企業の成長と社員の自己実現を一致させることはできるか(2018/02/11)

働く価値観の変化など時代が大きく変わってきている今日、
これからの企業経営で最も大切なことは、
企業の成長と社員の自己実現をどう一致させていくかにあります。

もっとも従前から、会社の目標と個人の目標との一致点を見出し、
そのベクトルを合わせることは、会社として常に目指してきたところであり、
今に始まったことではないのですが、近年特にこのことが求められているように感じます。

「企業の目標と社員一人一人の目標を一致させることなんてできるはずがない」
そんな声も聞こえてきそうです。
確かに、社員の目標は多様で一人一人異なり、
社員の数だけ目標があると言っても過言ではありません。
それらをどう一致させていくのか、これまでも多くの経営者が頭を悩ませてきた課題です。

しかしながら、私がこれまでお手伝いしてきた経験からしても、
経営者や社員一人一人のパラダイムや考え方を変えることができれば、
必ず一致させる道はあると確信しています。

マネジメントの父と称せられたピーター・ドラッカーの『5つの質問』の中にも、
そのヒントがあります。
一つ目は、われわれの使命は何か、です。
わが社がこの社会に存在しなくてはならない理由はどこにあるのか、
何のために仕事をするのか、この根本的な事業の目的を明確にすることです。

二つ目は、われわれの顧客は誰か、です。
わが社の使命は誰に向けられたものなのか、誰のお役に立ちたいのか、
どういう人を幸せにしたいのか、ということです。

三つ目は、顧客の価値は何か、です。
自分たちが売りたいものを押しつけて売るのではなく、
自分たちがお役に立ちたいと思っているお客様は何を望んでいるのか、
何に価値を感じているのか、です。

四つ目は、われわれの成果は何か、です。
成果というのは売上や利益のことだと思いがちですが、
大事なのはお客様がどうよくなったかです。

五つ目は、われわれの計画は何か、です。
計画とはただ数字を立て、スケジュールを組めばいいわけではありません。
事業を底上げするための目標を立てることだと、ドラッカーは言っています。

喜んでくださるお客様をどれくらい増やすのか、どう増やすのか。
そのために、人、モノ、カネ、時間、情報などの経営資源をどうやって、
手に入れ、活用するのか、という目標を立てたうえで、
役割分担し、実行していくことです。

この5つの質問に対する回答をもう一度考えてみましょう。
それを社員にきちんと伝えているでしょうか?
もしかして伝えたつもりになっていて、
社員は知らない、忘れている、理解していない、
といった状況にないでしょうか?

更にドラッカーは、『経営者の条件』で次のように述べています。
「成果を上げるには、人の強みを活かさなければならない。
弱みからは何も生まれない。成果を生むには、利用できる限りの強み、
すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。」

社員一人一人が自分の強みを発揮できるような仕組みをつくることが必要です。
社員一人一人と対話し、その心の声を聴くことです。
ここにもリーダーとしてコーチングスキルとコーチングマインドが必要な理由があります。

社員が欲しているもの、欲していないもの、
既に持っているもの、持っていないものは何でしょうか?
マトリックスにして考えてみましょう。

例えば、社員が欲していて持っているものの中には、
一人一人の社員の中にある働く目的があります。
一方、社員が欲しいと思っているけど持っていないものは何でしょうか?
もしかとしたら会社の目的との結びつきかもしれません。

このようにして、会社の中の制度を一つ一つ見直してみましょう。

助成金は取得よりも使い方・活かし方が大事(2018/01/23)

今、国や自治体から様々な助成金が出ていますが、
あなたは申請したことがありますか?

最近では、スーパーコンピューターの開発を手掛ける
ベンチャー企業をめぐる国の助成金不正受給事件で、
ペジー社社長の斉藤元章容疑者らが逮捕されるなどで話題になっていますね。

助成金の不正受給など絶対にあってはならないことですが、
不正ではないにしても、助成金に対する考え方や使い方に
疑問を感じるケースが多々あります。

助成金を、ただお金がもらえるからと考えて申請している
企業が多いのが実体です。
特に多いのが、厚生労働省が行っている雇用関係の助成金です。
厚生労働省関係の助成金申請手続きを代行している
社会保険労務士やコンサルタントも、それを助長する
かのような口ぶりでセールスしている人もいるのでなおさらです。

雇用関係の助成金の本来の目的は、
労働者の職業を安定化させるために、
失業の予防、雇用機会の増大、雇用状態の是正、労働者の能力開発等
を図ることにあります。

そのため、人材の雇用や障がい者の雇用、人材の育成などに伴う
助成金が設けられています。
また近年では、定年の延長や廃止による高齢者雇用、
介護・育児休暇制度の充実などを対象とした社会情勢を
反映した助成金が増えています。

現在比較的申請しやすい助成金は以下の4種類です。
就業規則を改定し次の制度を新たに設けて実施すると、
155万円助成金を受給できます。

制 度 概 要 定 額 ※離職率改善
生産性向上
教育休暇等制度導入
(人材開発支援助成金)
外部研修に参加するための
有給制度を付与する
47.5万 +12.5万
健康づくり制度導入
(職場定着支援助成金)
人間ドックや生活習慣病予防検診を実施する 10万 +72万
セルフ・キャリアドック制度導入(人材開発支援助成金) キャリアコンサルタント
によるキャリア面談実施
47.5万 +12.5万
人事評価制度整備導入
(人事評価改善等助成金)
人事評価、昇給基準を作成し2%昇給する 50万 +80万
    合計 155万 332万

 ※離職率の改善や生産性向上要件を満たすと、金額が増額され、332万円となります。

まずは次の基本的な受給要件を確認しましょう。
(1)正社員を1名以上雇用している
(2)雇用保険・社会保険を払っている
(3)過去6カ月以内に会社都合での解雇がない
(4)残業代未払い等、労務違反を犯していない
以上の条件に合致していれば、原則として受給可能です。

いずれも従業員にとっても、とてもメリットのある制度です。
大切なことは、これらの制度を新設し助成金を活用して、
職場環境を改善し、働き方の改革や人材育成へ向けて投資をすることです。

離職率の改善や生産性の向上には、コーチングがとても有効です。
離職率の高い大きな要因は人間関係にあります。
また生産性を高め、業績を改善するには社内における
「関係性の質」を高めることが有効であると、
マサチューセッツ工科大学のダニエルキム教授が
『成功の循環モデル』の中で提唱しています。

『成功の循環モデル』とは、
①チームの関係性が良く、風通しがよいと「関係性の質」が高まり、                                                                  ②対話を通して本質的な議論が行われ、より深いレベルでの対話が行われ
「思考の質」が高まる                                                                                                                                                           ③結果として新たな挑戦や助け合行動が生まれ、「行動の質」が高まり、                                                                                ④その結果、チームや組織のパフォマンスが上がり売上や成績も上がるという
「結果の質」が高まるという好循環が生まれる
というものです。

この「関係性の質」や「思考の質」を高めるうえで、
コーチングを導入してみることをお勧めします。

コーチングの基本的な考え方は、「人は無限の可能性がある」
「答えは相手の中にある」ということであり、
相手を100%信じて受け止めてあげるという人間観に基づいているからです。

「自分探し」の旅は、自分を知ることから始めよう(2017/04/30)

本当にやりたいことがわからない。自分自身のことがわからない。自分らしい生き方が何かわからない。

他の人が仕事や人生を楽しんでいるのに比べ、自分は打ち込める何かが何もなかったり、誰かに必要とされていなかったり、つらいことがあって自分が信じていた足場が崩れそうになった時など、自分自身がわからなくなることがあります。

そんな時、自分を変えたい、もっと違う自分があるはずだと、自分探しの旅に出たくなると思います。

でも、自分探しの旅に出る前に、確認すべきポイントがあります。

「私の人生は、こんなものじゃない」という思いを捨てる

自分探しをする人の中で、他の人の人生に自分を重ねてしまっている場合や、ドラマや小説のヒロインやヒーローの人生が当たり前の人生だ、などと思い込んでしまっている人がいます。

憧れの人のような人生や、周囲の恵まれた人の人生の一部を見て、自分と比べた時に「こんなはずじゃない、もっと素敵な人生があるはずだ。」と考えてしまうと、いくら自分探しの旅に出ても、自分らしい人生を見つけることはできません。

急にヘリコプターが舞い降りて、憧れの人の道まで運んでくれたとしても、一歩降りたとたんに、道の感覚があまりに違いすぎ、立つことさえできないかもしれません。
憧れの人の人生は、あなたが見えなかっただけで、ごつごつした岩の上を一歩一歩踏みしめながら作ってきた道かもしれないからです。

自分探しをする前に、他人と同じ人生を自分と重ねていないかを自分に問いかけてみましょう。
他人の軸に自分を重ねたままでは、自分を見つけることができないまま時間だけが過ぎてしまうことになります。

過去の自分を見つめる

思いもよらないつらいことが起きた時、自分自身が揺らぐことがあります。
自分が見えなくなり、自分を再構築するために自分探しを始めることもあります。

そんな時、自分が立っている足場がぐらついていても、もっと下の土台がしっかりしていれば、足場の補強だけで自分を取り戻すことができます。

自分が今までどう生きてきたのか、自分が大切にしていたものや好きだったものは何かを思い出すことで、自分の中にある“ワクワク感”がよみがえることもあります。

時には、過去を思い出し、苦しくなることもあるかもしれません。
過去は今のあなたを作ってくれた礎です。
「こんな過去は認めない」と思うことが、実は自分自身を苦しめている原因になっていることさえあります。

「良い、悪い」というジャッジを抜きにして、今まで過ごした時間を繰り返し、自分がどんな生き方をしていたのかを受け入れることが、自分探しの旅に出るときには大切になります。

なりたい自分を見失わない

自分探しの旅は、自分を知ったうえで、自分らしい未来の自分を作りだす作業になります。
今の自分に足りないことを見つけ、何かを補ために「憧れの人のようになりたい」を目指すのであれば、なりたい自分が具体的になります。
ここでのポイントは、憧れの人になるのではなく、憧れの人のように生きるために自分ができること、すべきことを見つけることです。

ロールモデルになる人がいないこともあると思います。
そんな時は、漠然とでも「こんな自分になりたい」という目標を定めることが大切です。
道標がないまま、自分探しに出かけても、道に迷いもっと自分の居場所が分からなくなることさえあります。

なりたい自分が見つからないという人もいると思います。
自分が無理をしないで安定していられる場所を探すことを目的にすることはできるのではないでしょうか。
安心していられる場所と、信頼できる人とめぐり逢うことが、自分自身を安定させる足場づくりの第一歩だからです。
足場が整ったところで、自分が何をしたいのか、何を目指しているのかの自分探しの旅に出ても遅くはないのです。

未来は、今の積み重ね

そして最後にお伝えしたいことは、未来は今の積み重ねということです。
なりたい自分になるために自分探しをする前に、今の自分の立ち位置を、しっかりと見つめてみることが大切です。

あなたをあなた以上に理解している相手がいるかもしれません。
あなたが自分を探す旅に出ることを応援してくれる家族や友人もいるでしょう。
あなたの中にある知識や技術が、自分探しの旅に役立つことあるはずです。

今のあなたの手の中にあるものを、しっかりと感じること、そのことも自分探しを始める前に確認すべきポイントです。

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