作品である」という意味だと解釈できます。ですから庵野監督もやはり「作家性」が強い。
(A課長)
「作家性とは?」を解明する1on1になってきた。ありがとうございます。「作家性」の両雄が並び立ちましたね(笑)
宮崎監督と庵野監督が「作家性」の尖った監督の双璧!
(Sさん)
さて、「日本テレビの傘下入り」の記者会見に戻りましょうか。
「宮崎さんの後継者選びは失敗した」、とありますが、23日の日経新聞1面『春秋』に近藤喜文さんのことが書かれていました。『耳をすませば』の監督です。
一覧表を見ていただくとわかるように、『魔女の宅急便』の次に発表されたジブリの初期作品です。
現在ジブリの社長である鈴木敏夫氏が著書で思い出を語っている。映画公開時、2人で食事をした際に、近藤氏が自身の若い頃を思い出して泣いたそうだ。漫画家になろうと家出同然に新潟から上京した。アニメーターとして業界内で評価されても一般には通じない。でも今、「監督」になれた。ようやく胸を張って帰れる。
「二馬力」=宮崎監督引退、に関して渋谷さんが質問を重ねます。
渋谷 : それじゃ、ジブリからの引退っていうのは真面目に考えていらっしゃるという。
宮崎 : 完全に考えています。プロデューサーも、もう了承していますから。「どうせ止めても無駄でしょ」ってね。
渋谷 : ジブリの経営は誰がやるんですか?
宮崎 : それは鈴木プロデューサーがやればいいですから。僕は元々経営なんか参画していませんから。あっちいこう、こっちいこうって言っていただけでね。
渋谷 : だけど、『宮崎駿』は、経営資源のもっとも大きなものじゃないですか。
宮崎 : いや、それでやっていたら、ジブリはおしまいになりますよ。
渋谷 : それでも、経営資源が逃げていくってことは経営危機になるってことで。
宮崎 : それで潰れるなら、潰れてもいいんじゃないですか。
渋谷 : 他人事ですね(笑)
宮崎 : いや、それはそういうもんですよ。僕はそういうもんだと思います。それはジブリが徳間書店と合併したとか、そういうものとは全く関係なく。どっかで見極めなくちゃいけない。お寿司と同じでね。腹いっぱい食うか、最後の二個ぐらい我慢してやめるか。美学の問題ですよ。もう、くたびれました。
(A課長)
この発言は『もののけ姫』が公開されたときだ。そして近藤喜文さんが登場する。宮崎さんが『紅の豚』で、はじめて自分の好き勝手に映画をつくって、興行収入も当時のトップとなった。そういう背景もあっての発言です。
宮崎 : ……「もっとバカっぽいものを作れ」ってね。まあ、そう簡単には出てこないでしょうけど。出てくれば『耳をすませば』(1995年/近藤喜文監督)のときみたいに、絵コンテきるとか。そういうことをやってもいいと思っているんですよ。でも、そのときは、シニアジブリとが契約してですね、納期はいつで、いくらでっていうクールな契約関係で(笑)、はっきり線を引いてやりたいと思っています。
渋谷 : 『耳をすませば』で、ある程度の勝算を得たからっていうこともあるからですか? それはないですか?
宮崎 : 一緒にいたら駄目ですね。いろいろ口出してしまいますから。ある部分においては、助け船になったかもしれませんが、ある部分においては、やっかいだったはずです。「なんでこんな色でやるの?」とか、僕は身体全体に出ますから。
渋谷 : 全体に出ますか?(笑)
宮崎 : 人間できていないんですよ、僕。
スタジオジブリには近藤喜文さんという天才が存在した!
(Sさん)
宮崎さんのお人柄が伝わってくる。ここから宮崎さんの「育成論」が展開される。それも実に素晴らしい。近藤さんに対する愛情が伝わってくるコメントもありましたね。
宮崎 : それはね、僕、自分の業の深さを甘く見ていないですよ。ですから『耳をすませば』みたいなやり方もあると思うんですけど、それでも、横にいたら駄目ですね。
渋谷 : 『耳をすませば』は、丁寧に作られた素晴らしい作品であったけれども、宮崎駿に対するおびえというか、遠慮というか、そういうものがあったのではと思ったんですが。宮崎さんも、それはお感じになったというところあるんですか?
宮崎 : いや、おびえるなら、もっと徹底的におびえろ、と思いましたけどね。
渋谷 : (笑)
宮崎 : (笑)いや、そんなことはどうでもいいんですけど。僕が、もしああいう作品を作ろうとすると、ことが大袈裟になりすぎちゃうんですよ。だから、ああいう形で少女漫画を映画にしちゃうなんてことができてよかったと思っています。実は、自分にとっては『耳をすませば』と『もののけ姫』(1997年)は対になる作品でね。同じ思想的な基盤から生まれると思っているんで。それを両方自分でやろうとするのは無茶です。しかも、近藤とはなにか一回やらせるって話をずっとしていましたから。それをざまあみろって、俺は約束守ったぞって。“ざまあみろ”ってのがくっついてるんですけどね。
渋谷 : (笑)
(A課長)
“ざまあみろ”って、サイコーですね(笑)
(Sさん)
近藤喜文さんのことをWikipediaでチェックしていて、次のような記述を見つけました。
前記のように、近藤は1970年代以降の宮崎駿や高畑勲の作品を作画面で支えた。
近藤は両名から高く評価されており、高畑が『火垂るの墓』、宮崎が『となりのトトロ』をそれぞれ同時に制作した時期に、両者の間で近藤の争奪戦が起こった。高畑は「他は何もいらないから近ちゃんだけ欲しい」、宮崎は「近ちゃんが入ってくれないなら僕も降板する」と言ったという逸話が残っている(結局、仲裁に入った鈴木敏夫の「宮崎は自分で絵が描けるから」という助言で、近藤は『火垂るの墓』の制作に携わった)。
ところが… 神様は残酷だ。大動脈瘤でお亡くなりになる。享年47歳です。日経新聞『春秋』は、次の言葉で締めくくっている。
そのジブリがテレビ局の傘下に入る。鈴木社長は以前から後継者難に悩んでいたと語った。監督と経営者の両方だろう。前者では近藤氏が確実に筆頭候補だったが、47歳の時に病で亡くなる。もう新作は作れず何かの賞をもらうこともない。しかし生涯ただ一つの監督作を、心に残る人生を変えた一作と語る人は今も多い。
業の深い宮崎駿さんに神様は仕事を与え続けた…?
(A課長)
宮崎さんは、『風の帰る場所』の12年に及ぶ5回のインタビューで、たびたび「もう休みたい」と、引退を口にされます。でも神様は、「あなたは一生作品を作り続けなければなりません。そうして、世界文化の発展に寄与し、世界中の人に夢を与えるのです。私はあなたの才能が枯渇することなく見守っていますから」というお告げをしたんですよ。デスティニーです!
(Sさん)
デスティニー… 運命、宿命か。Aさん、納得です。
Aさんは、やはりコーチングのことを考えている。宮崎監督には、神様というコーチがついているのかもしれない。そのコーチに見守られ続けた…
日本テレビの傘下入りに関して、さまざまの媒体、そしてネットで感想、コメントが発せられています。私は記者会見翌日の、朝日、毎日、読売の3紙も買っています。ジブリ社長の鈴木さんと日本テレビの杉山美邦会長が笑顔で握手している写真が添えられています。3紙とも同じ社会面に掲載していた。後継者については、日本的な感性として、ご子息の宮崎吾郎さんがイメージされます。各新聞がどのように書いているか紹介しますね。
(A課長)
Sさん得意の比較研究だ。
(Sさん)
クセはなかなか是正されない(笑)
朝日新聞は、「…『これからジブリをどうするか考え(宮崎監督の長男でアニメ監督の)吾郎君に託そうとしたが、宮崎も反対し吾郎本人も固辞した』と説明。『個人が背負うにはジブリは大きな存在になりすぎた』…」
毎日新聞は、「…鈴木氏は、宮崎監督が、82歳、自身も75歳とジブリ創設者が高齢化し、後継者問題に悩んできたと説明。宮崎監督の長男でアニメ映画監督の吾郎氏が後継候補に挙がったが、吾郎氏は『一人で背負うことは難しい』などと固辞していたという。…」
読売新聞は、「…東京都小金井市で記者会見した鈴木氏は、自身や宮崎監督が高齢となる中で後継者問題に頭を悩ませてきたとし、『ジブリは1人の人間が背負うには大きな存在になりすぎた』と説明、『経営の部分を日本テレビさんに全部預けて、僕らは作品作りに没頭する』と語った。…」
ジブリは今後も世界の人々を幸せにする作品を生み出し続ける…
(A課長)
私は宮崎吾郎さんの初監督作品である『ゲド戦記』に感動した人間です。吾郎さんのことはウォッチしていました。吾郎さんも素晴らしい人です。カリスマの父親を持つと、その子供は父親にエナジーを吸い取られるというか、結局父親を乗り越えることが出来ないまま、悲しい道を歩むことが多いものです。
事業継承はすべての企業にとって最大のテーマです。「宮崎駿の会社」と誰もが感じるジブリの承継は、長男の吾郎さんに白羽の矢が立つのは当然であり、世間も納得する。ただし吾郎さんはジブリという会社を相対化し、俯瞰してみることができる人です。だからこそ固辞している。
ジブリが今後も世界の人々を幸せにする作品を生み出し続けるには、どのような企業形態がよいか… 鈴木さんとも話し込んだのだと思います。その結論が日本テレビの傘下に入ることだった。
(Sさん)
事業承継というテーマで、日本のエンタメ業界をけん引するオーナー色の強いもう一つの企業の記者会見が、ほぼ同時に行われました。たまたまです。その落差をどう表現すればよいのか…言葉を失います。
ただ、本当によかった。やっぱりジブリは素晴らしい!
(A課長)
今日の1on1もエキサイティングでした。次回もコーチング型1on1で語り合いましょう!
坂本 樹志 (日向 薫)
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