私たちはこうした母親たちの存在を、近年、職場において広がりつつある先輩社員制度になぞらえ、「メンター・ママ」と名付けました。母と子との関係が、上下の支配から横の関係を経て「前後」に変化しているイメージです。
(『日経トレンディ2024年12月号』261ページより引用)
Z世代の潜在能力が顕在能力として「見える化」するのが2025年!
明けましておめでとうございます。2025年の年頭コラムです。
2025年の世の中はどう変わっていくのか… そのことをコーチング視点で描くにあたって、題材を探していたところ、冒頭に引用した記事が目に止まりました。
『日経トレンディ12月号』は全273ページの構成です。その最後あたりの261-262ページの見開きが「博報堂生活総研のデータで見るイマドキとコノサキ(第31回)」です。タイトルは「30年前と激変、Z世代の親子関係」でした。
若者が政治に参加しようと思っても、「手段」そのものが見出せない「ソレマデ」の状況が、「SNS」という誰もが簡単に使える「社会的ツール」を駆使すれば、「社会そのものを“劇的に”変えることが出来るんだ!」ということに気づいてしまった(気づくことができた)のが、2024年の政治の様相でした。
その主人公はZ世代であることは、言を俟たないところです。
Z世代のライフスタイルについては、さまざま報告されています。ただそれらの多くは「なるほどね~」と、受けとめることができそうで、頭の中が「リフレーミング」されるほどではないな、というのが私の感想でした。ところが…
冒頭の「博報堂生活総研」の分析結果は、かなりのインパクトがあります。「19~22歳の未婚男女600人の若者調査(2024年1月~2月)」です。記事にある、「えっ、そんなに変わっているの?」と感じ入った内容を引用してみます。
今回、私たちが特に注目したのは、「尊敬している親」についてのデータです(図1)。
これは「どちらを尊敬しているか」という単一回答ではありますが、94年の調査では「父親」を尊敬している若者が53.5%と過半数を占め、母親(45.4%)を上回っていました。
「センター」は、父親から母親にシフト!?
では30年後の今、どう変化したのか…
2024年の調査では「母親を尊敬している」と答えた人が61.5%まで大幅に増加しているのです。一方の「父親」は37.0%に大幅ダウンです。
続いて報告されているのは、「自分の価値観や考え方に一番影響を与えている相手」です。「父親」という回答は、30年前とほぼ変化がない(20.9%→20.0%)にもかかわらず、「母親」は“劇的に”変化しています。なんと、21.6%から41.2%と約2倍に増加しました。
様々な結果が報告されています。「友達親子」という概念は1990年代後半から提唱されたとあり、それは「息子ではなく母と同性である娘」が自明でした。「母親と出かける派」について、女性(娘)は30年前も現在も約9割と大きな変化はないようです。ところが…
一方で男性(息子)は、94年には4割以下にとどまっていた「母親と出かける派」が、今回の調査では66.9%まで急伸。「尊敬」のグラフと同じく父・母の逆転が起きています。
調査結果はこの後も、さまざまな点で「母親シフト」が起こっていることを指摘しています。そして262ページに次の見出しが登場します。
「できる母」が“メンター・ママ”に
(株)コーチビジネス研究所の五十嵐代表は、2016年9月に『女性に最適! ゼロから始める夢資格 コーチング・ビジネスのすすめ』を出版しています。同書の第2章では、実際にコーチとして活躍している12人の女性の声を五十嵐代表が傾聴し、紹介しています。第1章にあるコメントを引用してみましょう。
その中には、コーチングを学んだことが、離婚、貧困、介護、子どもの不登校など、数々の苦難を自分自身の宝物にするきっかけになったというすばらしい女性コーチもいます。あるいは、手に職もなく、幼子を抱えて離婚したどん底のシングルマザーが、藁をもつかむ気持ちでコーチングを学び、今では新しいパートナーのいるハワイと日本を自由に行き来しながら、コーチの仕事を行なうという理想的なライフスタイルを実現した女性もいます。
五十嵐代表が8年前に同書で著した内容が、今この時、追いついてきているようです。
当該コラムでは「ダイバーシティ&インクルージョン」をベースに、さまざま語ってきました。アドラーは100年前に「男女同型」を前提として、語ることを始めています。
Z世代が、保守的であり変わることを拒んでしまう「日本文化」を大きく変えてくれそうな未来を、私は予感しています。メンターとしての能力は、そのベースにコーチングマインドが備わっていることが求められます。そのマインドは「一朝一夕」には身に付かないでしょう。
12月19日のアップしたコラムは、『母親になって後悔している、といえたなら : 語り始めた日本の女性たち』を取り上げました。「母親」は、辛い体験を重ねたからこそ、子どもたちが尊敬する“メンター・ママ”になっていくのだと思います。
2025年は、きっと「宝物の年」になっていく!
今回のコラムは「父親」に厳しい内容となったかもしれません。ただし「男性」「女性」に限らず、社会が大きく変化する(してしまう)プロセスにおいて、苦しみと痛みは必ず伴います。2025年は、やっと「日本社会が自己実現に向かって歩みを始めた」その第一歩の年なのではないでしょうか。
2025年は「数々の苦難を自分自身の宝物にするきっかけの年」という、五十嵐代表の言葉を〆として、年頭のコラムを終えることにします。
坂本 樹志 (日向 薫)
現在受付中の説明会・セミナー情報
- 縦割り組織に悩む経営者・組織開発、人事担当者の皆様へ!「グループコーチングWA」体験会のご案内
- 【開催無料・中小企業経営者限定】エグゼクティブコーチングって何だ!できる社長こそコーチをつけている!
- 新『仕事と人生に役立つコーチング講座』がスタートします
- 2024年11月12日【無料】ハラスメントを意識しすぎていませんか? 叱れない上司のための 5Sとコーチングで関わる部下指導と職場づくり
- 人生が輝きだす最強のコミュニケーション術 無料講座
- 超入門初級コーチングいろは1DAY(10:00-17:00)セミナー
- ビジネスリーダーのための傾聴1DAYセミナー
- 1on1がうまくいかない・・なんとかしたいと思っているあなたへ上司として自信を取り戻す1on1スキル向上セミナー
- 【2025年1月4日、1月5日、1月9日、1月13日、1月14日、1月18日、1月19日、1月25日、1月26日】コーチングスクールの説明会を開催します
- 【無料開催・経営者・人事担当者限定】これで会社を変える!社員の自律と成長を促すコーチング活用セミナー