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「コーチング×教育」を「異質の調和」で紐解きます!

前回のコラムは、<元Jリーグチェアマンの村井満さんは「コーチング×スポーツ」が真実であることを「独自調査」で「証明」されていた!>をタイトルに、「スポーツコーチ×根性論」はすでに過去のもとなっていることを、紐解いてみました。

「コーチング」と「近似な言葉」を組み合わせて語る第二弾です

なぜこのようなコラムを起こしてみたのかというと、米国で1990年ごろ誕生したコーチングは、世紀をまたぐタイミングで日本に輸入されたわけですが、すでに「スポーツコーチ」というワードが日本で定着していたため、「コーチは教示する人」という誤った理解が、今も残っているのでは…という想いがあるからです。
「コーチ」はカタカナ語ですから、その意味が誤解され広がってしまうと、本来の意味(語源)が失われることはありがちです。
弊社の「CBLコーチング情報局~コーチング大百科」は、その正しい「語源」を解説しています。 

さて今回のコラムなのですが、前回と同様に「コーチング」と近似な言葉(ただし意味は異なる)を組み合わせて、コーチングの本質を語ってみようと思います。「コーチング×教育」です。
さてこの「教育」ですが、漢字二文字のこの熟語を「教」と「育」に分解してみます。チャットGPTに次のように質問してみました。

「教育」の「教」の文字に注目し「教〇」のように〇の漢字を組み合わせた熟語を紹介してください。

すると、ズラリと出て来ました。

教会・教科・教員・教室・教訓・教則・教壇・教養・教示・教戒……

このくらいにしておきましょう。チャットGPTは、それぞれの熟語に簡潔な意味を付しています。最後の「教戒(きょうかい)」は日常ではあまり使われませんが「悪い行いをした人を教え戒めること」とあります。「教」の意味を最も端的に表しているようにも感じます。

続いて「〇育」です。

食育・体育・知育・徳育・美育・保育・飼育・養育・薫育・発育……

「教」+「育」=新たな「意味」が創造される「異質の調和」

こうやって眺めてみると、「教」と「育」の含意は異なっていることが理解できますね。異質の漢字を組み合わせ、新たな「意味」を創造する。「教育」は、まさに「異質の調和」です。

実はこのコラムは、「CBLコーチング情報局~コーチング大百科」に収められている河合隼雄さんの言葉に着想を得て書いています(「教育」とは、「教える」「育てる」「育つ」…それぞれの意味が含まれる!)

教育という文字は、教と育に分解することができる。それに、「育」という文字は、自動詞にも他動詞にも用いられる。
教える。
育てる。
育つ。
と並べてみると、教育ということのもつ深さが端的に示されているように感じられる。学校ではいろいろなことを「教え」ねばならない。しかし、それを可能にするためには、子どもがある水準にまで「育って」いることが必要である。教えることに焦りすぎても、子どもがそれを受け入れられないときは無意味になってしまう。

さらに河合さんは深掘ります。

…その本人の潜在的可能性が育ってくるのを待つ、という態度が、教育現場においても極めて重要になることが理解されるであろう。事実、学校において「問題児」と呼ばれる子どもに筆者も数多く会ってきたし、多くの心理療法家が面接し、効果をあげてきている。極端な場合には、来談した子の話を黙って聴いているだけでよくなってゆく。あるいは遊戯療法の場合であれば、文字どおり遊ぶだけである。ただ、話しを聴いたり、遊んだりするときの心理療法家の根本的態度によって状態が変化するのであり、それは通常の雑談や、遊びとは次元を異にするのである。

河合さんの言葉を受けて、「コーチング大百科」は次のように〆ています。

「問題児」とされる子どもは、俗にいう「普通の子」よりも敏感です。「聞いてあげている教師の表面的態度」はすぐに見抜かれます。コーチも同様です。実践を積み重ね、コーチングの意義を深く理解しているコーチは、クライアントを全面的に受容し、クライアントの「鏡」となって自然体で接することができるプロフェッショナルです。

さて、当該コラムもまとめに入りましょう。
コーチングを語るコラムとして、「育」に注目したいと思います。チャットGPTが回答した「育」の熟語を10ほど紹介していますが、最後の「発育」がコーチングを語ってくれているようです。その意味は「生物が育って大きくなること」です。

「教育」とは、さまざまな含意で成り立つ言葉でした。漢字は表意文字ですから、それが組み合わされ熟語になると、広がりをもつ空間が現れます。これからも「異質の調和」を語り続けていこうと思います。

坂本 樹志 (日向 薫)


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