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GG佐藤さんが株式会社コーチビジネス研究所に来社!―「廣器会 熱血講演」実況中継(その2)です!

開催日時:2024年6月13日(木)18:30~20:00(懇親会 20:00~22:00)
開催場所:株式会社コーチビジネス研究所 飯田橋セミナールーム
参加人数:14名

それでも「妄想」をやめなかった男の奇跡の物語である

前回(6月20日アップ)に引き続き、GG佐藤さん(以降、佐藤さんと呼称させていただきます)の「熱血講演」実況中継です。
佐藤さんには『妄想のすすめ~夢をつかみとるための法則48』という著作があります(冒頭の見出しは同書9ページより引用)。2014年7月の出版です。千葉ロッテマリーンズを同年10月に退団されていますので、節目としてのタイミング書かれています。佐藤さんご自身がそのプロ野球人生を総括する“自伝”として執筆された本だと受けとめました。

私が同書を手に取ったのは6月21日です。前回の「熱血講演」実況中継(その1)を書く際は、同書の内容は把握していません。
一気に読みました。感動です!

佐藤さんの講演をライブで体験させていただき、その余韻が冷めやらぬ情態で読んだわけです。今回のご縁がなく読んだ場合を想像すると、「感動の質量は雲泥の差だな」、と実感できます。
ただし、同書の紹介はここに止めます。佐藤さんのライプである「熱血講演」実況中継を優先します(ネタバレ回避です…笑)。皆さん、ぜひとも同書を手に取り、感動に浸っていただければ、と思います。

「実況中継(その2)」がスタート!

大学の時、卒業後「どうしようかな~」と迷っている時、新聞のちっちゃな切り抜きの「フィラデルフィア・フィリーズ入団テストやります…」を見つけました。補欠軍団は「これは熱い!」と騒いで、みんなで受けに行ったんですよ。「オレたちのチャンスだ」、みたいな。(会場 : 笑)
もっとも、総勢300人くらい受けていたんで、受かるわけない……
(佐藤さんは少し間を空けて…)

ところが受かるんですよ。こういうところは、私凄いんです。(笑)
ただ、スカウトが言いました。「キャッチャーだったら契約する」って…「えっ? 僕内野で受験したんですけど…」
「いやいや、アメリカの内野手はとんでもない奴らばかりだ。勝負にならない。キャッチャーだったら、もしかしたらメジャーリーガーになれるかもしれない。 キャッチャーであれば契約するけど、どうする?」と言われたんです。

「もちろん、やります!」
速攻サインしました。(会場 : 笑)

なぜかここから、キャッチャーとしての野球人生がスタートしたんです。
少年時代からの「プロ野球選手になりたい」…そのスタートは日本ではなくアメリカから始まりました……
(間)
武蔵小杉、駅前留学の「NOVA」に……3日間だけ通います。(会場 : 笑)
(間)
アメリカ行きの飛行機に乗って、CAさんに「ビーフ オア フィッシュ?」って訊かれて……
(間)
「YES」。(会場 : 笑)

何を訊かれても「YES」と応える英語力で飛行機に乗った!

佐藤さんの絶妙な「間」があり、そして繰り出される、ジョークを絡めた愉快な話に私たちは引き込まれます。笑いに包まれます。

「ミスターサトウ ビーフ オア フィッシュ?」
……「YES」。
こんな英語力でアメリカに突っ込んでいきましたから。(会場 :笑)

ホテルではアメリカ人と共同生活です。今思えば。地獄です。月曜から日曜までオールファストフード。5時間から10時間のバス移動は当たり前。
ただ、そのときは「苦しいを苦しい」とは思っていないんですね。なりたい自分になりに行っちゃってるんで、やりたくてしょうがないんですよ。
念の力です。メジャーリーガーになりたい、なりたい……

念の力って身長も伸ばせるんですよ。ただし、ちょっとこの話、割愛します。大人は興味ないと思うんで。子どもは超食いつくと思うんですけど。
ある技術を使って身長も伸ばしたんです。(会場 : へーっ…)

ただですね、一つ言えるのは、「求める人のところに求めるもの」はやってくるんですよ。目の前で起きている現実は、誰のせいでもないんです。自分が過去に「こうなるように」と指向して、その結果なんですよ。

求めてください!
手に入れたいものを念ずることです。
かならずそれは、現実にやってきます。
身長すら伸ばした僕が言うのですから、間違いないです。

アメリカと日本の野球には決定的な違いがあった!

こうしてアメリカの時代に突入していくんですけど、アメリカと日本の野球の違い、「何が大きく違いますか?」と訊かれた場合、私はこう答えます。
「個の尊重」です。もう少しわかりやすく言うと「人間関係」、かかわり方が全然違うんです。
日本の野球!素晴らしいところたくさん残っています。
ただ、よろしくないところも残っているんです。
こういうかかわり方なんです。左側の「7つの致命的な習慣」です。日本の文化には、こういうかかわり方が残っているんですよ。

佐藤さんはここで、心理学者ウィリアム・グラッサ―の「7つの習慣」を紹介します。

7番目が特に…「自分の思い通りにしようとして褒美で釣る」。これ、使いがちですよね。私はこれが昔から好きじゃなかったんです。選手としても伸びなかったです。
アメリカはまったく真逆のアプローチなんです。右側の「思いやりを示す7つの習慣」をコーチが、監督が、選手にやってくれるんです。
「支援する」「励ます」、いいですよね。
監督と選手がいつも「対等」なんです。何を言っても怒られない。「心理的安全性」もある。これなんです。「認める・承認」の文化です。

どんなことがあっても「Good!」「Great!」
認めてくれる、ホメてくれる。
それはですね、「キモティーーー!」ってなりますよ。(会場 :「おっ、聴こえた」…笑)
こういう環境だと「人って伸びるんだな」、って思いました。現に大学4年間、補欠だった男がですね、3年間アメリカに行っただけで、びっくりするくらい野球が上手くなったんですよ。

アメリカのコーチは「質問」するまで待っていた!

私は一番朝早くに来て、一番最後に帰ってました。コーチはそれを、ず~っと見てるんです。一切教えに来ない。
「何でずっと見てんの? 教えにこいよ!」って思ってました。ある時、タイミングの取り方が解らなくなって、訊いたんです。そのコーチに。
すると「待ってました!」とばかりに、アタッシュケースからGG佐藤の資料出すんです。実は準備万端で待っていたんですよ。連続写真を見せてくれて、「これがいい」「これは悪い」って。「今こうなっているからこうしたほうがいい」…教えてくれたんです。

「この資料、オレが聞きに来なかったらどうするの? 使わないの?」って訊くと、「使わない」って言うんです。
「求めてこない者に対して、教えても意味がないだろう」、と。

佐藤さんは、プロ野球選手としてのご自身の体験を語られています。廣器会メンバーの表情を見ると、佐藤さんの話を、まるで自分に置き換えて聴き入っているように感じられました。
廣器会は経営者の集まりです。佐藤さんのお話と「経営」がつながったようです。佐藤さんの話は「マネジメント」の極意であり「セオリー」とも解釈できそうです。

アメリカのコーチがよく言ってました。「日本人のコーチは、選手をコントロールできるって思っているんじゃないか」と。「選手はコントロールできない。内発的動機付け、自ら望まない限り行動することはない」とそのコーチはよく言っていました。

人生の8割は人間関係の悩みだと言われています。自分でコントロールできないことに捉われた時、人はストレスを感じ、苦しくなるんです。

悩みのほとんどは「人間関係」が占めている!

どうでしょう? 皆さん、コントロールできること書いてほしいんです。ぶあ~って。何がありますかね?

  • 自分のものの考え方
  • 今日やるべきこと
  • 考える時間をつくる
  • 健康管理
  • まわりへのかわり方

これきっと、自分でコントロールできます。

じゃあ、コントロールできないことは……

  • 人のものの考え方
  • 他人の自分への評価
  • 過ぎ去った出来事、過去です。
  • 他人と過去は変えられない…よく言いますよね。

コントロールできないことに、時間とエネルギーを使うのはもったいないですよ。正直、社員の心もコントロールできない。奥様のことも、旦那様のことも、子どものこともコントロールできないんですよ。 (会場 : うんうんうん……)

コントロールできないことをできると思っている奴が…奴っていうのは失礼ですけど、この「致命的習慣」によって人をコントロールしようとするんですよ。そうなると人間関係はより悪化する。
ただこの「苦痛を与えるマネジメント」は使いやすいんです。だれでも簡単にできるから。そして一時的には効果が出るんです。でも、長続きはしません。
「思いやりを示す7つの習慣」はとても大事です。

佐藤さんは「傾聴の実践」を、言葉を尽くし、語ります……

「傾聴する」「最後まで聴き切る」「遮らない」「ジャッジしない」
妻の話を赤べこのように首振っています。気合で最後まで聴き切っています。(会場 : 笑) 

大切なポイントがあります。「思いやりを示す7つの習慣」を相手に使ったとしたらですね、相手は「致命的な7つの習慣」を返してくることがあるんです。それはしょうがない。相手をコントロールすることはできないから。
相手と仲良くしたかったら、自分のかかわり方を変えるしかないんです。「今回は受容してみよう、信頼してみよう」と、かかわり方を変える。
それしかできないんですよ、僕らは。自分が先であり、源なんです。

そしてもう一つ。「自分はどっちを使っているだろうか?」と、問いかける。この世で一番大切な人は、間違いなく自分です。「批判する」「責める」をせずに、自分に対しても「思いやりを示す7つの習慣」を示して下さい。

私が実践していることがあります。
こちらが、相手のことを「100パーセント好きだ! 大好きだ!」って、かかわるんです。決めるんです。これはとても大事です。絶対100パーセントかかわると決める!

「あなた必ず良くなるよ、N野さん(佐藤さんの目の前に座っている廣器会女性メンバー)よくなるよ」と言ったとしても…

(ここは佐藤さん、熱のない声でN野さんに語りかけています)

…心の中で「コイツ、全然育たないな」と思ったら、バレます。(会場 :大笑)
絶対バレるんで、決めるんです! 自分の心の中で「この人に100パーセントかかわる」、と決めるんです!

ここで主語を変えてください。セルフカウンセリング的に、「N野さんは何を求めているのかな?」「N野さんが一番大切にしているのは何なのかな?」と自問してください。すると、だいたいこの「5つの基本的欲求」に当てはまるんです。

強弱はあれど、人は「5つの基本的欲求」のどれかに当てはまる

生存の欲求…安心、安全の職場で働きたい人なんだな。
愛の欲求…チームで何かやるのが好きなんだな。
力の欲求…営業に向いているんだ、一番になりたいんだな。
自由の欲求…しばられたくない、自分のペースで働きたいんだな。
楽しみの欲求…趣味、教養、楽しみながら働きたいんだな。

このような5つのどれかに当てはまります。
れぞれの欲求を満たしながら「自己実現」に向かっていく。会社の中で活躍できるようなかかわり方、その環境づくりが大切です。
強弱はあれど、すべての人がこの基本的欲求を持っていて、欲求を満たそうと思って生きているんです。その人の欲求を理解してあげることによって、「あっ、この人私のことわかってくれてる…」って、いい関係性が生まれてきます。
N野さんの求めているものを訊く、知る、すごい大事です。

ところで、パートナーの求めているもの、訊いたことあります?
どうですか? ぜひ訊いてみてください。
これ、結構ズレます。
私は妻に訊く前は、「ご飯美味しいね」とか言ってほしいのかな、と思っていてんですけど、実際に訊いてみて、一番最初に出てきたのが……「パパお願い。トイレしたあとフタ閉めてほしいの」(会場 : 爆笑)

「そこなの!?」
これくらいズレてるんで、ぜひ奥様とか、社員とか、子どもの求めるものを訊いてみて、それを叶えるかかわりを意識してみてください。
さて、もう少しいきましょう。

伊藤監督から「お前はキャッチャー詐欺か」と言われた!?

運も良かったんです。たまたま私の知り合いで西武ライオンズとコネクションがあって、個人的にプロテストを受けさせてもらいました。そして伊藤監督が、選手からそのまま監督になって、キャッチャーの枠が一つ空いていたんです。(会場 : ほ~っ…)

キャッチャーを探している時に、GG佐藤が現れたんです。伊藤監督に訊かれました。「GG、キャッチャーやっていたのか?」
「はい。大学までは内野手でしたが、アメリカ行って3年間、みっちりキャッチャーやってました」
「アメリカってどんな感じなんだ?」
「指導はほとんどなかったので、伸びしろあります。伊藤監督にご指導いただければ、伸びるしかないです」と、しっかりアピールしました。(会場 : くすくす笑い)
「じゃあ、キャッチャーできるんだな」って、最後訊かれて…
「もちろん、まかせてください!」って言うと…
「わかった、ドラフト指名するよ」と言ってくれて、指名されたんです。(会場 : ほ~…)

「キターーー!」ですよ。夢にまで見たプロ野球選手。西武ライオンズの選手としての生活がスタートしたんです。
さあ、どうなったか…?

佐藤さんはここで「間」をとります。引っ張ります。会場からはくすくす笑いが…佐藤さんは小声で「3日目です」と言葉にします。

プロに入って最初にボールを受けたのが松坂です。(会場 : 大きな拍手、「すごい!」の声も)
ボストンレッドソックスに行く前の全盛期です。平成の怪物です。最初ストレートをバシンと補った時に、手が痛かったんですね。「こんなストレート受けたことねえな~」と思いました。「次スライダーいきます」って言われた瞬間に、若干イヤな予感したんですね。(会場 : くすくす笑い)

こっちもアメリカでやっていたプライドがあるんで、「さあ来いっ、松坂!」って言って… 投げてきたスライダーが超高速、ギュイ~ン!(佐藤さん大声のオノマトペ)
私の方は「キャー」って…捕れなかったんですよ。(会場 : 爆笑)

「松坂ゴメン、そのボール投げないでくれ」って、心の中で思いました。
それで「キャッチャー辞めたい」って、感じてしまったんです。みなさん、どうします。「もう少し頑張れ」 って言うのが普通ですよね。頑張るべきですよね……
すぐ伊藤監督のところに行きまして、「松坂のスライダー捕れなくて、キャッチャー辞めたいです」
「ウソだろう…お前、キャッチャーできるって言ったから採ったんだぞ。お前はキャッチャー詐欺か」って言われました。
「じゃあ、どうするんだ?」って言われて、「サード……」

佐藤さんは、ここから伊藤監督とのやりとりを面白おかしく言葉にされます。プロ野球ファンであれば、垂涎の聴きたかった裏話です。カブレラ、ズレータ、そして涌井投手も登場します。紆余曲折の末、外野に落ち着くのですが、この間、何度も伊藤監督が「ふざけんな!」と、言葉にされたようです。その度に佐藤さんは「ふざけてないんだけど…」と、心の中で反論しています。(笑)

で、外野になったんです。守備がポンコツの。オリンピックの前兆、始まってますよ。(会場 : 笑)
バッティングを生かしながら、頑張ったんですけど、1年目、2年目、3年目、なかなか結果が出ません。

「奥様との出会い」から始まる「感動秘話」については……

ここからの話は「奥様との出会い」、そして「いきなり求婚…」と展開します。すべてを文字にしたい気持ちもあるのですが(「爆笑+心に迫りくるスピンオフ」特別講演です)、『東洋経済ONLINE』に掲載された「G.G.佐藤が妻とともに送った波乱の野球人生~“死にたい”とまで漏らした男をどう支えたか」のリンクを貼っておきます。感動秘話ですね。

弊社(株)コーチビジネス研究所は、コーチング視点でさまざまなことを捉えます。奥様の真由子さんは、まさに佐藤さんのコーチでありメンターだな、と受けとめました。
「あまりにも近すぎる家族の間ではコーチングが難しい」と言われることがあります。弊社は「そうではない…」というスタンスに立ちます。2年前のコラムで「夫が危機に瀕した時、妻が夫のコーチとなって危機を乗り越える物語」を創作しています。佐藤さんと奥さまの関係を知った時(佐藤さんは、熱く語られました)、コーチングは、コミュニケーションの原点そのものであることを、改めて確認できた思いです。

「GG佐藤さん・廣器会熱血講演」実況中継の第2回目は、ここで終えることにします。次回も続きますので、ご期待くださいますようお願いいたします。

坂本 樹志 (日向 薫)

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