新年度を迎え、新入社員や転入社員なども加わり、職場の雰囲気もガラリと変わる時期ですね。人事担当者や現場のマネージャーにとっては、いろいろと頭を悩ます時期でもあるかと思います。
日本の人事考課は、半年または1年ごとに従業員の業績や能力、貢献度などを評価し、昇給や昇進に反映するというスタイルが主流です。
年度初めに目標を設定し、年度末に自己評価、上司の評価、上司との面談によって評価を行います。
しかし近年、経営環境の変化が激しく、半年、1年前に決めた目標で評価を行うことが難しくなっていることもあり、期間を区切った人事評価を廃止する企業も出てきています。
最近では、日常のコミュニケーションを重視したアプローチが重要になっています。
1on1ミーティング(1to1ミーティング)
そこで、コミュニケーションを密にする方法として、「1on1ミーティング」(1to1ミーティングとも呼ばれています)が注目されています。
1on1ミーティングでは、上司は部下の話に耳を傾け、必要に応じてアドバイスを与えたりします。
お互いに自然体で話す場を定期的に設けることで、日常から部下の考えや行動を知る機会ともなります。部下との信頼関係をつくることにもつながります。
1on1ミーティングは優れた手法ですが、導入にあたってはしっかりとした準備が必要です。
人事部から「定期的に部下と1on1ミーティングを実施してほしい」と言われ、戸惑うマネージャーは大勢います。
経験のないマネージャーにとっては、「何を話せばいいのか」が分からず、目標管理(MBO管理)と混同していたりする人もいます。また世間話や部下の愚痴のはけ口で終わってしまうケースもあります。
1on1ミーティングの本来の目的は、部下の現状を把握し成長へと導くことにあります。
1on1ミーティングによって、部下一人一人の能力を引き出すためのアプローチです。
そのためには、コーチングのスキルが必要になります。
コーチング5ステップ
面談の具体的方法は、コーチングの5ステップが役立ちます。
- 面談の目的を明確にする
- 部下の現状を理解する
- 部下のありたい姿、価値観、大事にしていることなどを把握する
- ありたい姿と現状とのギャップを埋めるために、具体的にどうするかを考える
- 計画を立て、実行する
単なる業務報告や進捗管理ではありません。
成果や失敗を問う場でもありません。
面接のような堅苦しい雰囲気ではなく、是非明るく楽しく行いたいものです。
日常の面談では、部下の感情面に配慮し、まずは部下を理解することに努めるようにするとよいでしょう。
1on1ミーティングというと、部下を管理するための面談と思っているマネージャーも多く、どうしても視点が過去に行きがちです。
部下のできていないところやダメなところばかりに目がいって、指示命令やティーチングばかりになってしまうと、部下は上司と面談すること自体が苦痛になり、口を閉ざしてしまうことになり逆効果です。
未来を意識し、未来に働きかけることがポイントです。
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