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今後の伴走支援のカギは“コーチング”にあり!

新しい伴走支援コンサルティングについて

現在、中小企業庁が「経営力再構築伴走支援」を推し進めています。時代の変化が速く不確実性が増しているという背景があるのですが、何より従来のコンサルティング手法では成果が見込みにくくなっているからです。

経営力再構築伴走支援(以下、新しい伴走支援と呼ぶ)は、対話を重視した支援モデルです。経営者がやる気を高め、自発的に考えと行動を変容できるようにコンサルタントは対話を通じて成果が出るよう支援します。最終的には経営者のみならず組織全体が自ら課題の発見と解決に取り組む自走化を目指します。

従来のコンサルティングでは、情報提供者が企業側で、情報収集・分析・総括はコンサルタント側とほぼ役割が分かれていました。経営者は、コンサルティング過程では蚊帳の外で、報告会ではじめて現状分析や提案を受けるのが一般的でした。

しかしいくら労力をかけて優れた提案を作成しても、経営者が本気になって行動を起こさなければまさしく絵に描いた餅となり、成果を出しようがないことにようやく行政の認知が進んだというわけです。新しい伴走支援では、コンサルタントだけが解決に取り組むのではなく、経営者の気づきや腹落ちにつなげる「対話」による支援が重要だと明言しています。

新しい伴走支援モデルにコーチングが明記された

新しい伴走支援では信頼の醸成を前提とし、対話の内容として{傾聴+共感+問いかけ+提案}をうまく活用し、経営者の気づきや腹落ちを促します。ここで有効な手法として「コーチング」が紹介されています。

コーチングの説明として、「本人が抱える課題について内省し、自ら解決に取り組むよう導くやりとりの手法であり、主なスキルは傾聴と質問である」とやや簡略化して述べられています。

新しい伴走支援の取組みでは、コーチング的要素が強く含まれています。例えば、まずは経営者との信頼関係の構築が大事なことや、経営者の気づき・腹落ちを促して内発的動機づけにつなげること、そして経営者自身が自己変革し潜在力を発揮できるよう対話を通じてフォローすることなどです。

コンサルタントとしては、従来のように先生的立場からの言動を改めて、外部の良きパートナーとして経営者を支援しなければなりません。意見や解決策を考えても披露することは控えて、正確で適切な情報や分析を経営者の状態とタイミングを計りながら共有し、経営者のやる気を損なわずに気づき・腹落ちにつなげていくやり方は従来型のコンサルティング手法では簡単ではなく、まさしくコーチングが役立ちます。今後、コンサルティングでのコーチングの必要性が益々高まっていることは明らかです。

これからのコンサルティング/コーチングは本質的課題の選定が重要

加えて新しい伴走支援では、本質的課題の追求と特定の強化を求めています。コンサルティングに限らずコーチングの場合でも、コンサルタント/コーチは、経営者の示したテーマや課題をそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。

特に中小企業の経営者は責任と業務の幅が大きく、目先の問題が山積みになって忙殺されていることが多いのです。そして「ありたい姿」や「現状」、「経営理念」が明確になっていない場合も多く、どうしても近視眼的で表面的な課題を設定しやすい傾向にあります。

新しい伴走支援では、経営者の自己変革を促し潜在力の発揮につなげ自走化の仕組み作りを目指すのですが、前提として適切で本質的な課題を選定できなければ成果が得られないのは明白です。経営者の要求する表面的な課題を本質的な課題に修正することは簡単ではありませんが、経営者が真の成長を達成するためには、コンサルタント/コーチはこのことから逃げられないのです。

経営力再構築伴走支援モデル

経営力再構築伴走支援モデル
中小企業庁「経営力再構築伴走支援について」より抜粋

神吉 耕二

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