「働き方改革で早く退社できるようになったのに真っすぐ家庭に帰らず、フラフラと街で時間をつぷす“フラリーマン”が話題です。アサヒ飲料の調査では会社員の7割が早く帰れるようになったものの、1割はフラリーマン化しているそうです。
政府は今月、働き方改革法案を閣議決定しました。法案通り可決・成立すると、どんな理由があろうとも残業は年720時間が上限になります。
浮いた残業代をどうするのか。一部企業では次のような取り組みをされているようです。
2013年度に働き方改革を始めたSCSK㈱は、残業削減の実績に応じて賞与として還元し、1人当たりの平均月間残業時間は08年度35時間から17年度16時間へと半減したといいます。
オリックスは今年6月に国内の主要グループ会社14社で「自分磨き制度」を新設。浮いた残業代を原資に全社員に福利厚生ポイントを年6万円分支給するといいます。
はるやまホールディングスは昨年4月から残業ゼロを実現した社員に“NO残業手当“を月1万5千円支給。昨年度上半期の実績で1人当たり残業時間が前年同期比で15%減ったといいます。」(2018年4月23日日本経済新聞より)
平成28年度厚生労働省「能力開発基本調査」によると、
教育訓練に支出した費用の労働者一人当たり平均額(費用を支出している企業の平 均額。以下同じ。)を見ると、OFF-JTは2.1万円(平成27年度調査(以下「前回」 という。)1.7万円)と前回より増加したが、自己啓発支援は0.5万円(前回0.6万円) と、前回より減少しています。
正社員に対する重視する教育訓練については、「OJT」を重視する又はそれに近 いとする企業は74.6%(前回74.0%)とほぼ横ばいとなっており、「OFF-JT」を 重視する又はそれに近いとする企業は24.1%(前回25.2%)で、やや減少しています。
正社員に対する過去3年間(平成25年度~平成27年度)のOFF-JTに支出した 費用の実績は、「増減なし」とする企業が35.2%、「増加した」とする企業は24.8%でした。 同様に自己啓発支援に企業が支出した費用の実績については、「増減なし」とする企 業は28.6%、「増加した」とする企業は11.7%でした。
「今後3年間」の見込みと「過去3年間」の実績を比較すると、OFF-JT、自己啓発支援ともに、今後3年間は「増加予定」とする企業割合が高くなり、OFF-JTでは37.4%、自己啓発支援では30.1%となっています。
また、OFF-JTに関しては、「今後3年間」の見込みについて「実施しない予定」 とする企業が22.2%でした。
終身雇用制の揺らぎやコスト削減もあり、企業は教育訓練費を抑制する傾向にありましたが、「働き方改革」や人手不足によって最近また人材投資へと向かう動きがみられるようです。
働き方改革は、経営者も社員も一人一人が意識を変えることでもあります。
自分磨きに投資するフラリーマンが増えることは、組織にも新しい風をもたらすことにつながると確信します。
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