「昭和レトロ」が人気を集めているらしい。素朴な食品パッケージ、サイケ調のファッション、花柄をプリントした魔法瓶……。ファンは往時をしのぶシニア世代ばかりではなく、若者も多いという。いまやあの時代も「かわいい」「エモい」「映える」の対象なのだ。
(日本経済新聞8月12日 1面『春秋』より引用)
前回のコラムは流通業態の中でもっとも規模の大きい展開のショッピングセンターについて、埼玉県がいかに「買い物天国」であるかを、定年再雇用のSさんが、心理学を学びコーチングの資格を有する35歳のA課長に“熱く語る”1on1ミーティングが実施されました。
A課長は、前回の1on1が受身であったことを反省し、今回は培ったコーチングの質問力で、「昭和レトロ」を愛するSさんの心の内を、さらに引き出していこうという戦略方針を立てたようです。
さて、どのような1on1ミーティングが展開されるでしょうか?
コーチャブルなSさんに真剣勝負のコーチングで臨むA課長です!
(A課長)
Sさん、おはようございます。前回は、大テーマ「流通業態の変遷」についての初回の1on1でした。Sさんの知見に触れることが出来て、とても勉強になりました。ただ、Sさんの“熱さ”に圧倒されて、受け身に終始してしまったことを反省しています。
(Sさん)
自覚しています。今回はクールダウンを心がけます(笑)
(A課長)
“熱さ”はSさんの人柄を形成する背骨だと感じていますから、そこはしっかり開示されたままでお願いします。その上で、今回は私からいろいろ質問させていただく、という流れにしたいのですが、いかがでしょうか?
(Sさん)
ありがとうございます。しゃべり始めると脱線してしまうのが常なので…「それが面白い」と言ってくれる部下も多かったのですが、Aさんからコーチングの手ほどきを受けているうちに、「それは部下からの忖度だったんだなぁ~」 という気づきを得ています。“気づきの瞬間”は辛い反面、すがすがしさも感じます。ちょっと不思議な感覚ですね。
気づきは突然やって来るので、身構えていてもしょうがないですが、今日はAさんのファシリテーションでお願いします。
“気づき”は突然やって来る…
(A課長)
ありがとうございます。ではさっそく…
今日は、先週の日経新聞を用意しています。11日1面の『春秋』が、「昭和レトロ」について、シニア世代だけでなく若者のファンも多い、と肯定しつつ、岸田内閣の平均年齢が改造前より1歳高くなり、女性も2人にとどまったことで、「…堅実が何より、とはいえ、このレトロ感で世界についていけるのだろうか。…」という疑問を投げかける内容です。
Sさん、どう感じられますか?
(Sさん)
『春秋』は読むことにしているので、印象に残っています。「感じ方…」ですか? そうですね… 高度経済成長の時期は子供だったので体感はありませんが、バブル期については、平社員のころとは言え、時代の空気を吸っています。その経験をどのように捉えたのか無自覚なのですが、私の行動スタイルに何らかの影響を与えているのかもしれない…
A課長は正対してSさんに質問を重ねていきます…
(A課長)
その捉え方は肯定的、あるいは否定的…いずれなのでしょうか?
(Sさん)
う~ん… 相半ば、といったところでしょうか?
(A課長)
もうすこし具体的にお願いできますか?
(Sさん)
具体的にと言われても…難しいですね。ただ… ノスタルジーは感じています。
(A課長)
ということは、肯定的に受けとめられている…?
(Sさん)
そうですね、「あのころは良かった」という気持ちが今も続いているかな… ただ「その感覚は否定しなければ…」と、身体感覚とは別にアタマはわかっているつもりです。
(A課長)
アドラーの言葉を思い出しました。「人間は経験から賢くなるとは限らない。同じ経験をしても人それぞれ受けとめ方は違っている」と言っています。「自分の経験を相手に語ることは、“無自覚な押し付け”となってしまうことがある」、というメッセージだと受けとめています。
(Sさん)
……
沈黙するSさん…
(A課長)
Sさんは昔の話をよくされるのですが、そのときのスタンスといいますか、相手に対してその経験をどう伝えようと思い、話されるのでしょうか?
(Sさん)
…… Aさんの問いで、いま妻の顔が脳裏に浮かんでいます。法事のときのことです。酔いと懐かしさもあって、久しぶりに会った甥っ子二人に、まあ、結構長く話したようなのですが、「あなたみっともなかったわよ」と、ホテルに戻って妻が言うのです。
前置きがなくていきなり言われたこともあり、ムッとしたというか、反発しています。妻曰く、「あなたの昔話に対して、“まいったなぁ”という雰囲気だったわ。気づかなかった? 武勇伝を一方的に話すあなたに、相槌くらいしかできなかったのよ、二人は…」
そのとき萌した複雑な感情については、どうも自己解決できていなかったようです。いまAさんから質問を受けているうちに、そのときのシーンがフラッシュバックされました。「妻の言うとおりだったな…」と、腹落ちしています。
アタマではわかっていたつもりですが、相手の受けとめ方こそが真実です。「わかってくれない場合の原因は当方にある」、ということです。
多くの部下に助けられ、まあ大過なく定年を迎えることが出来ましたが、「ノスタルジーには気を付けよう!」という教訓を得ています(苦笑)
それぞれ異なるセンサーをもつ「相手の受けとめ方」こそが真実!
(A課長)
Sさんは「コーチャブルな人だなぁ」、と改めての実感です。実は、今日の1on1は「最初にコーチングを意識してやってみよう」と“決めて”臨んでいます。質問を重ね、そしてフィードバックについては「忖度を排して」を心がけました。どう流れていくか…身を委ねました。いま、「Sさんだからこそ、コーチングが機能した」と感じています。
(Sさん)
途中で気づきました。「これはコーチングだ」と。Aさんはプロコーチでもありますから、心のバリアをとって質問を受けとめよう、と私の方も“決めた”のです。
結果的に妻の言葉を思い出し、ちょっと辛いところですが、モヤモヤは消えました。楽になったかな…(笑)
岸田内閣の「レトロ感」については、『春秋』の懸念どおりだと思います。私も「古き良き昭和の幻想」をまだ抱えている。若い世代の「昭和レトロ」は、我々オジさんのノスタルジーとは全く別の、「ナラティブ・物語」のない単純なビジュアル感覚なんでしょうね。いよいよ「ガラガラポン!」が迫られている。
丸山茂雄さんが『私の履歴書』の最終回に「若い世代を大切にする」、と書かれています。我々から上の世代は、この言葉の重みを真剣に受けとめなければいけない…
「若い世代を大切にする」は、喫緊の重いテーマ!
(A課長)
Sさんの言葉が、社会の実権を握っている年配富裕層に広がっていくことを信じたいと思います。
バブル経済を知らない私ですが、その終焉については肌感覚の記憶があります。
Sさん、私は本牧に愛着があって、結婚後の新居も引き続き本牧です。前回の最後に、「受け身ではなく積極的に参加させていただきます。横浜、神奈川の流通ネタも仕入れておきますので」、と言いました。その宿題を披露したいのですが…
(Sさん)
いよいよテーマである「流通業態の変遷」ですね。
(A課長)
Sさん、マイカル本牧をご存じですか?
(Sさん)
当時のGMSニチイによる、スーパーリージョナル型のショッピングセンター第1号です。オープンしてすぐに行っています。
(A課長)
さすが、流通業態の研究者!(笑)
1989年でした。私が2歳のときです。記憶は6歳の頃から鮮明になっていくのですが、両親によく連れていかれました。
(Sさん)
スペイン風のコンセプトで独特な景観が現出しました。まさにバブルを象徴する建物群でしたね。ところが…
A課長による「マイカル破綻」の調査報告がはじまります…
(A課長)
そうなんです。総合スーパーのニチイが、ダイエーやイトーヨーカ堂に対抗して、拡大戦略をとります。投資資金は「土地神話はまだまだ続く…」という“幻想”を共有した金融機関をはじめとする関係者によって、ブレーキがまったくきかなくなります。
ニチイは「総合スーパーはいずれダメになるだろう」という想定のもと、高感度をまぶした業態であるサティやビブレへの転換を試行します。会社名も1996年にマイカルに変更しています。
(Sさん)
詳しいですね…
(A課長)
宿題なので結構調べました。2001年にマイカルは破綻するのですが、当時を物語る新聞記事を見つけています。同年9月15日の毎日新聞と日本経済新聞です。紹介させてください。
毎日新聞のタイトルは大きな文字で「マイカル経営破綻」です。見出しは「大手スーパー初 民事再生法を申請」、そして「一勧支援打ち切り 負債1兆7428億円」と続きます。記事の最後は…
マイカルは外資流通大手の米国ウォルマートや仏カルフールと提携交渉を進めてきたが、交渉は難航。メーンバンクとして同グルーブを支えてきた第一勧銀は14日、これ以上の支援は無理と判断。つなぎ融資に応じず、資金繰りが行き詰った。既に複数のスポンサー候補と交渉中で、黒字店を軸に再建を目指す。
日経新聞の方は「3500億円 債務不履行」のタイトル。見出しは「マイカル債 公募債で最大」と、経済紙らしく社債に注目しています。
マイカルが発行した普通社債3500億円が14日、債務不履行(デフォルト)になる見通しとなった。民事再生法の適用を申請し法的整理の手続きに入ったためで、元金利の大半が返済されない公算が大きい。
(Sさん)
毎日は負債全体の大きさを強調していますが、日経はその内訳の社債のデフォルトを詳述している…
(A課長)
Sさんに前回、「のれん」を解説いただいたこともあり、今回財務を勉強しています。日経の記事は次のようにまとめています。
これまでデフォルトした公募債の例では、ヤオハンの転換社債(287億円)、日本国土開発債(普通社債500億円、転換社債70億円)ともに弁済率は1割前後にとどまる。マイカル債は規模、本数ともに過去最大を大きく上回る。
「マイカル破綻」を報道する毎日新聞と日経新聞の視点は異なっていた…?
(Sさん)
2つの新聞を照らし合わせて読み込むと、深みが増しますね。「銀行が貸し付けた負債金額は銀行自身の経営の問題であるが、公募債は個人投資家を巻き込むので影響の質が異なる」、ということを言いたいわけだ。
株式はその価値がゼロになっても投資家は受容せざるを得ないリスクマネーであるのに対して、債権の社債は元本保証なので、それが1割しか弁済されないというのは、当時、マイカル破綻のインパクトがいかに大きかったのか…が、伝わってきますね。
何故そんなことが起こってしまったのか? そのからくりは「土地」に帰着します。
セゾングループの破綻は、グループ企業であった西洋環境開発という不動産会社が起爆剤であったし、ダイエー、そごうの破綻も、地価の上昇を前提とした借入の異常な膨張が、その本質です。金融機関も商売に目がくらみ、土地を担保として差し出せば、事業の将来性には無頓着に、鑑定評価額を超えても貸し付けていますから。
経済学では本源的生産要素を土地、資本、労働と定義し、土地は手段として捉えます。そして商品の価値には3つの側面があります。使用価値、交換価値、環境価値です。
土地は本来、使用価値のはずです。ところが交換価値…つまり使用価値を超えても、買ってくれる人がいるから価格が上がっていく、という捉え方とゴッチャになってしまい、世の中全体が判断停止に陥っていったのがバブルの正体ですね。
土地という担保があれば事業の将来性には無頓着(?)だった!
(A課長)
腑に落ちます。
交換価値は私も勉強しています。絵画などが典型ですよね。絵そのものには、使用価値は存在しませんが、特定の絵は高額でも売れるというコンセンサスが形成されているから、取引が成立する…
(Sさん)
絵画は芸術です。感性というか、定量化できない不可思議な力が存在するので、交換価値も何だか理解できる気持ちになります。
土地は芸術ではまったくないのですが、バブルが始まるまで、土地はそれなりに上昇し続けていますから、社会に「土地は下がる」という経験知がなかったことも、ユーフォリア…熱狂が加速された要因になりました。
(A課長)
大都市の地価が高いのも使用価値で説明できます。そこに情報が集まり商売上の利点が高い、ということです。つまり大都市で商売すると儲かる、ということです。店前通行量が多ければ入店客も増えます。店舗も儲かります。
ただそれも新型コロナによって「かなりの仕事がZoomでもOK」であることを、私たちは実感してしまいました。以前のニュアンスとは異なる「地方の時代」が到来するかもしれません。
マイカル破綻の深掘りによって、経済学を再勉強する機会となりました。マイカルは2003年にイオンの完全子会社となった後、2006年に吸収合併され、会社そのものも消滅します。マイカル本牧は2011年にイオン本牧店に変わり、10棟くらいあったショッピングセンターの建物のうち、一部を残しての営業です。往時を知っている私にとっては寂しい限りです。
ダイナミックに変化していくのが「流通業態」!
(Sさん)
流通業態の変化は、中長期の視点で捉えると、実にダイナミックです。アマゾン、楽天のEコマースも流通業態です。
前回のコラムで話題になった和田繁明さんは、業績の悪化したそごうと西武百貨店を統合させ、ミレニアムリテイリングを発足させるのですが、セブン&アイ・ホールディングスの百貨店事業に吸収されます。それでも業績は向上しません。百貨店も一つの業態です。
前回の1on1で直近の売上と収益を確認していますが、百貨店事業は赤字から脱却できず、セブン&アイも売却することを発表しています。
そうそう、8月11日の日経に和田さんに関する追加記事が掲載されています。4日の記事タイトルが「流通業の未来描いた知将」となっていて、漠然と「ちょっと違うんじゃないかなぁ…」と感じていました。つまり、“追悼記事にありがちな評価”と捉えていました。
今回の内容は、少し修正している印象です。タイトルは「宴の始末と未完の再建」になっていますから… 冷静な視点で和田さんの業績を評価しています。私は最後のコメントがいいなぁ、と感じています。
セブン&アイがそごう・西武の再建を果たせないまま売却手続きを進めている22年夏、和田氏は世を去った。巨大流通グループを残し、一定の雇用や店舗を守った。傑出した経営者であったことは間違いない。
しかしデフレや人口減、少子高齢化などを背景に国内消費が縮小をたどるなか、新しい企業像やビジネスモデルまでは確立できなかった。リストラを果たしながら次の成長を描けない日本経済の姿と重なり、和田氏の訃報は哀愁を漂わせる。
(A課長)
確かに…トーンが変わっていますね。
「巨大流通グループを残し、一定の雇用を守った」和田さん!
(Sさん)
哀愁…で終わっていますから。
私は「巨大流通グループを残し、一定の雇用や店舗を守った」のが和田さんの業績だと考えています。倒産、破綻というとネガティブの極みのようなイメージをもってしまいますが、企業は形を変えて継続していきます。再生され、場合によっては強靭な会社に生まれ変わることもあります。
日本の会社の99%を占める中小企業経営者の悩みは、業績とともに承継の問題がウエイトを占めています。近親者に託したくても思うように進まない現実を目の当たりにして、途方に暮れてしまうトップは多いようですが、承継の手段としてM&Aが近年注目されています。
ところで、2001年の日経記事はヤオハンに触れていますね。Aさん、ヤオハンのその後をご存じですか?
(A課長)
倒産したのですよね… う~ん、認識していません。
(Sさん)
イオンです。
白馬の騎士…ホワイトナイトを任じたのがイオンだったのか?
(A課長)
またしてもイオンですか…
ダイエーもイオンだし、あらゆる企業を呑み込んで巨大化していくイメージです。
(Sさん)
正確に言うと、ヤオハンは食品スーパーのマックスバリュ東海に変わっているのですが、ある意味で存続しています。
イオンは、もともとはジャスコです。興味があってバブル期である1988年2月期のGMS企業の売上高を調べています。トップはダイエーの1兆5503億円、次いでイトーヨーカ堂の1兆50億円、3位は西友の8663億円、そして4位がジャスコの8070億円です。ニチイは5位の5685億円でした。
ちなみにイオンの直近2022年2月期の売上高は、8兆7159億円です。
(A課長)
ものすごい規模になっていますね。
(Sさん)
イオンがどのようなプロセスを経て現在の超巨大グループとなったのか… 別の機会にお話ししたいと考えています。ホワイトナイトの要素も感じられます。
今日の1on1は、Aさんの宿題発表によって、マイカルの破綻の詳細を知ることが出来ました。当時の記憶かリアルに再現されています。
今回私の方で用意したのは、業態の変遷を語る上でキー概念のロードサイドリテイラーです。郊外型のショップですね。家電、紳士服、ドラッグストアなど、さまざま存在しますが、HCと略されるホームセンターとDSのディスカウントショップについて、バブル経済華やかなころの企業が、現在はどうなっているのか、表にまとめています。
多くはM&Aによって会社形態は変わっていますが、そのバリューは引き継がれていると感じます。そのあたりを語ってみたいのですが… ただ、ここまで“濃い”語り合いが続いたので、表も含めての紹介は次回の1on1ということでよろしいでしょうか?
(A課長)
そうですね。同意です(笑)
(Sさん)
では最後に… 今日8月15日の日経新聞朝刊の2面に、元ソニーグループのCEOである平井一夫さんの現在が活写されていました。引退後の平井さんの取り組みです。タイトルは『「ワクワク」を創れるか』です。
「会社は目的ではない。人生を豊かにする手段」という平井さんの言葉が印象的です。
丸山さんの『私の履歴書』を語り合う8月1日の1on1で、私は「平井さんは、多感な時期を米国で過ごした生粋の帰国子女です」「平井さんには大変失礼ですが、ポジティブな鈍感力をフルに発揮されたからこそ、大ソニーを復活させることが出来たのではないでしょうか」と、大変失礼なコメントをしています。
今日の記事に次のような箇所があるので紹介させてください。
海外生活が長く、母国を客観的に見る視点が離れない。「極端に言えば、日本は『人生を楽しむ』ことがあまりよしとされていない」。ならば、自分で企画を立ち上げよう。
そうして平井さんは、2021年に「経済的に厳しい家庭の子どもらを演奏会に招待したり、最先端のIT(情報技術)に触れる取り組み」を行うための一般社団法人「プロジェクト希望」を設立します。
(A課長)
Sさんが中小企業の事業承継の課題を話されましたが、「会社に身を捧げる」ことを是としてきた日本の価値観を再考させてくれる言葉ですね。
(Sさん)
人生100年社会を迎えて、多様な生き方があるはずなのに「会社に過剰適応する」ことで居場所をつくってきた昭和の世代は本当に考えなければいけない、ということです。
(A課長)
今日の1on1は、本当に“濃い”語り合いになりました。「流通業態の変遷」は、私たちの生きざまを考える上でも恰好なテーマだと感じています。次回もよろしくお願いします。
坂本 樹志 (日向 薫)
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