「自分探し」の旅は、自分を知ることから始めよう(2017/04/30)
本当にやりたいことがわからない。自分自身のことがわからない。自分らしい生き方が何かわからない。
他の人が仕事や人生を楽しんでいるのに比べ、自分は打ち込める何かが何もなかったり、誰かに必要とされていなかったり、つらいことがあって自分が信じていた足場が崩れそうになった時など、自分自身がわからなくなることがあります。
そんな時、自分を変えたい、もっと違う自分があるはずだと、自分探しの旅に出たくなると思います。
でも、自分探しの旅に出る前に、確認すべきポイントがあります。
「私の人生は、こんなものじゃない」という思いを捨てる
自分探しをする人の中で、他の人の人生に自分を重ねてしまっている場合や、ドラマや小説のヒロインやヒーローの人生が当たり前の人生だ、などと思い込んでしまっている人がいます。
憧れの人のような人生や、周囲の恵まれた人の人生の一部を見て、自分と比べた時に「こんなはずじゃない、もっと素敵な人生があるはずだ。」と考えてしまうと、いくら自分探しの旅に出ても、自分らしい人生を見つけることはできません。
急にヘリコプターが舞い降りて、憧れの人の道まで運んでくれたとしても、一歩降りたとたんに、道の感覚があまりに違いすぎ、立つことさえできないかもしれません。
憧れの人の人生は、あなたが見えなかっただけで、ごつごつした岩の上を一歩一歩踏みしめながら作ってきた道かもしれないからです。
自分探しをする前に、他人と同じ人生を自分と重ねていないかを自分に問いかけてみましょう。
他人の軸に自分を重ねたままでは、自分を見つけることができないまま時間だけが過ぎてしまうことになります。
過去の自分を見つめる
思いもよらないつらいことが起きた時、自分自身が揺らぐことがあります。
自分が見えなくなり、自分を再構築するために自分探しを始めることもあります。
そんな時、自分が立っている足場がぐらついていても、もっと下の土台がしっかりしていれば、足場の補強だけで自分を取り戻すことができます。
自分が今までどう生きてきたのか、自分が大切にしていたものや好きだったものは何かを思い出すことで、自分の中にある“ワクワク感”がよみがえることもあります。
時には、過去を思い出し、苦しくなることもあるかもしれません。
過去は今のあなたを作ってくれた礎です。
「こんな過去は認めない」と思うことが、実は自分自身を苦しめている原因になっていることさえあります。
「良い、悪い」というジャッジを抜きにして、今まで過ごした時間を繰り返し、自分がどんな生き方をしていたのかを受け入れることが、自分探しの旅に出るときには大切になります。
なりたい自分を見失わない
自分探しの旅は、自分を知ったうえで、自分らしい未来の自分を作りだす作業になります。
今の自分に足りないことを見つけ、何かを補ために「憧れの人のようになりたい」を目指すのであれば、なりたい自分が具体的になります。
ここでのポイントは、憧れの人になるのではなく、憧れの人のように生きるために自分ができること、すべきことを見つけることです。
ロールモデルになる人がいないこともあると思います。
そんな時は、漠然とでも「こんな自分になりたい」という目標を定めることが大切です。
道標がないまま、自分探しに出かけても、道に迷いもっと自分の居場所が分からなくなることさえあります。
なりたい自分が見つからないという人もいると思います。
自分が無理をしないで安定していられる場所を探すことを目的にすることはできるのではないでしょうか。
安心していられる場所と、信頼できる人とめぐり逢うことが、自分自身を安定させる足場づくりの第一歩だからです。
足場が整ったところで、自分が何をしたいのか、何を目指しているのかの自分探しの旅に出ても遅くはないのです。
未来は、今の積み重ね
そして最後にお伝えしたいことは、未来は今の積み重ねということです。
なりたい自分になるために自分探しをする前に、今の自分の立ち位置を、しっかりと見つめてみることが大切です。
あなたをあなた以上に理解している相手がいるかもしれません。
あなたが自分を探す旅に出ることを応援してくれる家族や友人もいるでしょう。
あなたの中にある知識や技術が、自分探しの旅に役立つことあるはずです。
今のあなたの手の中にあるものを、しっかりと感じること、そのことも自分探しを始める前に確認すべきポイントです。
わがままではない「あるがまま」の自分(2017/04/19)
わがままではない、「あるがまま」の自分
あるがままの意味は、「ありのまま、実際にある、そのままの状態」のことです。
それでは、「あるがままの自分」「ありのままの自分」の自分とは、どのような自分なのでしょうか。
禅の世界での「あるがまま」という意味は、「自分の思いや枠をなくした上で、見えてくる自然な状態」を指すそうです。
それは、自分が無意識に行っている「べき思考」や「決めつけ」などの、自分枠の中に世界をはめ込むのではなく、目に見え、耳に聞こえ、心に感じたそのものの状態を指すのではないかと考えます。
あるがままとわがままの違い
あるがままにふるまうことを、時々、「自分の思うままにふるまう」こととして勘違いしてしまうことがあります。あるがままは、「そのものの状態」を指すのであって、自分の価値観や枠というフィルターを通したものではありません。
例えば、自分の感情に素直にふるまうことは、ただのあなたの感情を相手にぶつけているだけであり、相手からは「わがまま」に見えてしまうことにもなりかねません。
それは、あなたが感情をぶつけることで相手をコントロールしようと相手から見えてしまうからです。
相手に自分を理解してもらうことは、相手を自分の感情でコントロールすることではなく、自分の中にある様々な価値観や思考の癖があることを自覚したうえで、表裏のない自分を伝えていく必要があるのです。
裏表のない自分を見せることで、相手もあなたを理解し、あなたの理解者への変わっていくのです。
あるがままの自分とは、「私はこうなの!」という自分自身の決めつけを外し、自然体でいられる自分になることなのです。
あるがままの自分になるには
あるがままの自分になるためには、自分がどんな感情や考えを持ちやすいのかを知る必要があります。
例えば、同僚から何か嫌なことを言われたとき、あなたの心にはいくつもの感情が浮かんでいるはずです。
嫌なことを言われた事実に対し、あなたの心の中には「不愉快」「理不尽」といった気持ちと同時に、「自分が何かしたのだろうか」いう不安な気持ちや「虫の居所が悪かったのかも」という考えもあるのではないでしょうか。
そのすべてが、あなたの心の中の「あるがまま」です。
けれど、その感情を「いけないことだ」「不愉快だけど嫌われたくないから我慢しよう」と押さえつけ、気が付かないふりをしてしまうために、自分にうそをついたようで苦しく感じたり、自分にこんな思いをさせる相手を許せなくなったりするのです。
自分の中に浮かんだ様々な感情のすべてを自覚し、自分のありのままを受け入れることで、相手の態度に対し自分がどうすればよいのかが見えてきます。
時には、相手に抗議したいと考えるかもしれませんし、相手の嫌味に反応しないでスルーする対処法をとるかもしれません。
大切なのは、自分の中に浮かんだすべての気持ちや思いを、無理に押さえつけないことです。
自分の中にある良い面も悪い面もすべて受け入れ、自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを考えることで、「あるがままの自分」を相手に見せられるようになり、周囲の人も裏表のないあなたを理解するようになるのです。
お知らせ
本を出版しました。
「コーチング・ビジネスのすすめ─女性に最適!ゼロから始める夢資格─」(合同フォレスト)