コーチングのスキル編「承認のスキル」~相手の「小さな一歩」を認めてあげる~(2019/03/12)

「この半年間、自分では頑張っているつもりなんですけど、全然進歩してなくて……」

「半年前は、この業務に1週間以上かかっていたようですが、今は4~5日で完了できていますよね。作業に少しずつ慣れてきたのではないですか?」

「あ、言われてみると、確かにちょっとは慣れてきたかもしれないですね。まだまだ目標には及ばないけど、そういえば前よりは早くできるようになっているかも……!」

人は自分のことをわかっているようで、実は他人のほうが客観的に見えていることが少なからずあります。

自分の変化や成長を自分で認識しにくく、他人に具体的に指摘されることで、初めて自分の成長を認識して、「自分もできるんだ」という自信を持つことができます。

それによって、クライアントは「頑張ろう」という意欲をも持って目標に向かってチャレンジしていくことができます。

ポイントは、相手の「小さな一歩に気付いてあげる」ということです。
通常、私たちは、自分が歩けることは当たり前だと思っていますよね。
でも、ハイハイしかできなかった子どもが、初めて自分の足で一歩前に進んだとき、「すごい、すごい!」と感激します。

どんなに小さな一歩でも、どんなに拙い一歩でも、全てはそこから始まるのです。
できる人には、「そんなことは、できて当たり前」かもしれません。
しかし、まったくできなかった「ゼロ」の人にとって、「1」に前進するのは容易なことではありません。

必死に頑張っている人に、
「その一歩で、また頂上に一歩近づいたね」
とエールを贈れば、
「よし、今は辛いけど、一歩一歩頑張ろう!」
という気持ちになりますよね。

同じように、コーチはクライアントの一歩の素晴らしさを伝えてあげることが大切なのです。

「ほめる」と「認める」は別もの

「コーチングって、要するに相手をほめればいいんでしょ」
そんな風に思っている人もいるようですが、「ほめる」ことと「認める」ことは違います。

「ほめる」とは、相手の良い点や上げた成果を取り上げ、相手を肯定的に評価し、それを伝えることです。

それに対して、「認める」は、事実・存在をそのまま伝えることであり、肯定・否定に関わらず、評価を含みません。

「ほめる」ことは承認の一部ではありますが、すべてではありません。
「ほめる」のは、相手が何か成果を出したときです。
言い換えれば、成果を出さなければ「ほめられない」ということが起きます。

「認める(承認)ためには、条件はいりません。

クライアントが「今、最悪な状態なんですよ」と落ち込んでいたとしたら、コーチは、
「今は最悪な状態なんですね。ただ、ここに関しては少しよくなっていますよ」
という事実を伝えることはあっても、自分が思ってもいないのに、相手を元気付けるためにムリにほめちぎったりはしません。

どんなにほめ言葉を重ねられても、本当にそう思っていない相手に、歯の浮くようなほめられ方をしても、嬉しくはないものです。

まして、「相手に嫌われたくない」「この場を平和に収めておきたい」という思いで、誰かをほめるのは、相手のためを思っているのではなく、自分の保身のためです。

また、相手がどんなタイプであるかということによって、ほめ方も変わってきます。

ほめるときには、少なからず「評価」を伴いますが、コーチとはクライアントを上から目線で評価する存在ではなく、クライアントと対等な存在です。

やたらとほめて相手をダメにすることを「ほめ殺し」といますが、コーチングとは、あくまでもクライアント自身が成長するためのサポートであって、ほめて相手をコントロールするものではないのです。

ただ、「○○さんが、あなたがいてくれたからうまくいったと感謝していましたよ」と、第三者がクライアントをほめていた事実を伝えるのは、クライアントの意欲を向上させるきっかけになり得ます。

最近は「ほめ育て」という言葉もよく聞かれますが、相手のことを認めるコーチングの手法は、子育てにおいて、とても大切です。

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