『コンサルティング・コーチング(自立支援型コンサルティング)』これからの時代に求められる中小企業診断士(経営コンサルタント)とは?(2018/11/26)

~経営者にとって本当の支援とは何か~

これからの時代に求められる中小企業診断士(経営コンサルタント)とは何か。
私の主宰する埼玉県中小企業診断協会のコンサルティング・コーチング研究会で取り組んできた調査研究事業報告書をもとに、その考え方の一部をご紹介していきます。

クライアント(経営者)にとって本当の支援とは何か?

MITスローン経営大学院名誉教授エドガー・H・シャイン氏は、その著書「謙虚なコンサルティング」の中で、「コンサルタントは自分で答えを出すのではなく、クライアントが自ら道を見いだせるよう支援しなければならない」「コンサルタントの最も重要な目的は、クライアントが本当の懸念や本当の考えを知り、理解できるようにすることだ。コンサルタントは“パートナー”兼“支援者”になる必要がある」と言っています。

企業を取り巻く環境は益々複雑化、多様化しており、加速度的に変化してきています。第四次産業革命ともいわれるAI(人工知能)の時代を迎え、私たち中小企業診断士のあり方も変わらなければなりません。いわゆる企業のドクターと言われた時代の「処方箋型コンサルティング」から、経営者の想いを軸にして、経営者の可能性を最大限に引き出して、経営者自身が気づき自走していくように支援する「自立支援型コンサルティング」です。

そこで先の調査研究報告書では、次の3つのことを提言させて頂きました。

1つ目は、これまでの「問題解決型、コンサルタント主導型のコンサルティング・ブロセス」から「経営者の想いを軸にしたパートナー型コンサルティング・プロセス」への転換によって診断・指導というこれまでのアプローチ法を見直す必要があることです。

2つ目は、中小企業診断士は指導員ではありません。経営者の気持ちに寄り添い、経営者の想いを引き出し、経営者が自ら気づいて行動できるよう支援するパートナーであるということです。

そして3つ目は、以上の二つを実現するためには、深い傾聴力、共感力、効果的な質問力といったコーチングのスキルが不可欠です。そして何より経営者は自ら答えを導き出す力を持っていると信じて関わるコンサルタントとしての人間力が求められるということです。

中小企業診断士の現状と課題

経営者や中小企業支援機関へのアンケートやヒアリング調査結果によると、経営者からはタイムリーに適切な情報提供、将来の成長に向けた具体的な経営支援が求められ、中小企業支援機関からは経営者や支援機関への理解と提案力及び成果物の質の向上が求められています。

つまり中小企業診断士が求められている経営支援とは、診断および助言レベルにとどまらず、経営者や支援機関の期待に応え満足に至る、実質的かつ効果的な中小企業支援と言えます。しかし実際のコンサルティング現場では、中小企業診断士の経営支援がうまく機能していないケースが散見されるのは、中小企業診断士制度の性格上、診断および助言に焦点が当たりすぎていることが一因です。

多くの中小企業診断士は、診断および助言技術のスキルアップに磨きをかけ、問題解決や提案のレベルアップのみに注力しすぎる傾向があります。そして中小企業経営者を真に理解するための取り組みが弱く、相互の信頼関係構築が進まないまま一方通行のコミュニケーションとなりがちです。それが経営者の自発的な考えや行動につながらず、結局、望む成果が達成できないという悪循環に陥っています。

中小企業診断士は、その経営者のニーズに応えているはずなのに当の経営者から好評価や満足を得られないのは、経営者の潜在的な本当の想いを引き出すことができていないことにあります。

自立支援型コンサルティング

基本的に経営者のみならず人間は、アイデアを使う本人自らが気付きや発見の過程を経ないと行動に結びつき難い、ことが分かっています。経営者が自ら気づいて考えや行動が変わり、自立できるように取り組むことが効果的です。それには経営者に対する通り一遍の対応や表層的な問題への対処療法的な対応ではなく、個々の経営者の言葉や考え方、背景(能力・個性・経験)にフォーカスする必要があります。経営者の自発性を促すプロセスが重要となります。

経営者ヒアリングでも将来に不安を感じられている経営者の方が大半でした。変化の激しいこれからの時代には、1つの解決案がずっと通用するということはなく、経営者は常に変化対応していかねばなりません。そのような経営者を支援するコンサルティングとは、一方的に解決案を提示することより、経営者一人ひとりにしっかり向き合い、信頼関係を構築し、経営者に寄り添って一緒に課題解決に取り組むことで、安心感とやる気を醸成し、経営者の自立した行動につながるような支援です。
私はこのことを自立支援型コンサルティングと呼んでいます。

経営者の本当の想いに寄り添っていくには、コーチングの考え方やスキルが必要です。中小企業診断士(経営コンサルタント)がコーチングの考え方やスキルを身につけたら、経営者の大きな力になれると確信しています。
中小企業経営者一人一人にコンサルティング・コーチングができるコーチ(コンサルタント)がいる、そんな環境をつくることが私の夢です。

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